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JAL、すずらんを奉納する北海道千歳市から福岡・太宰府天満宮への「花の交流」をサポート
通算60回目を迎える「梅の親善大使」の返礼、千歳市長も出席
(2016/5/17 19:56)
- 2016年5月17日 実施
JAL(日本航空)は、毎年の恒例行事として行なわれている、北海道と福岡の親睦を目的とした「梅の親善大使」活動を輸送面でサポートしている。1月には、福岡県の太宰府天満宮の神木である「飛梅」の鉢植が、北海道千歳市に送り届けられた。その「花の交流」の返礼として、北海道千歳市で育成されているすずらんの鉢植が、太宰府天満宮に奉納された。北海道にも春が訪れた証として、毎年この時期に行なわれている。
今回は60回目という節目を迎え、千歳市長も太宰府天満宮に訪れての奉納式典となった。
太宰府天満宮から贈られた梅鉢の返礼として北海道からすずらんを輸送
1956年よりスタートした太宰府天満宮と北海道の「花の交流」。
一足早く春が訪れる福岡より春の知らせとして、梅の花を雪深い北の地に寄贈する、という南北の親睦を深める目的ではじまった行事だ。1956年から継続的にJALがサポートし、今年で60回目を迎えた。
今回は、北海道の春を象徴する「すずらん」の鉢を、福岡まで運ぶ「お返し」となる式典行事。もちろん、JALが輸送をサポートしているが、トラベル Watchでは2016年1月に福岡空港で行なわれた、北海道へ向けた出発式の様子もレポートしている(別記事参照)。
熊本地震の被災地にもすずらんの花言葉を届けたい
奉納式を前に、千歳市長である山口幸太郎氏に話をうかがったところ、「毎年、太宰府天満宮様より梅の鉢をいただいておりますが、そのお返しとして、すずらんを贈らせていただいております。すずらんの花言葉である“幸福”や、“再び幸せが訪れる”というキーワードを、先の熊本地震による被災者の皆さまに届けたい思いもあり、今回の来福のタイミングとなりました。私は5年に1度、太宰府天満宮さまを訪れていますが、記念すべき60回目、また地震というさまざまなことが重なりました。被災地に向けてもどのようにサポートできるのか、今回しっかりと地元の皆さまの声を聞いて帰りたいと思います。花に関しましては、地元で栽培されている香りの強いドイツスズランを持ってきました。皆さんに北海道の春を感じていただきたいと思います。こうした“無償のお付き合い”を、長らくサポートしていただいているJALさんにも、改めまして感謝申し上げます」とコメント。
続いて、2つの鉢を本殿に納める奉納式が執り行なわれた。楼門をくぐると太宰府天満宮幼稚園の園児たちが花道をつくってお出迎え。多くの観光客がごった返すなか、奉納式がはじまった。
太宰府天満宮幼稚園の園児もすずらんの香りを体験
敷地内には、太宰府天満宮幼稚園が併設されているが、奉納式のあとには園児たちに香りを体験してもらう場面も。JAL福岡支店の地上スタッフが鉢をもって、園児たちのところへ。
園児たちは、「とってもいいにおい!」「ちいさくてかわいい花!」と、鉢植に興味津々。今回、すずらんの鉢植は太宰府天満宮と幼稚園に2鉢ずつ、合計4鉢が贈られた。
北海道では、例年5月初旬に桜前線が北上してくるということで、福岡県とは1カ月以上も花見時期が異なる。それ故に、すずらんが届けられるこの時期は、太宰府天満宮のスタッフや幼稚園児にとって、ひと足早い初夏のサインとして認知されているようだ。
今でこそ福岡~新千歳路線は直行便が当然だが、この「花の交流」は、まだ羽田空港を経由しての輸送となった1956年(昭和31年)から60年も続いている歴史ある行事となっている。
このように、JALが長期間サポートしている「花の交流」によって、北海道と福岡の距離による気候の差、季節の移ろいからくる日本の広さを再認識でき、また外国人に向けてもアピールができる奉納式となった。
式典の最中も、訪日観光客が職員に対し、「今は何をしている?」「この花は何?」といった質問をしている光景をよく目にし、対応に追われる職員の姿が印象的だった。