旅レポ

クイーン・エリザベスの旅もついに最終日。アフタヌーンティーにガラ・ディナーで特別な体験を

船内で一番お気入りだった場所がこのライブラリーの一角

 キュナード・ライン主催のクイーン・エリザベス「シドニー~メルボルン3日間」プレスツアーの旅レポ。4回目の今回はクルーズ体験後半~下船までをレポートします。

英国伝統のアフタヌーンティーは別腹です

ステキ~!

 毎日15~16時ごろに開催されるアフタヌーンティーは、クイーン・エリザベスでのハイライトの1つ。場所は、パーティやイベント、夜には社交ダンスが開催される「クイーンズ・ルーム」です。

高い天井の「クイーンズ・ルーム」。デッキ2にあります

 上の写真は乗船直後に撮影した1枚ですが、アフタヌーンティーの時間になると、ここがたくさんのゲストでいっぱいに。乗船しているほとんどの人が集まっちゃったんじゃないかと思うくらいの大盛況。今回は2泊3日のショートクルーズで、アフタヌーンティーが開催されるのはこの日だけだったからでしょうか。テーブル待ちの長い行列ができていました。

後ろの窓から見える景色が海というのがまたなんとも

 白い制服姿のウェイターさんが、まずは紅茶のポットを持って各テーブルを回ります。なんて絵になるシーンなんですの~♪とうっとり。続いてサンドイッチ、次にケーキやタルトなど甘い系のトレイを持ってきて「どれになさいますか?」と聞いてきます。ついさっきランチでフィッシュアンドチップスを食べたばかりだというのに、そして3時間半後にはディナーが待っているというのに、やっぱりこれだけは別腹ですの。

サンドイッチにペストリー、スコーンが次々と! もちろんこのアフタヌーンティー代もクルーズ料金に含まれています(シャンパンなどの有料ドリンクは別)

 いよいよおまちかねのスコーンが登場。クイーン・エリザベスのスコーンは評判がよいと聞いていたので楽しみにしていたのですが、噂どおりとっても美味しくて、今でもときどきお腹がすいたときに思い出してしまうほど。上質なバターの風味、サクッと感としっとり感のあんばい、そしてこんがり焼けたいい色の見た目と、私にはパーフェクトのスコーン。クロテッドクリームをたっぷりつけてパクパク食べちゃいました。

このスコーン、どこかで売ってくれないかしら

洋上のライブラリーは寛ぎのスペースです

もっと長いクルーズなら、どっぷりと読書にふける日があってもよいですね

 船内で一番のお気に入りの場所を見つけました。それはデッキ2と3を螺旋階段でつなぐ2階仕様のライブラリー。実に居心地よい大人の空間が広がっているのです。テーブルや椅子がちょうどよい間隔で置かれているので、船内散策の途中ちょっと落ち着きたいときによく立ち寄っていました。

やわらかい光に包まれたライブラリー。天井のステンドグラスがいい感じ
借りた本はお部屋に持っていって読むこともできます

 重厚な本棚に洋書が並んでいるのって見ているだけでよい気分ですよね。あまり数は多くないですが日本の本も少しありました。そして自分の持っている本と交換できる「Paperback Exchange」コーナーも。

日本の書籍コーナーもありました
こちらは自分の本と交換できる棚

船内ではショッピングも楽しめます

 せっかくクイーン・エリザベスに乗船したのだから何か記念になるものが欲しい!と思ったら公式グッズがずらっと並ぶショップがお勧めです。同行の記者さんたちがトレーナーやTシャツ、折り畳み傘などを次々と購入しているなか、私は目が合った瞬間ビビビッときたキュナードベアをお買い上げすることに。赤い救命胴衣を着たこのキュナードベア、ベスと名前をつけてかわいがっています。

マグカップやバッグ、キャップにアパレルなどキュナード公式グッズがいろいろ
日本に連れて帰ることにしました
船内には化粧品や時計などを販売する免税店も。外洋に出ているときだけオープンしています

クルーズは運動不足解消にジャージが必須です

フィットネスマシーン。船首にあるので走りながら海を進む感じが楽しめそう

 アフタヌーンティーで食べ過ぎたので、夕食までに何かカロリー消費になることをせねばと、デッキ9にあるスパ・フィットネスエリアに行ってみました。フィットネスルームでは数人がランニングマシーンでエクササイズ中。お隣のストレッチスペースではヨガクラスをやっている最中でした。(あ~ヨガやりたかったですわ~!)と残念がっていたのですが、そもそも今回は運動できる服を何一つ持ってきていないのであります。

船内には卓球台も

 ジャージがあれば、お天気がよい日は外デッキ外周をぐるりと走る(歩く)ことができますし、お部屋にいるときもリラックスウェアとしてお勧め。もちろんシューズもスーツケースに入れておくべきですね。フィットネスセンターでは朝はサンライズストレッチ、夕方にはサンセットストレッチなども開催されていたようです。

プール好きの私としたことが水着を持っていくのも忘れてしまったことは痛恨の極み

 仕方ないので今回はサウナに入ることにしました。水着着用の人が多かったですが、バスタオルを巻いたりバスローブを着用すれば大丈夫。で、このサウナ、もう少し温度が高いといいのにな~とか、水風呂や外気浴ができる場所があるといいのにな~などと思ったのですが、ガラス窓から海が一望できるロケーションが素晴らし過ぎました!

サウナは男女別。作りはいたって普通なのですが……
この景色はすごい! デッキ9にあるので結構高い位置になります

2日目の夜はガラ・ディナーなので目一杯のドレスアップでレストランへ

ガラ・イブニング・アタイアは「男性はタキシード、ディナージャケット、ダークスーツにネクタイ。女性はイブニングまたはカクテルドレス、スーツ、着物などの正装」となっています

 前夜のドレスコードは「スマート・アタイア」でしたが、この日はさらに格が上がって「ガラ・イブニング・アタイア」ということで、着飾った人たちがあちこちに。私も頑張って着飾ってディナー会場へ向かいました。同行の記者さんのなかにはジェームズ・ボンドのようにタキシードを素敵に着こなしていた男性もいらっしゃいましたよ。

ガラ(Gala)は祭典・祝賀を意味する言葉で、一般的にガラ・ディナーとはクリスマスイブやカウントダウンなどの日に供される特別なディナーのことをいいます

 ちなみに、みんながみんな正装しなくちゃいけないというわけではありません。18時以降にカジュアルな服で過ごしたいという人は、リド・レストランのビュッフェやゴールデン・ライオン・パブ、ガーデンラウンジなどを利用すればOKです。

英国王室御用達のシャンパンで乾杯

 ブリタニア・レストランでの2度目のディナーは、前日と同じく船尾側のテーブルを予約してもらっていたので、海を見ながらの優雅なひととき。サウナで汗をかいたのでアフタヌーンティーで食べ過ぎたスコーンは消化したと信じて、デザートまでぺろりと美味しくいただきました。メインの子羊ランプ肉が美味しかった!

白カブのアジア風スローサラダ、鴨肉のコンソメスープ、子羊ランプ肉、温製ベイクウェルタルト
オーストラリアのダーレンベルグというワイナリーの白ワインをいただきました
楽しい食事が終わって最後に名残惜しい気持ちで撮った1枚

 翌朝にはメルボルンに着いて午前中に下船となるのですが、前の晩の23時までにやっておかなくてはいけないことが1つ。それはスーツケースを廊下に出しておくこと。乗船時と同じく自分で運ばなくてもよいのです。まだ使う洗面用品や翌日の着替えなどを別にしてパッキングします。

“ビッグ バンド ナイト”で盛り上がっていたクイーンズ・ルーム。人前で踊れる欧米人がうらやましい

 それまでの航海中、揺れが気になることはほとんどなかったのですが、2日目の夜は1~2時間ほど揺れてちょっぴりビビりました。どうやらオーストラリアとタスマニア島との間のバス海峡を通過しているときで、そのエリアはうねりが大きく、荒れることで有名なのだとか。パブのゴールデン・ライオンで飲んでいるときだったので、ビールの酔いに加えてゆっくりとした横揺れという、なかなかできない体験ができました。キャビンに戻って眠りについたころには揺れは収まっていたようです。

メルボルンの港がすぐそこに

 翌朝は6時20分ごろに大きな汽笛の音で目が冷めました。飛び起きてバルコニーに出てみると、すぐ近くに陸地が! 街が! 「あぁメルボルンに着いてしまったんですのね~、もう少し乗っていたかったなぁ」とちょっと寂しい気持ちに。とはいえ下船は数時間後。着替えて朝食を食べに行きます。

部屋にオンボードアカウント(クレジットの明細書)が届くので、間違っていないか内容をチェック
下船日はデッキ9にあるリド・レストランでビュッフェ式の朝食を食べました

 前の記事でもご紹介していますが、今回のクルーズ代は私が利用した「ブリタニア・海側バルコニー」のお部屋で6万円~(2人部屋を2名で使用する場合の1名あたりの最低料金)。ツアー代に含まれる食事の回数を数えてみると合計6回。プラス英国式のアフタヌーンティーです。

キャビンで最後の記念写真

 このショートクルーズ、例えば7日間くらいのオーストラリア旅行に行ったとして、オプショナルツアーに申し込んだと思えば安過ぎるくらいのお値段なのではないでしょうか? しかもシドニーからメルボルンまで乗っていれば着いちゃうのですから! 飛行機ではなく、海から訪れたメルボルンは私にとって忘れられない旅先になりました。

2泊3日のクルーズを終えてメルボルンに到着したクイーン・エリザベス。またどこかで乗りたいな

 最終回は、乗船直後に船内見学で撮ったクイーンエリザベス内の施設をたっぷりの写真でご紹介しようと思います。お楽しみに!

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。