旅レポ

JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」で愛媛の旨い・絶景・おもてなしに感動!

 JR四国は、愛媛県の観光地や、観光列車「伊予灘ものがたり」を体験する1泊2日のプレスツアーを開催しました。今回は、前半として1日目の様子を紹介します。

迫力満点! 来島海峡の急流体験

 今回のツアーでまず最初に訪れたのが、今治沖の大島です。大島は、愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」が通る島の1つです。そして、この大島の大きな見どころは、なんといっても「来島海峡」です。

 来島海峡は、鳴門海峡、関門海峡と並んで「日本三大急潮流」の1つとして知られています。大潮の時期などには潮流が時速10ノットにまで達するそうです。時速10ノットは時速約19キロで、いわゆるママチャリを全力で漕いでいる速度に近いほど。

 来島海峡を往来する船にとってもこの潮流はかなり厳しく、海難事故も多く発生している、日本でも有数の海の難所となっています。そのため来島海峡では、潮流の流れによって航路が変わる「順中逆西」という、来島海峡だけの特殊な航法が定められているほどです。

 この来島海峡の急潮流を観光船で間近に体験できるのが、「しまなみ来島海峡遊覧船」です。

バスで瀬戸内しまなみ海道を進み、今治沖の大島へ
大島の四国寄りに位置する、しまなみ来島海峡遊覧船の船着き場。今治からバスでもアクセス可能
船着き場周辺は、急流観潮船の案内やのぼりがたくさん掲げられているので、場所もすぐ分かる
今回乗船した急流観潮船なかと
船内は屋根はあるが壁はなく、大迫力の遊覧を楽しめる

 大島の船着き場を出発してしばらくは、瀬戸内海特有の穏やかな水面のなか、来島群島をはじめとする瀬戸内海の多島美や、総延長4.1kmの雄大な来島海峡大橋を楽しめます。特に、3本の吊り橋で構成される来島海峡大橋を船でくぐりながら真下から楽しめるのは、遊覧船ならではの魅力です。クルマで吊り橋を渡ったり、たもとの展望台から見る姿とはまた違った迫力が感じられますし、よくもこんな大きい建造物を作ったものだと感心してしまいました。

出港してしばらくは穏やかな水面を進むので、来島群島をはじめとする瀬戸内海の多島美を満喫できる
第1から第3まで3つの吊り橋で構成される来島海峡大橋
海から見上げるように楽しめるのは遊覧船ならではの楽しみ
観潮船の屋根には窓があるので、文字どおり橋を真下から楽しめる
島々と橋のコントラストも、また格別の絶景だ
中渡島の灯台など、道中には見どころも多い

 それら景色を楽しんでいるうちに、急潮流スポット、中渡島(なかとじま)周辺に到着です。中渡島付近は潮流がぶつかって白波が立ち、渦を巻いているところや、まるで下の方から水が湧き上がって水面が持ち上がっているかのように見えたりと、それだけでもとても迫力があります。しかも船は、急潮流のなかに突入し、急潮流のなかでエンジンを止めて流れに身を任せる、といった演出も行ないます。

 最初はちょっと恐かったのですが、揺れは思ったほど大きくありません。とはいえ、急潮流によって船がぐるぐる回ったり、かなりのスピードで流されたりと、急潮流自体を体感できるのは、とても迫力があります。

中渡島周辺の急流スポットでは、潮流がぶつかって白波が立ち、船も潮流で揉まれるように揺れてスリル満点だ
渦を巻いているところもあり、その迫力に圧倒される
この付近は水深も深く、潮流がぶつかることで下から水が湧き出しているかのように水面が湧き上がる様子も見られる
湧き上がった水面に潮流がぶつかり、白波の帯ができている
このように激しい潮流のため、来島海峡では潮流の流れによって航路が変わる「順中逆西」という特殊な航法が定められている
中渡島周辺の急潮流の様子

 続いて、今治市の海岸沿いにずらっと並ぶ造船所群周辺、波止浜湾へと進んでいきます。世界にもその名が轟く造船業者がひしめくこの地域では、建造中のものや整備のために寄港している大型船を海から見学できます。この規模の造船所が多数並ぶ地域はほかにはありませんから、こちらもとても興味深い景色と感じました。

 その後、来島海峡の名前の由来となった来島、日露戦争が勃発した明治時代に建設された軍事要塞や28cm榴弾砲の砲台などの戦時遺産が残る小島などを巡り、遊覧は終了となりました。

 この遊覧船ですが、船の上から急潮流のほか、地域の景色や歴史的な建造物、遺産などの見どころを楽しめるのはもちろんですが、もう1つの魅力が、ガイドさんの軽妙なトークです。来島海峡大橋や周辺の島々、村上海賊、来島周辺の造船場などの見どころ、地域の特徴、魅力や歴史などを、時にジョークを交えながら詳しく解説してくれます。もちろん、景色や急潮流などを見たり体験するだけでも飽きることはないのですが、軽妙なトークと合わせて、遊覧の約45分間はあっという間に過ぎてしまいました。

 しまなみ来島海峡遊覧船へは、今治からバスでアクセスできます。また、しまなみ海道をサイクリングで渡る途中に立ち寄るのもいいでしょう。展望台からとはまた違った迫力を体感できますので、興味のある人はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

観潮船は造船所が並ぶ波止浜湾へと進む
今治造船をはじめ、世界的にも有名な造船所が多く集まっている
大型のタンカーやコンテナ船などが多く停泊しており、こちらも迫力満点だ
村上海賊の本拠地で、来島海峡の名前の由来ともなった来島。島には多くの桟橋跡や城壁跡など村上海賊の史跡が数多く残されている
景色の美しさや急潮流の迫力はもちろん、ガイドの軽妙な解説トークも大きな魅力

道の駅 よしうみいきいき館で、海鮮バーベキューを楽しむ

 しまなみ来島海峡遊覧船を楽しみ、ちょうどお昼時だったので、そのまますぐ近くの「道の駅 よしうみいきいき館」でランチとなりました。

 道の駅 よしうみいきいき館は、文化庁が認定する「食文化ミュージアム」に認定されています。食文化ミュージアムは、地域に根差した食文化または特定分野の食文化を体系的に発信したり、食文化への学びや体験を提供する施設に対して認定しているもので、よしうみいきいき館は道の駅部門で認定されています。

しまなみ来島海峡遊覧船のそばに位置する道の駅、よしうみいきいき館

 ということで、よしうみいきいき館の最大の魅力となるのが、食です。ここでは、地域の海産物を中心とした、七輪海鮮バーベキューが楽しめるのです。今回は、ハマグリやサザエ、イカ、海老などが含まれるセットメニューを楽しみましたが、館内にはバーベキュー用の海産物が生け簀などに用意され、自由に食材を選ぶことが可能となっています。用意される海産物は季節によって変わるそうなので、行くたびに違った味が楽しめるのも魅力です。また、魚介類だけではなくてお肉類も用意されていますので、魚介が苦手という人も安心です。

 そしてなにより、自分で七輪の上で魚介類を焼いて食べる、その豪快さも大きな魅力でしょう。あらかじめ焼かれてテーブルに運ばれるのと違って、体験しながら食べる魚介類の味わいは格別に感じます。

 また、今回のセットには、ご飯として松山風の鯛飯も付いてきました。炊きたてではありませんでしたが、鯛と一緒に炊き込んだ松山風の鯛飯は、鯛の風味がご飯1粒1粒に染みわたって絶品の味わいで、一気にかき込む感じで食べ尽くしてしまいました。

 魚介類、鯛飯ともに期待以上の美味しさで、セットメニューでも満足度はとても高いと感じました。もちろん、生け簀から好きな海産物を選べば、楽しさや満足度もさらに高まることでしょう。

よしうみいきいき館では、七輪海鮮バーベキューが最大の魅力
バーベキューの具材となる海産物は、館内の生け簀などで自由に選べる
季節によって種類は変わるが、魚や貝類など、豊富な食材が用意されている
今回はツアーということもあり、セットメニューをいただいた
セットメニューの具材。イカや海老、はまぐり、サザエなど、新鮮な具材が並ぶ
七輪で自分で焼いていただく海産物は、また格別の美味しさだ
サザエがいい感じに煮立ってきた
身のコリコリとした食感とワタのほろ苦さが絶妙
セットには松山風鯛飯もついている
ご飯全体に鯛の風味が染み渡り、かき込んでしまうほどの美味しさだった

 よしうみいきいき館には、海鮮バーベキュー以外にも、レストランや軽食コーナー、お土産コーナーがあります。そのうち軽食コーナーでは、鯛カツバーガーやじゃこカツバーガーといった愛媛ならではのバーガー類をはじめ、島レモンソフトクリーム、みかんソフトクリームなどの、こちらも愛媛らしいソフトクリームなどをラインアップ。そこまでおなかが空いていなくても、バーガー類やソフトクリームで愛媛らしさを満喫できるはずです。

 そして、しまなみ海道といえば、サイクルツーリズム。よしうみいきいき館にもサイクリスト向けの駐輪場が完備されていますので、サイクリングの途中に立ち寄るにも最適です。実際、ツアー当日も多くのサイクリストがランチを食べたり休憩していましたので、定番のスポットになっているのでしょう。また、わざわざ立ち寄る魅力が十分にある施設と感じました。

軽食コーナーのフードコート
鯛カツバーガーやじゃこカツバーガーといった愛媛ならではのバーガー類を提供
こちらは、フードコートで売られているみかんソフトクリームと島レモンソーダ。甘酸っぱさがたまらない
サイクリスト向けに駐輪場も多く完備しているので、しまなみ海道を自転車で楽しむ場合にも立ち寄る価値ありだ

初日のハイライト、「伊予灘ものがたり」に乗車

 よしうみいきいき館での昼食後、一路、八幡浜へ移動しました。八幡浜は、愛媛の西端に位置する細長い岬、佐田岬の根本に位置する街です。八幡浜からは九州の別府や臼杵につながるフェリーが発着していることもあって、“四国の西の玄関口”とも呼ばれています。また、四国一の水揚げ高を誇る漁港の街でもあります。

大島から愛媛県を横断し、四国の西の玄関口、八幡浜へ移動
JR八幡浜駅に到着
八幡浜駅構内はレトロな雰囲気で、待合室の扉には伊予灘ものがたりののれんが掲げられている

 八幡浜に移動した理由、それは、人気の観光列車「伊予灘ものがたり」に乗車するためです。

 伊予灘ものがたりは、2014年7月に運行を開始した、言わずと知れたJR四国の看板観光列車で、松山駅から伊予大洲駅に向かう「大洲編」、伊予大洲駅から松山駅に向かう「双海編」、松山駅から八幡浜駅に向かう「八幡浜編」、八幡浜駅から松山駅に向かう「道後編」の4ルートがあります。

 現在は、2022年4月にデビューした新車両「2代目伊予灘ものがたり」で運行しています。2024年7月には運行開始10周年を迎えますが、2022年には観光列車ランキングでランキング1位に輝き、5月18日には乗車20万人を達成するなど、その人気の高さは衰えることを知りません。

 人気の理由は、レトロモダン車両で地元食材をふんだんに使った美味しい食事が楽しめる点や、伊予灘の絶景といった点もあります。しかし、長期間人気を維持する最大の理由は、なによりもアテンダントの心のこもったサービスや、地域住民の皆さんのおもてなしにある、と言われています。

 実は筆者は、現在四国・香川在住ですが、これまで伊予灘ものがたりに乗車する機会がありませんでした。ですので、今回のツアーで最も楽しみにしていたのが、伊予灘ものがたりの乗車でした。乗車前からとにかくわくわくが止まりません。

八幡浜に移動した理由、それは「伊予灘ものがたり」に乗車するためだ
JR四国が誇る人気観光列車、伊予灘ものがたり。現在は2022年4月にデビューした2代目車両で運行

 八幡浜駅に到着すると、すでに伊予灘ものがたりが入線していました。車両の入り口には専用のマットが敷かれ、アテンダントがその横で乗客をお出迎え。今回乗車したのは、八幡浜駅から松山駅へと向かう「道後編」です。

 まずはじめに、伊予灘ものがたりの車両を見て行きましょう。

 2代目伊予灘ものがたりは、コンセプトが異なる3両の車両で構成されています。

 1号車「茜の章」は、伊予灘の夕焼け空を思わせる茜色の車両で、海側に向かって座るカウンター席や最大4人掛けのボックスシート、山側に2人掛けのボックスシートが並びます。

 2号車「黄金の章」は、沿線に降りそそぐ太陽や、愛媛の名産である柑橘をイメージした車両。海側の列は全席が海に向かって座るカウンター席で、一部は2人掛けのペアシートとなっています。山側には2人掛けのボックスシートが並びます。

 そして、道後編では先頭車両となる3号車「陽華の章」は、気品あふれるインテリアと、陽の光や桜小紋のデザインを散りばめた個室車両となっています。しかも陽華の章では、ほかの車両とは異なるランチョンマットや器やカップなどが使われるそうで、1ランク上のおもてなしが受けられます。陽華の章の個室は2~8名での利用が可能なので、家族やグループでの利用に最適でしょう。

 ちなみに、今回のツアーで乗車したのは2号車の黄金の章です。

1番線ホームには、すでに伊予灘ものがたりが入線していた
1号車「茜の章」の車内
海側の4人掛けボックスシート
海側に向かって座るカウンターシートも用意している
山側には2人掛けのボックスシートが並ぶ
2号車「黄金の章」の車内。今回のツアーではこの黄金の章に乗車した
海側は全席がカウンターシート
2人掛けのペアシートも用意
山側は2人掛けのボックスシートを用意
3号車「陽華の章」は個室が1室のみ用意する
個室スペースは2~8人で利用でき、その場をグループで独占可能だ
座席は全席海側に向かって配置している
車内は季節ごとに華やかな飾り付けを施す
手洗い鉢に砥部焼の鉢を使うなど、愛媛ゆかりの調度品がいたるところで使われている
俳句ポストが車内に置かれているのも愛媛らしい特徴
各車両の入り口でアテンダントがお出迎え
乗車口には専用のマットが敷かれ、乗車前から気分が上がる

春の雰囲気満載のアフタヌーンティーセットに舌つづみ

 定刻の16時14分に、伊予灘ものがたり 道後編がゆっくりと動き出しました。するとまず、アテンダントがドリンクの注文に来てくれました。

 ドリンクには、愛媛の地ビールやオリジナルカクテル、地酒の飲み比べセットなどを用意していますが、筆者はアルコールが苦手なのでソフトドリンクから選ぶことに。アテンダントに人気のソフトドリンクを教えてもらったところ、「懐かしのくりーむそーだ」が人気とのことで、そのなかからさくらシロップ使った「ゆうなみ」を注文。さくらシロップの深みのある紅色は、夕日で紅く染まる空、白いアイスクリームが空に浮かぶ雲を想像させる、見た目にも印象的なドリンクです。味わいは優しい甘みのなかにほのかなさくらの香りが漂って、これなら大人にも人気があるのも納得です。

着席すると、アテンダントがドリンクの注文に来てくれる。愛媛の地酒や地ビールなどのアルコール類に加えて、ソフトドリンクも豊富にラインアップ
筆者はアルコールが苦手なので、ソフトドリンクから「懐かしのくりーむそーだ」の「ゆうなみ」をオーダー。優しい甘みのなかにさくらがほのかに香って大人に人気なのも納得
こちらはブルーキュラソーを使った「なみあや」。伊予灘や晴れ渡った青空がイメージされ、とても爽やかな印象だ
地ビールの「道後ビール アルト」をはじめ、オリジナルカクテルや地酒もある

 そして、お楽しみの食事。道後編で提供されるメニューは、松山のフランス料理店「Petit Paris ~パンのある暮らし~」が手がけたアフタヌーンティーセットです。

 アフタヌーンティーセットは、愛媛の陶磁器として有名な砥部焼の器で提供されます。砥部焼は、白磁に藍色の模様がおなじみですが、アフタヌーンティーセットの器は藍色以外にも青や緑、橙などのカラフルな色を使ったかわいい絵柄をデザインしていて、気分が上がります。

 盛り付けられるメニューは季節によって変わるそうです。1段目には、スコーンやキッシュ、コロネーションチキンサンドイッチなど、アフタヌーンティーセットで定番のメニューが盛り付けられています。そして2段目には、今回は乗車が4月末ということもあって、苺のクランブルタルトや木イチゴのマカロン、櫻のムースなど、春の雰囲気満載の、季節感あふれるメニューがふんだんに盛り付けられていました。

 アフタヌーンティーセットを手がけるPetit Parisは、特にパンとお菓子に力を入れているとのことですが、どのメニューも絶品の味わいでした。なかでも、特に印象に残ったのが櫻のムースです。甘みを抑えつつ、とてもなめらかな口当たりと、口いっぱいに広がるサクラの香りは、まさしく大人のスイーツといった美味しさでした。

食事は、カラフルな色使いでかわいいデザインの、愛媛の陶磁器、砥部焼の器で提供される
道後編では、松山のフランス料理店「Petit Paris ~パンのある暮らし~」が手がけたアフタヌーンティーセットを楽しめる
上段には、スコーンやキッシュ、コロネーションチキンサンドイッチなど、アフタヌーンティーセットで定番のメニューが詰められていた
スコーン用の瓶入りジャムはキウイジャムだった
ほのかな酸味のあるキウイジャムは、スコーンにぴったり
下段には、苺のクランブルタルトや木イチゴのマカロン、櫻のムースなどが盛り付けられていた(内容は季節によって変わる)
どのメニューもとても美味しかったが、個人的にはとてもなめらかな口当たりと、櫻の香りが広がる櫻ムースが特に気に入った
ちなみに、3号車の陽華の章では、器やカップ、ランチョンマットが特別仕様となり、豪華な印象が高められている

アテンダントや地域の皆さんのおもてなしに感動!

 伊予灘ものがたりの最大の魅力は、アテンダントや地域の皆さんのおもてなしにある、ということは事前に聞いていました。しかし、実際におもてなしに触れてみて、それが想像以上だったことを強く実感しました。

 観光列車が通過する駅や観光名所などで、地域の人たちが手を振ったり、歓迎の横断幕やパネルを掲げたりしておもてなしする、というのはよくある光景かもしれません。しかし伊予灘ものがたりの場合は、それが尋常ではありませんでした。

 通過駅でのお見送りは、それこそほとんどの通過駅で行なわれているのかと錯覚するほど多くの駅で見られましたし、大洲城のように、遠くからも見えるようにたくさんの幟を振って見送ってくれたりと、お見送りする側の歓迎の心がひしひしと伝わってきます。

 そればかりか、沿線の家や道路などでも地域の人たちが力強く手を振ってお出迎えしてくれます。愛犬と一緒に家のベランダから見送ってくれたり、グラウンドで野球の練習をしていた少年たちが全員で手を振ってくれたりする姿には、驚きを通り越して感動してしまいました。しかも、ほとんどの人たちが、頼まれることなくお見送りしているのだそうです。これは、伊予灘ものがたりが地域の人たちにもしっかり愛されている証拠だと、強く印象に残りました。

通過駅の多くで、いろいろな趣向を凝らしたおもてなしを実施
大漁旗や大きな横断幕など、カラフルなおもてなしも楽しい
さまざまな形のおもてなしで、乗客を楽しませてくれる
大洲城では、城の関係者が幟を振っておもてなし
沿線の住民が、家からワンちゃんと一緒にお見送り
手作り感満載のおもてなしに感動
沿線の企業も、心のこもったおもてなしで歓迎してくれる
地域住民の皆さんが沿道から手を振ってくれる
多くの地域住民の皆さんによるお見送りが体験できるのも、伊予灘ものがたりの大きな魅力だ
グラウンドで野球の練習をしていた少年たちも手を振ってくれるなど、伊予灘ものがたりが地域住民に愛されていることを強く実感できた

 もちろん、車内のアテンダントの皆さんのおもてなしも、とても心がこもっていました。こちらからお願いするまでもなく気さくに声をかけてくれて、料理の特徴や景色の見どころなどを解説してくれたり、写真を撮ってくれたりと、なにかと気を遣っておもてなししてくれて、列車のなかにいるのを忘れてしまうほどに居心地がよかったです。

 そして、このような地域の人たちやアテンダントの皆さんのおもてなしがあるからこそ、伊予灘ものがたりが高い人気を誇っている大きな理由なんだな、と心の底から実感できました。

 美味しい食事に、絶景の車窓、心のこもったおもてなしのおかげで、2時間15分ほどの乗車時間もあっという間に過ぎてしまいました。同時に、伊予灘ものがたりの体験は、自分自身にとっても非常に貴重なものとなりましたし、次はぜひプライベートで乗車したいと強く思いました。

アテンダントは、気さくに声をかけてくれたり、景色の解説や写真を撮ってくれたりと、細かな気遣いがうれしい
車内ではアテンダントがワゴンで記念品やお土産を販売。限定品も多く、ついつい手に取ってしまう
もちろん、伊予灘などの絶景の車窓も、伊予灘ものがたりの見逃せない要素だ
アテンダントや地域の皆さんのおもてなしに、美味しい料理、絶景の車窓などで、あっという間の乗車だったが、満足度はとても高く、また乗車したいと感じた
空室・料金チェック
平澤寿康

うどん県生まれ。僚誌PC Watchなど、IT系の執筆を中心に活動。旅&乗りもの&おいしいもの好きで、特に旅先でおいしいものを食べるのに目がない。ただし、うどんにはかなりうるさい。