ハワイ現地発
【ハワイ現地発】2024年にハワイでオープンした旬の居酒屋3選
2024年12月2日 12:00
今年も年間を通して飲食店のオープニングラッシュは止まらず、多種多様な店がハワイに登場した。それぞれがユニークなコンセプトを掲げているが、日系人をはじめとするロコたちが好きな「イザカヤ~居酒屋~」も勢いがあったので、個性に富んだ3店舗を選んでみた。
居酒屋 天きち
今年2月にオープンした「居酒屋 天きち」。1階にはローカルでにぎわう人気居酒屋「とりとん」があり、その横の階段を上がると入り口がある。
種類豊富な天ぷらのほか、刺身などの海鮮メニュー、手巻き寿司、酒の「あて」となる具材を海苔巻きにした「あて巻き」などが揃う。
この店の特徴はスタッフが底抜けに明るくてイキがいいこと。出てくる料理も豪快で、ポン酢がかかったサーモンが分厚くて驚いた。名物のワッショイいくら丼(45ドル/59ドル)は、スタッフが「ワッショイ!」の掛け声とともにイクラをこぼれるほどスプーンでご飯の上にのせてくれる。
天ぷらは、エビやキスなどの魚介、マストオーダーのハワイ島コナ産アワビ、野菜、きのこに加えて、豚しそ梅肉、しそめんたい、ブリーチーズ、卵焼き、さきいかなどをカラッと揚げたおつまみ系がある。天つゆも合うが、お勧めは塩。塩の名産地とされるカウアイ島の塩、ゆず、昆布塩の3種類をネタに合わせて試してみよう。
価格帯は、天ぷらが2つで5~6ドルくらい、つまみは4ドルから15ドルほど、あて巻きは一つ1ドルで、どれをとってもローカル価格。キングストリートという場所柄、大半が地元客、スタッフはほとんどが日本人。ここに行けば「ハワイにある居酒屋文化」を体験できる。
ワイキキ食堂
ところ変わって、ワイキキのど真ん中にも新たな居酒屋がオープンした。カイムキでそば居酒屋を経営する企業が、満を持してワイキキに開店したのが「ワイキキ食堂」だ。免税店(DFS)のビルの向かいにあるが、一見分かりづらい地味な入り口から階段を上がった2階に、広々とした店が広がっている。シックな落ち着いた雰囲気のなか、意外に良心的な価格で創作系の料理がメニューに並んでいた。
たこわさや長芋おひたし、自家製豆腐などの冷たいつまみは5~6ドルほど。イチオシの沖縄スイートポテトサラダ(13ドル)はさつまいものように甘い紫色の芋を使ったポテサラで、味付けたまごとイクラをトッピング。たっぷりの野菜とチップスが乗った豚しゃぶサラダ(13ドル)もなかなかイケる味だった。
トマト肉巻きやレタス肉巻き、牛タンなどの炭火焼き、炙りシメサバなど、メニュー数が多くて、3~4人で取り分けながらいろとりどりの料理を楽しめた。
デザートのハニートーストは日本ではおなじみかもしれないが、隣の席の米本土から来ていた観光客の男性からの視線が痛いほど突き刺さっていた。あまりにじーっと見ているので「食べてみますか?」と聞くと、(ガン見している自分自身にハッと気づき)笑いながら「食後にオーダーするよ!!」と目を輝かせていた。「居酒屋」が身近にない地域からの人たちとのこんな触れ合いも楽しい時間となった。
居酒屋855-アロハ
今年6月にワイキキに誕生した大人専用ホテル「ローマーハウスワイキキ」。このホテルの1階に登場したのが「居酒屋855-アロハ」。日本の仙台出身で米本土での経験も豊富な日本人シェフが監修した居酒屋で、東北のテイストがちょこちょこと感じられる。
「855」とは昔のハワイの市外局番で(今は「808」)、古きよき時代のハワイへのオマージュがこの店のコンセプト。店内のところどころには公衆電話などレトロなインテリアが置かれていた。
カクテルの名前がユニークで「CALL ME MAYBE」「CAN YOU HEAR ME NOW?」などの名前が付けられている。
枝豆や、ハワイの旬の野菜をごまあえや、味噌で味付けしたシンプルなつまみでスタートするのもいいだろう。ハワイの素材を使った料理はもちろん、東北地方のメニューも自慢。例えばジュージューモクモクの状態でいただくステーキのような厚さの牛タン(24.50ドル)、仙台発祥とされる冷やし中華は昔ながらの懐かしい味だった。この店では、締めはラーメンでなく冷やし中華となる。
デザートで、女性陣が大絶賛したのが「チョコレートナメラカ」。なめらかなキャラメルと黒胡麻の味わいをとことん楽しめる一品。かき氷は、季節のフルーツがのってコンデンスミルクがとろりとかかった誰もが好きなデザート。
新しさとハワイの懐かしさが入り混じったこの店は、ハワイらしい居酒屋の食体験を楽しめる。