荒木麻美のパリ生活
新しい日本関連のショップが次々と出店、レピュブリックからバスティーユを歩く
2021年7月17日 08:00
パリの中心に近い東側、レピュブリックからバスティーユというエリアで、新しい日本関連のショップが増えているというので見てきました。私は2014年までレピュブリックに住んでいたのですが、確かに知らないお店がたくさんあります! 今回はそのなかから特に気になったところを紹介したいと思います。
まずは「Bows&Arrows」。日米ミックスの奥さまとフランス人の旦那さまが経営している、日本からのこだわりの品を扱っているお店です。日本を定期的に訪れつつ、ショップの日本人スタッフも含めてこれはいい!と心から勧められる商品を置いているとのこと。店内には衣料、コスメ、雑貨、食材などがところ狭しと並んでいます。私は今回お醤油などの食材を買ったのですが、どれも感激する美味しさ。
この辺りには和食レストランも増えており、ラーメンの「一風堂」、お弁当屋さんの「BENTO&GO!」、日本酒とおばんざいのお店「Sake Lover」などもここ数年でできたお店です。
私がちょっとひと休みと寄ったのは「Umami Matcha Cafe」。店名どおり、抹茶メニューが揃っています。和食をベースとした軽食もあります。私が頼んだのは柚子のジュースと抹茶ティラミス。和ですねぇ。
創業者は日本を愛するフランス人カップルですが、提供している食べ物のレベルは高いです。店内では調味料や料理道具なども販売しています。
ひと休み後はヴォルテール通り(Boulevard Voltaire)にあるアニメ関連ショップをのぞきながらバスティーユ方面に向かいます。東京の秋葉原や池袋のようなものではありませんが、小さいながらもパリにはアニメファンの集まるエリアがあちこちにあって、ここもその1つです。
昔からある店もありますが、ここ数年にできた店も多いです。「機動戦士ガンダム」のグッズをメインに扱う「Bandai Hobby Store Paris」も去年できました。欧州で唯一の専門店で、ガンダムファンでにぎわっています。
ショップの客層はとにかく若いです! 子供も多く、付き添いで来ているらしい親たちも興味深そうに見ています。
フランスでは今年から「カルチャー・パス」を開始しました。13歳~14歳は年間25ユーロ、15歳から17歳までは年間50ユーロ、18歳で300ユーロ、合計500ユーロ分を、専用アプリを通して買えるというもの。映画や美術館のチケット、ダンスや音楽のレッスン受講、書籍(電子書籍含む)や楽器の購入など、使い道は多岐にわたっているのですが、一番人気は圧倒的に日本のマンガ! カルチャー・パスではなく「マンガ・パス」と呼ばれるほどです。
日本の駄菓子系が充実しているお店「Oishi Market」もあります。もはや駄菓子とはいえない値段ですが、アニメ関連ショップと同じ客層の人たちが、うれしそうにどんどん買っていきます。
アニメ関連ショップを一通り見たところで、まわりの人から美味しい美味しいと何度も聞いていた、バスティーユエリアで評判の魚屋さん「Ebisu」に行ってみました。
Ebisuのオーナーはフランス人のパトリックさんと、そのベトナム人の奥さまです。パトリックさんが魚の世界に入ったのは20年前ですが、転機はパリの寿司懐石高級レストラン「奥田」で修業をしたこと。ここで活け締めの技術を習得したのです。今ではブルターニュ地方の漁師から活魚を直接仕入れて店に出しています。
以前は魚屋コーナーに併設してレストランも営業していましたが、新型コロナウイルス以降はテイクアウトのみとなっており、今後もレストラン再開の予定はないそうです。
美味しそうな魚たちを眺めつつ、私はミックスちらしを注文。早速近くの公園に行って食べてみると、お魚がぷりぷりで新鮮、評判にたがわぬ美味しさ! この時期のパリはとても気持ちのよい季節。青空の下、こんなに新鮮な生魚をパリで食べられるなんて、なんという幸せ。
以前は日本人経営でない和食レストランは「やっぱり美味しくない……」ということがとても多かったです。和食も含めた日本文化への理解が深まったのでしょうね。満足!(しかも許容範囲内の価格で!)と思えるお店が経営者の国籍に関わらず増えてありがたく、うれしい限りです。