ボーカリスト琴音の音楽旅

古民家カフェに滝、福井の夏を大満喫! 北前船主の家などレトロ建築に思いをはせる旅

思った以上にレトロな建物に出会えた福井旅でした

 日本の夏といえばお盆があり、その時期に帰省される方も多いかと思います。私ももれなく祖母の家のある福井に帰省したのですが、クルマを購入してからは東京から福井まで夏はクルマで帰省するようになりまして。

 そうなると、自分のクルマがあるので好きに移動ができるようになりました。今回は古民家カフェや滝など、今まで知らなかった福井の魅力を再発見したのでその様子をご紹介します。

自然のなかにある古民家カフェ「うるかふぇ。」でまったりスイーツタイム

 お盆の帰省だったので、祖母手作りの法事料理に舌鼓を打ち休みを満喫していたのですが、ふと甘い物が食べたーいっ! 生クリーム飲みたーいっ!となり、せっかくなので古民家を改装したカフェはないかな?と検索したところたくさん出てきました。

 今回は福井市浅水にある「うるかふぇ。」に夫と行ってみることにしました。SNSを見るとたまにJAZZライブもやっているそうで、普段歌手活動をしている私としては親近感を覚えます。おしゃれな雑貨の販売もあり、それ自体がインテリアのように店内を彩っていました。

 今回私は6種類のスパイスをブレンドしたチャイ、夫は酒粕を使ったカプチーノ、サケカスチーノを注文。もちろん、スイーツだって注文します。自家製食パンを使った甘いフレンチトーストと和風パフェを注文して、JAZZの流れる店内で鼻歌を歌いながら楽しみに待つ時間。

 天井の高い梁が見える作りで、日光も差し込みThe 夏のカフェタイムです。自然のなかにあるのも、東京ではなかなかないロケーションです。フレンチトーストはもちもち食感、和風パフェはなんと醤油味のお煎餅が入っていてみたらし団子のような味で美味しかったです。

福井県福井市の古民家カフェ「うるかふぇ。」
ウッディな外観とかわいいドアの入り口
天井高く自然光の入る店内
おしゃれな雑貨の販売も
サケカスチーノ
食感や意外な組み合わせが美味しい和風パフェ
自家製食パンを使った甘いフレンチトースト

五太子の滝で自然のエネルギーをチャージ

 カフェでお茶をしていたら夫が「せっかく福井まで来たし自然に触れたい」と言い出し、カフェのあとは暗くなる前に滝を見に行こう、と観光客の少なそうな「五太子の滝」に行くことにしました。

 うるかふぇ。から五太子の滝に行くには山道を走って行くのですが、あまり山道を運転したことのない夫はテンションが上がり激しいドライブになりました。

 到着し階段を降りて行くとそこはマイナスイオンたっぷりの滝の姿が。しっかり水量もあり、滝壺で修行ができそうな滝です。沢の方に降りると暑さもやわらいで少し涼をとれて、川のせせらぎと滝の音に癒されました。

五太子の滝入り口
鬱蒼とした木々のなかに滝が出現
ダイナミックな五太子の滝

森のなかの温泉に癒されて、北陸の名物ラーメンチェーン店へ

 滝のマイナスイオンに癒され、この日はそのまま温泉に行こうと私が子供のころからのお気に入りの「ラポーゼかわだ」に日帰り温泉入浴に行きました。

 こちらは宿泊施設でもあり、宿泊もできるのですが日帰りでも入浴可で地元の人も多く訪れる温泉です。この露天風呂が森のなかにあるのが都心の温泉ではなかなか味わえない開放感と、ライトアップされた木々の神聖な雰囲気に天狗や森の神様が出てくるんじゃないか、という神秘的なところが気に入っています。

 ひとっ風呂浴びて、お腹がすいたところで夫はまだ北陸のソウルフード「8番らーめん」に行ったことがなかったので、この日の夕飯は8番に決まり!

源泉掛け流しの宿、ラポーゼかわだ
お土産や地の物の販売コーナーも
温泉入り口
休憩所もゆったり
木々のなかで湯に浸かれる至福(ラポーゼかわだ Webサイトより)

 東京や北陸以外の地方ではあまり知られていないかもしれませんが、北陸地方ではラーメン界の帝王と言っても過言ではない8番ラーメン。

 私はちいさな野菜ラーメン塩味と、夫は唐麺(2玉)を注文。野菜たっぷりの優しい塩味のラーメンは、子供の頃から食べていた味でホッとします。

 ファミリーで来れるラーメン屋さんなので、8番ラーメンはファミリーレストランのラーメン版と言えるかもしれません。味付けも優しいので、お子さん連れでも安心して行けるお店です。

北陸中心に展開するラーメンチェーン、8番ラーメン
ちいさな野菜ラーメン塩味
唐麺(2玉)

越前そばに舌鼓を打ち、今庄宿の懐かしい建築と歴史探訪

 福井に来たからには越前そばも食べないと!と思い、今回は行ったことのないお店に行ってみたいなぁと普段あまり行かない今庄エリアのおそば屋さんに行ってみることにしました。

「おばちゃんの店」という強過ぎるネーミングに惹かれてこのお店にしてみたんですが、これが大当たり! 古民家風の建物に、揚げ焼きとおろしそばの今庄セットがありそれを注文しました。

 福井はお寺が多いのもあり、実は厚揚げも名物でとっても美味しいんです。しかも、この吉五商店の厚揚げがめちゃくちゃ美味しい! 美味し過ぎたので、家族の分もお土産で購入してしまいました。そば湯も濃厚で、越前そばをしっかり堪能。

懐かしい店構えのおばちゃんの店
今庄セット
黒々として少し太めの越前のおそばは大根おろしとかつお節とともに
吉五商店の揚げ焼き
そば湯もしっかり濃厚
お土産コーナーも充実

 そして、このおばちゃんからほど近くに幕末の尊王攘夷運動の水戸藩、天狗党も滞在したという「京藤甚五郎家」に行ってみました。

 幕末のレトロな雰囲気が漂う京藤甚五郎家は、調度品も昔のものでどれも雰囲気たっぷりです。宿場町だったという今庄宿の一帯もレトロな建築だらけで、ちょっと京都の雰囲気を感じます。

 福井は京都とも隣なので、こういった雰囲気のある古民家が多く残っているのでしょうか。

京藤甚五郎家
木部の質感がカッコいい
調度品もレトロで経年のリアルさに迫力があります
刀のあった跡がうかがえる座敷
雪深い北陸ならではの頑丈そうな二重窓

 そんな今庄宿なので、古民家カフェもあり美味しそうな白玉を食べに「甘味処てまり」に行きました。食いしん坊な夫が調べてくれたお店です。落ち着いた店内で、先にスイーツを注文して席へ。ほうじ茶かき氷とあんみつを頼みました。

 よく手入れされた築100年の古民家は居心地よく、和の雰囲気がとっても素敵で「混雑する京都にわざわざ行かなくても、福井でいいのでは?」という気持ちになります。到着したほうじ茶かき氷は香ばしいほうじ茶の香りが氷と一緒でもしっかり薫るほど!

 肝心の白玉はモチモチで、自分で手作りするのとは雲泥の差でプロのお味。豆富を使っているのが、このフワモチ食感の秘訣だそうです。クリームあんみつも、上品な手作りあんこのお味でペロリと完食してしまいました。

 夏でも冷たいものを食べるときは温かいものの飲みたいので頼んだホットコーヒーも、味わい深くあんみつにマッチ。白玉も美味しかったので家族にお土産を購入しました。美味しかったものって、人にシェアしたくなっちゃいますよね。

築100年の古民家を改装したカフェ甘味処てまり
ほうじ茶かき氷
あんみつとホットコーヒー

山から海へ抜け北前船首の館右近家を見学、日本海を臨むレトロ建築に感動

 スイーツを満喫して、まだ夜まで時間があったので少し海の方へクルマを走らせ、その昔福井から北海道へと船で物資の行き来のあった北前船の船首、右近家の館を見学してきました。

 山深い道をずっとドライブしていくといきなり海が出てきて、果てしない地平線が広がっているのが福井の素敵な景色の1つです。山の景色も海の景色もどっちも一度に楽しめます。

 右近家の館は豪華な面もありつつ、まだまだ船旅が安全ではなかった時代のなかの安全祈願の名残や海の男たちの雰囲気があり、ただのお金持ちや貴族の邸宅とは少し雰囲気が違いました。

 そこから海上保険会社設立となり、いろんな意味で歴史の移り変わりと海に囲まれた国、日本の海運についての歴史が垣間見れます。

北前船首の館右近家

 階段を登った別荘「旧右近家住宅 西洋館」は、日本海を一望し洋館のデザインでこちらもとっても素敵。こんな家に住みたいね~と夫と話しながら散策し、その調度品の一つ一つの素晴らしさにため息が出てしまいます。

 いろんな国の様式を取り入れた作りで、和洋折衷すべてのいいとこ取りのめずらしい作りだそうです。こちらは2階に喫茶もあり、ドリンクをいただくこともできるそうです。果てしなく広がる日本海、夏は穏やかですが冬の荒れ狂う海の姿もここから見てみたいものです。

階段を登った先には絶景が広がっていました
スペイン風の外観
床のタイルと階段の柱がかわいい
細部にステンドグラスが
暖炉はイギリス風
1階イギリスのイングルヌックと呼ばれる暖炉を備えたホール
2階はスイスのシャレー風
2階のベランダからの景色、天気がよければ丹後半島まで見えることも
階段上から見た玄関
1階ホールのピアノはどんな曲を弾かれていたのでしょうか
最後、出るときに改めて玄関のタイルの美しさに気付きました

 最後は隣接する北前船船首の中村家住宅も見学し、海の男たちの生活ぶりに思いをはせました。美術品の収集にも熱心だったようで、そのコレクションは息を呑む美しさ。

 レトロな囲炉裏やランプの美しさに心奪われますが、そのかまどの大きさなどから当時の船乗りたちはよく食べたんだろうな、など生活を想像することができました。

囲炉裏や大きなかまどのある台所
レトロな時計
井戸
大きいかまどから、多くの人の出入りが想像できます

 海外に行っても人の生活していた邸宅を観に行くのが大好きな私ですが、灯台下暗し、子供のころから通っていた福井にこんなところがあるとは知りませんでした。

 漁師さんも多いですが、京都にもほど近く宿場町としての面、立地を活かした海運の発展など、子供の頃には興味のなかったことでも大人になり新しい発見がたくさんありました。

 冬の蟹のイメージが強い福井県ですが、夏の福井も美しい日本海と歴史的な建造物もたくさんあり旅行にとってもオススメです。

 私自身も、昔から福井を知っているのもありますがまた新鮮な気持ちで今回の旅を楽しめました。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。
ブログは https://kotone1010.com/