ニュース
「香川ウォーターフロントフェスティバル2015」でチームラボがデジタルアート作品を展示
音楽や大道芸、食のイベントも同時開催
(2015/7/27 00:00)
- 開催期間:7月25日~8月9日
- 開催時間:17時~21時
- 観賞・参加費:無料
2014年7月から8月にかけて、瀬戸内海国立公園指定80周年記念事業の1つとして香川県高松市で開催された「香川ウォーターフロントフェスティバル」。今年2015年も、「香川ウォーターフロントフェスティバル2015」として、2014年同様、香川県高松市の高松港周辺地域「サンポート高松」にて7月25日に開幕した。
近年、香川県では「瀬戸内国際芸術祭」など、アートをテーマとしたイベントを多数開催しているが、香川ウォーターフロントフェスティバルもアートが大きなテーマとなっている。その中心となるのが、デジタルアート作品を手がける「チームラボ」による「チームラボと香川 夏のデジタルアート祭り」だ。
2104年の香川ウォーターフロントフェスティバルでは、サンポート高松沖の海上に、大型ポンプと特殊ノズルを使って高さ約20m、幅約40mという世界最大級の水のスクリーンを張り、後方から源平屋島合戦や瀬戸内海、アートをテーマにした映像を投影するという、ほかに類を見ないデジタルアート作品が展開された。そして今年は、「チームラボクリスタル花火」と「お絵かきピープル&お遍路さん」という、2種類のデジタルアート作品が展示された。
開催初日となった7月25日には、オープニングセレモニーを開催。セレモニーでは、香川県知事の浜田恵造氏(ビデオメッセージ)、高松市長の大西秀人氏、チームラボ代表の猪子寿之氏が開催の挨拶を行なった。
香川県知事の浜田恵造氏は、「昨年夏、初めて開催した『香川ウォーターフロントフェスティバル』には、県内外から約3万5000人の方々が来場し好評を頂きましたが、昨年に引き続き、本日から8月9日までの16日間、『香川ウォーターフロントフェスティバル2015』を開催いたします。本年も、猪子寿之さんが率いるウルトラテクノロジスト集団『チームラボ』が手がける2つのデジタルアートを用意しました。来場の皆様には、実際にデジタルアートを体験していただいて、新感覚の光のアートを楽しんでいただければと思います。また、隣のハーバープロムナードでは、こちらも昨年に引き続き、音楽や大道芸、食のイベント『~真夏の夜の夢 THE CARNIVAL 2015~』を開催いたします。こちらもぜひ楽しんでいただきたいと思います」と、イベントの概要を説明。
続いて、高松市長の大西秀人氏は、「昨年は、瀬戸内海が日本で初めて国立公園に指定されてちょうど80周年ということで始まったイベントですが、非常に人気があり、高松ならではのウォーターフロントの過ごし方ということで市民の皆様にもご好評を得まして、今年も開催することになりました。ぜひともご家族連れ、ご近所連れ、お友達連れで、夏の夜をサンポート高松で楽しんでいただければと思います」と挨拶するとともに、サンポート高松の隣に位置する、高松城跡「玉藻公園」で開催されているイベントにも触れ、「玉藻公園は今年ちょうど開園60周年です。それを記念して夏のイベントを開催中です。8月31日まで夜間無料で開放しております。また、8月1日から8月9日までは、香川漆器や庵治石、盆栽とスイーツのコラボレーション『城カフェ』を開催しますので、こちらの方にも訪れていただければと思います。今年夏、高松港周辺を中心に高松ではイベントが目白押しですので、さまざまな場所で高松の街を楽しんでいただければと思います」と語った。
最後にチームラボ代表の猪子寿之氏は、「昨年はウォータースクリーンをやらせていただいて非常に楽しかったですが、今年もすでに楽しいです。私は瀬戸内海が本当に好きで、瀬戸内海と合う作品が作れるといいと思っていました。チームラボクリスタル花火は透明になっていますので、夕暮れ時は花火越しに海が広がって、本当に綺麗です。(瀬戸内海は)世界でも有数の美しい海だということを思い出してもらいながら、夜だけではなく、夕暮れ時から楽しんでいただければと思います。香川県が大好きです」と、作品の魅力や瀬戸内海への想いを語った。
立体LEDディスプレイにデジタル花火を打ち上げる「チームラボクリスタル花火」
「チームラボクリスタル花火」は、LEDを利用した立体ディスプレイに、来場者が自分のスマートフォンから花火を投げ入れることで、光の立体花火が打ち上がるというデジタルアート作品だ。こちらは、2015年3月から5月にかけて、東京六本木の六本木ヒルズ 毛利庭園で行なわれたチームラボクリスタル花火と同様の作品だ。
立体ディスプレイは、透明なバーに取り付けられたLEDを円柱形に吊り下げた構造となっている。使用されているLEDは7万8400個にのぼるという。こういった構造によって、打ち上がるチームラボクリスタル花火は立体的な映像になるとともに、立体ディスプレイ周囲の360度どこからでも映像が見られるようになっている。また、立体ディスプレイのほぼ直下まで近寄れるようになっており、チームラボクリスタル花火が打ち上がる様子を立体ディスプレイの下から覗きこむように見上げることも可能となっている。
立体ディスプレイの構造自体は六本木での出展とほぼ同じだが、六本木ではサイズが高さ約8m、直径約5mだったのに対し、香川ウォーターフロントフェスティバル2015では、高さが約10m(全体の高さは約15m)、直径が6mと、約1.5倍の規模に拡大されているという。加えて、「うどん花火」や「鰐鮫(ワニザメ)花火」など、香川オリジナルの花火を用意したり、定期的にショー的な演出が行なわれるなど、六本木での出展時にはなかった新要素も追加されている。
チームラボクリスタル花火は、スマートフォンでチームラボクリスタル花火の専用ホームページにアクセスし、そこに表示される9種類の花火の中から好きな花火を選択し、指でチームラボクリスタル花火に向かってスワイプすこるとで打ち上げられる。
花火は全部で34種類用意されており、ホームページを開くたびにランダムで9種類が選択される。そして、うどん花火や鰐鮫花火は、出現率がやや低めに設定されているという。運がいいと、レアな香川オリジナル花火が打ち上げられることになる。中でも鰐鮫花火は、鰐鮫が空に向かってジャンプするという、デジタルアートらしい斬新かつ迫力のある花火となっているので、必見と言える。
自分の描いたお遍路さんがスクリーンを練り歩く「お絵かきピープル&お遍路さん」
もう1つの作品である「お絵かきピープル&お遍路さん」は、自分で書いた男の子や女の子、お遍路さんの絵が、高さ約3m、幅約15mの巨大スクリーンに投影され、スクリーン内で動き出すという作品。また、スクリーンに投影されたお遍路さんにタッチするとさまざまなリアクションをとるという、インタラクティブ要素も備わっている。
会場には、お遍路さんが描かれた用紙とクレヨンが用意され、来場者が自由にクレヨンでお遍路さんに色や模様を書き込めるようになっている。そして、描き上がったお遍路さんの絵を、スクリーン横に設置されているスキャナで読み取る。すると、スクリーン内に即座にその絵のとおりのキャラクターが登場し、ほかのお遍路さんと一緒に活き活きと歩き始める。
投影されるお遍路さんは、子供と同じぐらいの背丈で、スクリーン前を一緒に歩くことも可能。また、スクリーンのキャラクターにタッチすると、驚いたようなポーズや、挨拶などのリアクションが帰ってきたり、定期的に音楽に合わせてお遍路さんが踊るなど、非常に楽しい要素も盛り込まれており、見るだけでなく参加できるデジタルアートとして、子供から大人まで楽しめる作品となっている。
この、「チームラボと香川 夏のデジタルアート祭り」は、サンポート高松の「アート広場」で開催。また、アート広場から道を挟んだ「ハーバープロムナード」では、音楽のステージや大道芸のパフォーマンス、香川の新鮮でおいしい食材を使った食のブースなどを楽しめる「~真夏の夜の夢 THE CARNIVAL 2015~」も同時に開催されている。そちらも合わせて楽しんでほしい。
【お詫びと訂正】初出時、チームラボ代表者氏名ならびに花火の種類数などに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。