週末駅弁
新青森駅「十和田バラ焼き重」
2025年12月26日 12:00
筆者が国内を旅行するときの楽しみの一つが“食”です。それも、可能な限りその訪問先で親しまれているご当地グルメを楽しみたいといつも思っています。ただ、実際は時間が限られることから、ご当地グルメのお店に行けないことも多くあります。
そんなときに助かるのが、ご当地グルメを扱った駅弁です。今回、青森を訪れた際にも、限られた時間のなかでご当地グルメを楽しみたいと思って新青森駅で手に取ったのが、「十和田バラ焼き重」です。
十和田バラ焼きは、青森県十和田市で親しまれているご当地グルメで、十和田市のまちおこしを目的に平成21年(2008年)に誕生したB級グルメとして位置付けられています。戦後、比較的安価に入手できるようになった牛バラ肉を、大量の玉ねぎと一緒に韓国のプルコギに近い醤油ベースの甘辛いタレで炒めて食べられていたのが始まりのようで、十和田市で特に人気があったことから、まちおこしのB級グルメとして白羽の矢が立ったそうです。
ちなみに十和田バラ焼は、十和田市の市民団体「十和田バラ焼きゼミナール」が商標権を取得して、十和田市を盛り上げるご当地B級グルメとして大切に管理しています。そして、十和田バラ焼き重には十和田バラ焼きゼミナールの認定マークが付いていますから、間違いのないご当地グルメ駅弁と言えます。
蓋を取ると、ご飯の上一面に盛り付けられた十和田バラ焼きが飛び込んできます。見た目にはすき焼き風のお肉のようですが、上に散りばめられている針唐辛子と白ごまが、すき焼きとは違うよ、とアピールしているように感じられます。
ただ、大量の玉ねぎと一緒に炒めているはずだけど玉ねぎがほとんど見えません。これはどうしたことかと思ったのですが、実はお肉の下、ご飯との間に玉ねぎがぎっしり盛られていました。わざわざ別に炒めて盛り付けているようで、このあたりはよりお肉をアピールする作戦なのかもしれません。
ちなみにこのお肉は青森県産牛を使用しています。また、下のご飯も青森県産米が使われています。その点でもまさにご当地グルメと言えるでしょう。
味は、タレは適度な甘さのなかに比較的醤油の風味が強めの印象です。しかし、お肉の下の玉ねぎと一緒に食べると、玉ねぎの強い甘みが加わって、一気に印象が変わります。牛肉の旨味と玉ねぎの甘みに醤油の風味が混じり合って、格別の美味しさとなります。そして、この味わいはご飯との相性もバッチリで、お箸の勢いが止まりません。
しかも、こういったお肉の炒め物は、温かい方が美味しいはずですが、駅弁のように冷めた状態でもお肉は柔らかく、温かい状態に負けないぐらい美味しくいただけるのもうれしい部分です。
もう一つありがたかったのが、付け合わせの長芋とごぼうの酢漬けです。全体的にこってりとした味わいですが、酸味のきいたこの酢漬けをいただくことで口をさっぱりリセットできて、飽きずに食べ進められます。
量的にもなかなかボリュームがありますので、満足感は非常に高いです。お肉好きはもちろん、ご当地グルメを駅弁でも堪能したい人にお勧めです。
「十和田バラ焼き重」
価格: 1580円
販売駅: JR新青森駅
購入場所: JR新青森駅構内 ブナの森弁当売店
購入日: 2025年12月21日

























