ハワイ現地発
【ハワイ現地発】ワイキキに増えているハワイ発祥のコーヒーショップ
2023年10月9日 12:00
この10年間のハワイの変化の一つといえば「コーヒーショップ」が増えたことだと思う。以前は、日本と同じ感覚で「じゃ、カフェでお茶でもしようか!」と街のなかで気軽に寄れる店がとても少なかった。もちろんスターバックスは手軽ではあるものの、もう少し選択肢が欲しい……。そんななかでワイキキ中心部や周辺に少しずつハワイ発のコーヒーショップが登場してきた。
正直な感想で、ハワイ発祥のコーヒーショップは結構美味しい。それもそのはず。ハワイが誇るコナコーヒーは、ブルーマウンテン、キリマンジャロと並んで、世界3大コーヒーの一つ。ハワイ島のコナエリアにあるコーヒーベルトとされる一部で育ったコーヒー豆で、厳しい検査をクリアした豆のみがコナコーヒーと認定される。この気候を活かしてカウコーヒーなどコナコーヒーより少しリーズナブルで上質のハワイ島のコーヒーも今では一つのブランドとなっている。
ハワイの山の斜面と「カイ(ハワイ語で海)」が織りなす独特の気候が育むハワイ産のコーヒー豆に特化し、「カイコーヒー」と名付けた「Kai Coffee」がワイキキに第1号店をオープンさせたのが2014年。ワイキキビーチの目の前にあるツインタワーホテルのハイアットリージェンシーの中庭にあって、早速取材に訪れたのを覚えている。当時からコーヒーに対する並々ならぬこだわりを持っていたオーナーのサム(サミュエル・スーター)さん。「Aloha In Every Cup」をテーマにしていて、1杯のコーヒーのなかに、美味しさ、サービス、店の温かな雰囲気を含む“Aloha”を提供すると教えてくれた。
あれから、あれよあれよという間に、ワイキキのアロヒラニリゾート1階のビーチまで徒歩1分のロケーションにオープンし、グルメ通りのカパフル通りには自社焙煎所を開店、またワイキキビーチまで徒歩10秒の立地にビーチサイド店を開き、そして今回はワイキキショッピングプラザにキオスクが登場した。
今年9月にオープンしたばかりのショッピングプラザのキオスクに行ってみたところ、サムさんと話すことができた。「なぜこの場所にオープンしたのか?」と尋ねると「ホテルがたくさんあるこのワイキキ中心部なら日本人の皆さんも来られるでしょう?」と。なぜ日本人に来てほしいのかを聞くと「僕たちはハワイで日本をはじめとして多様な文化のなかで育ったんだ。今、日本からの観光客が少ないのはやはり寂しいから早く帰ってきてほしいと思うのは自然なことだ」と答えてくれた。
ここのオススメは、なんといってもエスプレッソマシンで淹れたカイラテ。シグネチャーでもあるオリジナルブレンドを使ったラテで、ほんのりマカダミアナッツのフレーバーを感じられる。カフェラテもあるがぜひ「カイラテ」を試してみよう。しっかりしたコーヒーのコクとミルクの最高の絶妙な味わいを楽しめる。
このほか、ハウスコーヒー(今日のコーヒー/$3.50~)、プアオーバー($7)、コールドブリュー($5.50~)、フラペチーノ($6.25~)、さらにカフェモカやチャイラテなどがあり、コーヒードリンクにはどれもミルクのカスタマイズができる。
この店の特長の一つが、食べ物が美味しいこと。アサイボウル、ブレックファーストラップ、サンドイッチといったフード類は今のところ外したことがない。特にサンドイッチは、パンも具材もクオリティが高く、素材にもこだわっていることが伝わってくる。ハイアットリージェンシーのキッチンで特別に作られているのだという。
キオスクスタイルの店の前には、小さなイートインスペースになっていて、4人掛けテーブル4台と2人掛けハイテーブル2台があった。よく聞くと、実は今は「ソフトオープン」なんだとか。大リノベーションを予定していて、ワイキキの喧騒から逃れられる隠れ家的オアシスとして生まれ変わる計画だという……。ワイキキのど真ん中にあって隠れ家的とは一体どんな店になるのか? 期待して待っていよう。なお現在、毎日6時30分~21時で営業していて使い勝手がいいので、キオスクでも十分楽しめるだろう。