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北海道新幹線、開業カウントダウン。東京駅で「北海道つながる物産・観光祭」

11月13日~15日開催。人々の笑顔で作られたH5系モザイクアートを公開

2015年11月13日~15日 開催

 東京駅お祭りストリート委員会は、11月13日~15日の3日間、東京駅 丸の内南口 地下1階の「動輪の広場」で「東京駅お祭りストリート『北海道つながる物産・観光祭』」を開催している。初日の11月13日には、オープニングセレモニーも行なわれた。自慢の特産品販売や、北海道の文化を紹介する華やかなステージ、北海道産のじゃがいもを合計1トン分無料配布を行なうなど見所満載のイベントと、東京駅駅舎内のスペシャルジャックの様子をお伝えする。

 今回の「北海道つながる物産・観光祭」は、北海道新幹線の開業が2016年3月26日に決定したことを受け、関東圏の鉄道利用者に向けて北海道新幹線と北海道の魅力を伝えるために開催されたアピールイベント。物産展やコラボフードの食などとともに東京駅駅舎内を北海道色に染め上げる「東京駅スペシャルジャック」のオープニングも兼ねている。

 セレモニーでは、北海道白老町のアイヌ民族博物館のメンバーによる「アイヌ古式舞踊」が披露され、オープニングを飾った。この舞踊は同町で古くから伝承されており、イヨマンテと呼ばれる熊の霊送りの際に踊られるもの。大きな輪をつくり手拍子とともに歌声に合わせて舞うもので、狩猟民族であったアイヌの人々の重要な儀式の1つだ。

独特のかけ声と拍、アイヌ語で歌われた「イヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)」。アイヌの代表的な工芸である「アットゥシ織」の衣装をまとい、素足での演舞に観客は圧倒された。イベント期間中14~15日はカピウ&アポッパのメンバーが舞踊を披露予定
北海道知事 高橋はるみ氏。北海道新幹線における東京駅からの利便性をアピールした

 続いて、主催者の北海道知事の高橋はるみ氏が登壇。「開業まで134日、鹿児島中央駅から新函館北斗駅まで2150kmが2本のレールで繋がり、北から南までの交通ネットワークの完成となります。しかも東京駅から北海道まで約4時間で乗り換えなしで来られます」とその利便性をアピールした。

北海道観光振興機構 副会長 山本邦彦氏。今回の東京駅スペシャルジャックについて説明

 また、同じく主催者である北海道観光振興機構の山本邦彦氏が「北海道への期待と注目を高めていただければ」と今回のイベントの主旨を説明。

北海道旅客鉄道株式会社 社長 島田修氏は、新幹線で使用する新駅舎についての近況や、北海道新幹線開業への意気込みを語った

 そしてJR北海道(北海道旅客鉄道)代表取締役社長 島田修氏は「今回新しく新幹線の区間には青函トンネルを挟み、青森側に奥津軽いまべつ駅、北海道川に木古内駅、終着点として新函館北斗駅の3つができるが、現在駅舎はほぼ完成し、最終仕上げ、準備作業に入っている」と近況を報告。

東日本旅客鉄道株式会社 東京駅 駅長 江藤尚志氏は関東圏内の人々の北海道への興味の高さと、イベントと新幹線開業への期待を話した

 最後にJR東日本(東日本旅客鉄道)の東京駅 駅長 江藤尚志氏が「北海道の豊かな恵み、人情も含め首都圏の人々は北海道に非常に魅力を感じている。東京駅を毎日利用する183万人にこのイベントで北海道のよい部分を見せてほしい。また、全力で私たちも新幹線開業に向けて走って行きたい。ちなみに開業が26日ですが、私自身の誕生日が実は3月24日なのです」とラストには会場の雰囲気を和ませる演出も。

 挨拶の後は、「ツーリズムEXPO JAPAN」をはじめ各イベント会場などで撮影された北海道新幹線開業を心待ちにしている人々の笑顔の2000枚の写真を繋げ、新幹線の車体を描いた幅4mの巨大モザイクアートの除幕式も行なわれた。

写真で生み出されたモザイクアート。北海道新幹線の車体が描かれているが、近づくとキュンちゃんやどこでもユキちゃんとともに写る人々の笑顔が見える

 セレモニーでは北海道新幹線開業イメージソング「Supernova Express 2016」を書き下ろしたGLAYの4人が映像で登場。リーダーのTAKURO氏は「僕らの故郷北海道に新幹線が走ることは自分達にとっても、首都圏の皆さんにとってもすごく長年の夢だったと思っています。その期待に応えられるように一生懸命制作をしたのが新曲。3月26日から新幹線が北海道まで伸びるということで、たくさんの夢を載せて新幹線が走ってくれると思います。北海道でコンサートがある時には新幹線に乗ってみたいと思います」とコメントしてた。

 ラストには「つながる美術館」の表彰式も行なわれた。これは、イベント期間中に北海道の子供たちの描いた「見てほしい北海道」「感じてほしい北海道」を描いた作品が新幹線の車窓をイメージしたデザインの柱に展示されているもの。式には優秀賞を受賞した代表の小学生と、絵本作家のそら氏、ご当地キャラクターたちが登場。北海道観光PRキャラクター「キュンちゃん」、北海道新幹線PRキャラクター「どこでもユキちゃん」、東京駅キャラクター「ドームくん」、函館市観光PRキャラクター「イカール星人」、北斗市公式キャラクター「ずーしーほっきー」、さっぽろテレビ塔非公式キャラクター「テレビ父さん」、上川町マスコットキャラクターの「かみっきー」に見守られながら和やかに表彰式が執り行なわれた。

写真右からエゾジカのかぶり物がキュートなエゾナキウサギの「キュンちゃん」、雪合戦が好きな「どこでもユキちゃん」、赤煉瓦の駅舎の「ドームくん」。まさに北海道と東京のキャラクター、夢の共演。イベント開催中はキュンちゃんとどこでもユキちゃんが毎日挨拶に来てくれる
写真右から宇宙観光都市ハコダテ侵略を企てる「イカール星人」、その動きと存在で大注目の寿司キャラ「ずーしーほっきー」、場末漂う飲み屋大好きな「テレビ父さん」、鐘をかぶったヒグマの「カミッキー」
表彰式では、函館の大好きな温泉を描いたという小学生の代表者にスタンドと賞状が授与された

 また、同じく動輪の広場で開催している「北海道つながる物産・観光祭」には17店舗が出店中。お菓子や薫製、魚介類に惣菜まで幅広く取り扱っており、北海道の“おいしい物産”が手に入る。函館市や鹿部町、北斗市、札幌市・北海道新幹線建設促進関係自治体連絡協議会、層雲峡観光協会、札幌商工会議所北が展開するブランド「イランカラプテ」キャンペーン促進協議会も観光案内を行なっており、北海道新幹線の開業に向けて地元の名所や名産をアピールしている。

開催直後から会場は盛況。北海道ファンや駅の利用者などが物産品を購入していた。1000円購入のレシートで参加できる抽選会も行なっている
観光案内のブースではイカのかぶり物をしたり、新幹線型のボードを使った撮影なども可能
函館市と北斗市も揃ってPRブースを出展
会場には北海道新幹線「H5系」の鉄道模型も展示
3日間合計で1t分の男爵イモを会場を訪れた人にプレゼント。大きめのじゃがいも3つと観光案内をセットにして手渡してくれる

 同時に開催される「東京駅スペシャルジャック」では、東京駅の改札内にあるポスターやデジタルサイネージなどで、北海道の名所と名産品を18種類掲出。美しい風景や、美味しそうな食材が並ぶ。また、“TOKYO MARU-VISION”や“丸の内大型LEDビジョン”では北海道新幹線の車体をメインにドラマティックな映像も終日放映とまさに北海道づくし。東京駅を歩くだけで北海道新幹線開業への熱気を感じられるようになっている。

 さらに、11月13日~29日には、「北の大地と海のおいしいフェア」として、東京駅内の43店舗にて北海道全域からよりすぐった名産品を使った創作料理が味わえるイベントも開催する予定。グランスタやグランルーフ、キッチンストリートなどエキナカで北の味覚をたっぷり味わうことができる。

「レールの先に、新しい学びがある」「レールの先に新しい絶景がある」などのフレーズとともに美しい写真を配したポスターが並ぶ新幹線口
中央通路にも同じく名所と名産品、北海道新幹線の開業や北海道をアピールする7種類のポスターがエリアをジャックしている
北海道新幹線 H5系と東北新幹線 E5系が並んだ迫力溢れるポスターも
丸の内北口の“TOKYO MARU-VISION”では北海道新幹線が画面上を走る横長のデイスプレイを活かした映像も放映中

(相川真由美)