ハワイ現地発

【ハワイ現地発】真似したいアイデア満載! ホリデーシーズンのロコからの贈り物&そこから垣間見える文化

 2024年のハワイの年明けは、雨季らしい初日の出だった。いつものようにダイヤモンドヘッドの後ろから太陽が顔を出すのを待っていると、優しい雨がサーッと降り、太陽とは逆の方向の空に大きな虹がかかっていた。初日の出と虹で明けた新年だった。

新年の朝から虹!

 そんな1月のハワイで、まず行なわれることとは? ……答えはクリスマス飾りの後片付け。新年を迎えても街中にクリスマスツリーがあるアメリカ。クリスチャンの多い国として、1月6日の公現祭までをクリスマスのイベントととらえることから、この日をめどに1月上旬まで飾られているのだそう。我が家は、やはり年越しにツリーがあるのに日本人として違和感があって、大晦日にしまったけれど……。

 大事なイベントとともにプレゼント交換の習慣があるので、ローカルたちはギフト選びの達人。毎回「わぁなるほど!」と驚かされる。そこで今回は、彼らのアイデアと、そこから学んだ文化をご紹介したい。

「チョコレア」の9個入り詰め合わせボックス
「ビッグアイランドキャンディーズ」のチョコブラウニー

 定番でありながらも外さないのは、期間限定のスイーツ。左は、オアフ島マノアにある手作りチョコレートショップ「チョコレア」。一粒の存在感と上質な味わいが際立つチョコレート。右は、ハワイ島ヒロに本店があり、アラモアナセンターに支店を持つ「ビッグアイランドキャンディーズ」のホリデーシーズンだけのペパーミントブラウニーとチョコレート。

リリコイバター、マックナッツクランブル、ギフトカード

 ローカルたちはもう何十年もの間、毎年何十人にもクリスマスプレゼントを選んできている。となると「日々使えるもの」「日常に食べるもの」もポイントの一つらしい。

 こちらは、パンやパンケーキに塗るとめちゃくちゃ美味しい(けれど値上がりした今、自分用にはなかなか買えない)リリコイバター。こってりしつつもリリコイ(ハワイのパッションフルーツ)の甘酸っぱいアクセントがたまらない。ノースショアのカフクファームによるマックナッツクランブルは、アサイボールやアイスクリームにパラっとかけるとサクッとした食感とマカダミアナッツが香る。カカオの風味のチョコレートニブ入り。次回の帰国ではこれをお土産にしようと思うほどのお気に入りに。

ハワイ限定のグラノーラと蜂蜜

 朝ごはんシリーズのギフト。ハワイ限定の「DEAN&DELUCA」のグラノーラとハワイの蜂蜜をセットで。ハワイで朝に食べても気分が上がるが、日本に持ち帰って食べても絶対に笑顔になる味わい。

自分で作るホットスパイスラムのキット
寒い夜に満を持して作ってみたら美味しいこと!

 ハワイとはいえ、冬は肌寒い。そんなときに「お酒好きのYokoに」と贈ってくれたのが、ホットスパイスラム作りのキット。レシピ付き。熱いお湯に、スパイスラム、オーガニック蜂蜜を入れて、きゅっとレモンを絞って(レモンもギフトに入っていた)、シナモンスティックを袋から1本取り出して(袋を切るカッターも入れてくれた)、ゆっくり混ぜて、じっくり味わうホットスパイスラム。至福の時間までプレゼントしてもらった。

貴重な「マノア・ハニー&ミード」のアイランドスタイルハニーエール

 マノア地域にある「マノア・ハニー&ミード」。ハワイの蜂蜜を発酵させて作るお酒ミードは、ここでしか手に入らない貴重なお酒。そのミードと地元のブリュワリー「ビアラボハワイ」がコラボした、これまた超レアなアイランドスタイルハニーエール。もったいなくてチビチビいただいた。微発泡で奥深さのある酸味を感じる1本だった。

ハワイでも美味しいと話題のお米、山形県産つや姫

 これは、自分が贈ったものなのだが、いつもお世話になっている方が「日本のお米は高いけど美味しい」と言っていたので、山形県のつや姫をラッピングしてプレゼントしたらとても喜んでくれた。偶然にも今回、ほかのローカルから「日本のコシヒカリ」を贈られ、うれしかった。これはハワイならではかもしれないが……どうだろうか?

北欧の妖精だがハワイでも冬の定番になっているトムテ

 クリスマスの飾りとして、ツリーにつけるオーナメントを毎年贈る人も多い。サンタクロースがサーフィンに乗って海からやってくるイベントもあるハワイだが、北欧の妖精、農家の守り神とされる「トムテ」もこのシーズンになるとよく見かける。これも一つの文化なのでおもしろい。この冬、初めていただいたので飾ってみた。

日本の文化を大事にするハワイではしめ縄も需要が多い

 ハワイに日本から30年前に移住した知人からいただいた贈り物。手作りの正月用しめ縄。お正月にフォーカスしたナイスアイデアのプレゼントで、「次の季節行事を先取りする贈り物っていいな」と思った。

ホリデースナックといえばみんなの大好物チェックスミックス

 アメリカの食文化のなかで驚いた定番の一つが「チェックスミックス」。口を揃えて「一度食べ出したら絶対に止められない!」というスナック菓子。日本でいうと、シリアルとサッポロポテトとナッツとプレッツェルが一緒になったようなもので、甘かったりしょっぱかったりする。ロコたちはこれを自分流にアレンジして、ふりかけをまぶしてみたり、ドライフルーツを入れたり、バターをかけたりする。それを小分けにしてプレゼントバッグのなかに入れてくれる。いまだに、おやつにすべきか、おつまみにすべきかとまどうが、一生懸命作ってくれた味をありがたくいただいている。

カードでアロハをメッセージに込めて送る

 ギフトに必ずカードを添えるのもアメリカの風習。クリスマスは家族の写真をカードにする人がとても多い。日本では子供の成長だけを追うケースも多いような記憶があるが、アメリカは家族全員で撮影する場合がほとんど。これにA4サイズのレターが入っていて、家族それぞれの1年間の報告をする人も。「夫の○○は今年退職し、今は趣味の庭仕事に精を出しています。そして娘の○○は米本土の大学を卒業して、カリフォルニアで就職しました」というように。

お礼の気持ちもカードにしたためて……

 そして1月。ギフトへのお礼のカードが送られてくる。「○○のプレゼントをありがとう! 早速使っています。今年もいい年にしてね!」という感謝の言葉を綴ったカードを1枚ずつ何十人にも送る彼らの気持ちに毎回感動する。

 相手を思って一つずつ選ぶギフト、添えるカード、そしてプレゼントしてハグし合って、後日心のこもったカードを送る。これもハワイでローカルから学んだ習慣の一つとなっている。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。