旅レポ

スターシェフとともにマカオの特別料理体験! 最後の1日は世界文化遺産を巡る

マカオ旅最終日は料理教室と世界遺産に触れる

 今回のマカオの旅は、有名地や魅力的なホテル、食事など、さまざまな観光要素を楽しむが目的でもあるが、少しばかり文化的な深掘りもしてみたいというよくばりな側面もある。

 そこで、シェフとともにマカオの特別料理を体験できるスポットがオススメ、ということで行ってきた(要事前予約)。

 マカオは1557年から1999年までポルトガルの植民地であった。その影響が大きく、ポルトガルと中国に文化が融合して特別なものが確立されている。したがってマカオ料理とは、400以上にわたってマカオに根付いたことで生まれた中華料理と西洋料理が組み合わさったものだ。

 シェフの丁寧な指導のもと、最初はシェフ自らが見本で調理。その間もマカオに関する文化や歴史などをユーモアを交えて体験者を楽しませてくれる。その後は2班に別れて実際に調理体験開始。鶏肉とジャガイモを煮込んだ「ポルトガルチキン」と炊飯器で炊き上げたタコを使った「タコサラダ」の2品。ポルトガル風の建物の雰囲気も相まって、単に外食で味わうマカオ料理とは一味違うテイスティングを楽しんだ。

専用キッチンでマカオ料理の歴史や食材やスパイスの話など、丁寧に教えてくれる
ポルトガル風の建物での料理体験はまさに特別な気分にさせてくれる
2階のバルコニーからの眺め。まるでヨーロッパにいるかのような気分になる
どこの家庭にもある炊飯ジャーを使って生タコを炊き上げる。調味料を入れてスイッチオンするだけ
部屋中にタコの炊き上がる香りが充満して、食欲をそそられた
鶏肉へしっかり味付けをして揉み込み、お鍋へと投入
じゃがいもなどほかの具も加えて煮込んでゆく
できあがり。いい香りが部屋中に広がる
お皿に盛りつけて、完成~! 美味しくいただきました

マカオの世界文化遺産を巡る

 マカオ半島の中心部分に30か所以上の世界遺産が点在している。2005年に集合遺産「マカオ歴史市街地区」として登録された。観光する人たちにとってうれしいのは、立ち入り禁止や撮影禁止などの規制はなく、入場料が必要な場所もない。つまり街を歩くだけで世界遺産巡りができてしまうのだ。じっくりとくまなく巡る時間はなかったが、いくつか見ることができたので紹介しよう。

聖ポール天主堂跡。使徒聖パウロにささげられた大聖堂の跡で、マカオで最も有名な世界遺産といっていい
レアル・セナド・ビル(現「市政署」)。1784年に建設された。マカオ初の市議会所有のもので、現在もその機能を果たしている
セナド広場。マカオの街の中心としてイベントや式典なども多く開催される。パステルカラーの建物に囲まれていて、波型模様に石畳が印象的だ
盧家大屋。1889年に建てられた建物。二階建てで中庭がある伝統的な中国式住居
大堂(カテドラル)。1622年頃に建てられた大堂。正面から見ると飾り柱と2つの鐘楼が特徴的だ。外装には上海製の漆喰が使用されている
聖ドミンゴ広場と聖ドミンゴ教会。周辺にはカフェや食品や化粧品、衣類などを売る店が立ち並びにぎやかだ

 華麗にリニューアルした「新中央ホテル」は、セナド広場からも見える位置にある。その歴史は古く、今からおよそ1世紀前の1928年にオープンしており、当時のマカオでは最高層で、初めてエレベーターが設置されたビルでもある。

 客室数は全114室で、5~6階が1920年代、7~8階が1930年代、9~10階が1940年代を再現した部屋の設計になっている。最上階の展望台からは360度のパノラマビューを楽しむことができ、マカオ歴史市街地区を一望できる。

「マカオ歴史市街地区」にある新中央ホテル。およそ1世紀に歴史があり、2024年4月にリニューアルオープンした
ホテル1階のコンシェルジュデスクも当時の面影を感じさせるレトロなデザイン
オープン当初の雰囲気を伝える展示が随所に。古典と現代の融合体ホテルとしても注目度が高い
5~6階の1920年代の雰囲気をコンセプトとした部屋。調度品や家具なども当時を偲ばせる
7~8階の1930年代の雰囲気をコンセプトとした部屋
9~10階が1940年代を再現した部屋の設計。1920年代の部屋との雰囲気の変化を感じる
廊下や扉も年代ごとでデザインが違う
ホテルのフロントにはいまも聴くことができる蓄音器など年代を感じさせるアイテムがさりげなく置いている
高級中国料理レストランとしてかつてマカオで名をはせた「碧麗宮(Palace Restaurant)」がここに復活。ノスタルジックな雰囲気のなかで料理を楽しみたい

 マカオ最後の夜は「THE ST REGIS BAR(セントレジス バー)」にてシグニチャーカクテルなどを楽しんだ。生ピアノと歌唱によるショーも素敵で、落ち着いた大人の雰囲気漂うバーにて、優雅なマカオでのこの数日間をゆっくりと振り返った。

重厚な木目調で品のなる内装の「THE ST REGIS BAR(セントレジス バー)」
「THE ST REGIS BAR(セントレジス バー)」のシグニチャーカクテル、ブラッディ・マリー。マカオ独特の東西融合文化から生み出された
豪華なだけでなく優雅さが漂うなかで、大人の時間を過ごしてみよう
空室・料金チェック
深澤 明