ハワイ現地発

【ハワイ現地発】ハワイで遅めのランチならコーヒーとワインを楽しむ新感覚のカフェへ

 相変わらず、新しい飲食店が登場し続けるハワイだが、実は「夜のみの営業」という店も少なくない。理由の一つには人手不足も挙げられる。そんなわけで、意外にランチの店選びは難航することもあるうえ、営業時間はだいたい14時までなので、ちょっと出遅れた際に結構困る。先日、14時からのランチに友人を連れて行ったら気に入ってくれた店がこちら。

カイムキのグルメ通りとされるワイアラエアベニュー通りに面した店舗

 ロコが集まるグルメタウンのカイムキに、2023年12月下旬にオープンした「Fusion Cafe+Wine(フュージョンカフェ・ワイン)」。コーヒーとワイン、食べることにこだわりを持つ5人の女性が開業したカフェバーで、すでに常連客でにぎわっている。

カジュアルな席からゆったりしたソファ席まで全50席
「エレガントな雰囲気を演出したかった」という店内

 店内は、カイムキのメインストリートであるワイアラエアベニューを眺めるカジュアルな席、スタイリッシュなハイチェア、奥へ進むとゴージャスなシャンデリアとベルベットのソファ席がある。壁にはモンステラの葉のデザインが施されていてハワイらしさとラグジュアリーがミックスされた雰囲気になっている。

店の入り口近くにバーカウンターがある

 朝とランチは、バリスタが入れるコーヒーやオリジナル抹茶ドリンクとともに、クスクスやルッコラなどのサラダ数種類、チーズ系やシャルキュトリーなど4種類のサンドイッチ、スコーンなどのペストリーが揃う。15時まで開いているのがポイント。

ショーケースにペストリーが並ぶ。この横でオーダーする。テイクアウトもできる

 店に入ったら、自分でオーダーをして会計をすませて席で待つというシステム。14時ごろに到着したら、さすがにショーケースのなかの品数は少なくなっていた。が、お目当てのブッラータチーズサラダとキッシュはあった。

最近ハワイでもいたるところで味わえるようになったブッラータが乗ったサラダ($14)
中はしっとり、外はこんがり焼かれ、丁寧に作られたほうれん草キッシュ($5)

 ブッラータサラダは、甘いトマトの上に、新鮮なシーアスパラガス、とろりとした食感がたまらないブッラータがのっていて、食べるときにホワイトバルサミコ酢とエクストラバージンオリーブオイルをたらりとかける。卵の風味をしっかり感じるほうれん草のキッシュとともに。

手前がカプチーノのレギュラーサイズ、奥はカフェラテのラージサイズ(各$7)

 バリスタが入れるコーヒーは、ハワイのコーヒーメーカー、ルビー バイオレットによるコーヒー豆を使ったもの。マキアート、カプチーノ、ラテ、アメリカーノなどのほか、ティラミスモカというオリジナルも。

ずっしりとしたスコーンはそれほどバターが強くないのでサクっと食べられる(各$5)

 デリ系のチェダーベーコンのスコーン、ふんわり果実の甘みを感じるマンゴースコーン、しっとりとしたオリーブオイルケーキ。

アメリカで大流行のスプリッツァーのポートワイン入りはほんのり甘い味わい
やわらかな甘みのピンクと、すっきりした甘さのホワイトの2種類が揃う

 16時からはワインやシャンパンを、タパスやシャルキュトリーとチーズのボードなどとともに楽しめる。ワインリストがあり、ポルトガルで流行しているポートワイン入りのスプリッツァー、ポルトカクテルはほんのり甘くて飲みやすかった。

金箔が乗ったウベマドレーヌ

 すっかりハワイで人気スイーツの定番となった紫の芋「ウベ」のマドレーヌはテイクアウトに。さっと立ち寄ってこうしたスイーツとコーヒーをオーダーして持ち帰ることもできるし、PCを持ち込んでゆっくりするカフェとしても使えるし、軽くシャンパンを一杯飲むこともできるという、これまでないコンセプトの店なのがユニークだった。

 それから「ハワイあるある」なのだが、外の日差しが強いのに対してどの店も照明が弱いので、道を歩いていても外から店内の様子はほとんど見えない。つまり「この店、よさそう!」というより、「なかが見えない店のドアを開ける勇気、ないよね」となる。なので、「知っている」ことが結構重要になる。今回も、ハワイ在住20年の友人が「え~ここに新しい店がオープンしてたんだ? しかも店内の雰囲気がいいね」と感動していた。こうして口コミで広がっていくのもハワイの人気店の特徴かもしれない。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。