イベントレポート
【関空旅博 2019】今夏、関空からチャーター便が運航するパラオ。クラゲと泳げる「ジェリーフィッシュレイク」など紹介
2019年5月19日 14:28
- 2019年5月18日~19日 開催
関西エアポートが主催する旅行博覧会「関空旅博 2019」が関空(関西国際空港)で5月18日と19日の2日間開催されている。
第1ターミナルビル、エアロプラザ/ホテル日航関西空港の間をつなぐ南北広場と駅コンコース、関西空港会議場などを会場に、国内外の観光局、自治体、航空会社、旅行業者など、新規出展13団体を含む151団体がブースを展開したほか、ホテル日航関西空港ではさまざまな企業・団体による無料セミナーが実施された。
本誌でブースを取材したパラオ政府観光局関空からのチャーター便が今夏運航。世界遺産の海が魅力のパラオ政府観光局ブースもセミナーを開いており、用意した席がほとんど埋まる盛況ぶりだった。
ミクロネシアに入るパラオは日本から南へ約3000kmにあり、時差はなし。使用言語は英語とパラオ語で、電源のコンセントの形状も電圧も同じ。治安もよく、親日的な国であり、パラオ政府観光局 日本事務所 代表の芝村剛氏は、「円をドルに替えるだけで、日本人になじみやすい国」と紹介。
日本からパラオへの直行便はないが、繁忙期にはANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)がチャーター便による直行便を運航している(直行便の所要時間は約4時間30分)ほか、関空からは夏休みシーズンにティーウェイ航空がチャーター便を運航することが決まっており、JTBが8月11日、14日出発の旅行商品を発売している。
それ以外の定期便では、グアム経由のユナイテッド航空、仁川経由の大韓航空とアシアナ航空、台北経由のチャイナエアラインを利用することになる。
パラオは586の島があると言われていて、人が住むのは9つの島。サンゴの隆起でできたロックアイランドという島々が特徴で、2012年にユネスコの世界複合遺産に「南ラグーン・ロックアイランド群」として登録されている。複合遺産は文化遺産と自然遺産の価値があるものという意味で、東京都の半分ほどの面積の登録エリアには400以上のサンゴ礁由来の島々、淡水湖と海水湖の52個のマリンレイクがあり、746種類の魚、386種類のサンゴ、13種類のサメが生息している。また、ミクロネシア唯一のマンタの生息地でもある。
やはりロックアイランドを巡るツアーが人気で、サンゴ礁が長い年月堆積し、微生物によって分解された真っ白な泥が沈むミルキーウェイは、その泥に美肌効果があるとされ、女性に人気のスポット。
ジェリーフィッシュレイクは地殻変動によってサンゴ礁が隆起してできた島々が連なってできた汽水湖。外敵がいない湖で毒や刺す機能が退化したクラゲとともに水中を漂う体験ができる。実は3年前のエルニーニョ現象の影響でクラゲが激減していたため、ジェリーフィッシュレイクへのツアーは中止されていたが、クラゲの数が増えたため、この4月からツアーを再開している。
また、バリアリーフを貫いてラグーンと外洋を結ぶチャネル(水路)には、マンタや魚群などが集まっており、そこを船で進むと非常にフォトジェニックな写真が撮れるとのこと。
もちろんパラオといえば、周囲が深い海溝に囲まれており、深い海溝から湧き上がるプランクトンを多く含む海水を目指して豊富な魚がやってくるため、「ブルーコーナー」や「ブルーホール」といった世界中のダイバーが憧れるダイビングスポットも多い。
南北約10km、東西約3kmの小さな島・ペリリュー島は、第二次世界大戦では日本軍とアメリカ軍の激戦地となった島。2015年4月には平成の天皇皇后両陛下が慰霊の旅で訪れており、ペリリュー州はご訪問を記念して4月9日を祝日にしている。ペリリュー島は今でもいたるところに戦跡があり、これらは州の法律で手を加えることが禁止されている。そのため生きた歴史博物館として多くの観光客が訪れている。
また、パラオの自然環境への姿勢を表わす一例として、パスポートスタンプがパラオの自然を守ることを宣誓する文章になっており、署名することで来訪者一人一人の意識へ働きかける取り組みがあることを紹介。この環境保護誓約「パラオ・プレッジ」は、2018年の「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」のSDGs部門など3部門でグランプリを受賞している。