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香川県、県産食材を利用した試食イベント「さぬきうまいもん祭りin東京」を開催

プレミアム銘柄豚「オリーブ夢豚」を初披露

2015年7月17日 実施

 香川県は、香川県産食材をアピールする試食イベント「さぬきうまいもん祭りin東京」を、7月17日に東京都内のホテルで実施した。“さぬきうまいもん祭り”は、香川県内に加えて、東京や大阪などで定期的に開催されている食のイベントで、今年2015年は1月に大阪で開催されている。17日に東京で開催されたイベントでは、香川県産の新しいブランド豚や野菜、フルーツなどを紹介するともに、今年から2016年にかけて香川県で開催される各種イベントの紹介、開催ホテルである帝国ホテルのシェフによる香川県産食材を利用したメニューの試食会が行なわれた。

香川県知事の浜田恵造氏。うどん県のはっぴを着て、香川県産の食材など香川県の魅力を紹介

 イベント冒頭に挨拶で登壇した香川県知事の浜田恵造氏は、「今回、香川県産の食材を帝国ホテルのシェフに腕をふるっていただいて、美味しい料理に仕上がっていると思います。また、“うまいもん祭り”は食のプロモーションイベントですが、イタリアのミラノで開催されている“食の祭典”『ミラノ万博』に、香川県が8月29日から9月1日の期間で出展します。オリーブ牛やうどんを持っていきたいと思います。観光では、高松市のベイエリア“サンポート”でこの夏に開催される『香川ウォーターフロントフェスティバル2015』で、デジタルアートを駆使したイベントが行なわれますし、来年はいよいよ『瀬戸内国際芸術祭2016』が開催されます。これからも、香川県の魅力を発信して、皆様に香川県にお越し頂き、また香川県産品を試して頂きたいと思っています」と、香川県の食やイベントについてコメントした。

香川県議会副議長の五所野尾恭一氏。今回のメイン食材「オリーブ夢豚」など、香川県産の食材をアピールした

 続いて、香川県議会副議長の五所野尾恭一氏が登壇し、「香川県の県民性は、よく言えば目立つことを望まないのんびりとした気質と語られることが多いですが、これは比較的気候が温暖で災害も少ない、穏やかな自然環境の中で育まれてきたことによると思っております。これまでのさぬきうまいもん祭りでは、新鮮な野菜や特徴のあるフルーツ、瀬戸内の幸はもとより、オリーブを飼料とした食肉や鮮魚、発酵食品などに加えて、本県が研究開発の中心となっている“希少糖”など、香川が誇る食材を紹介してまいりました。そして、今回のメイン食材であります『オリーブ夢豚』は、本県関係者が力を尽くして開発、育成し、自信を持ってお勧めできる新しい食材です。どれも穏やかな香川の風土や県民性の中でじっくり熟成させて手塩にかけて育ててきたものばかりです。目立つことを好まないと言われる我々ですが、県民の強い想いが込められた“さぬきのうまいもん”には、しっかり目立ってほしいと願っております」と、今回のイベントで提供される食材を紹介した。

 その他、農林水産事務次官の皆川芳嗣氏による挨拶や、木内晶子うどん県副知事によるこの夏以降に香川県で開催予定のイベント紹介なども行なわれた。

来賓代表として挨拶を行なった農林水産事務次官の皆川芳嗣氏。「現在ミラノで開催されているミラノ万博に香川県が8月下旬から参加されると聞いております。イタリア人は麺類がいきと言うこともあるようですが、香川が出展されることで、ヨーロッパでうどんが流行るのではないかと期待しております」と、ミラノ万博への香川県出展の期待感を語った
木内晶子うどん県副知事も参加し、今年夏以降に香川で行なわれるイベントなどを紹介
来年2016年は、「瀬戸内国際芸術祭2016」の開催や、4年に1度、閏年に行なわれる「逆打ち」遍路(88番から1番へと逆にまわるお遍路)など、香川県はイベント目白押し
会場には香川のプレミアム銘柄豚「讃岐夢豚」をイメージしたゆるキャラ「夢豚くん」も駆けつけた
こちらは、うどんを食べすぎて脳がうどんになってしまった“ツルきゃら”「うどん脳」。要潤うどん県副知事のポップ(後方向かって左)をイメージしてポージング

 今回のさぬきうまいもん祭りin東京でのメイン食材となったのが、このイベントに合わせて初披露となった、香川県プレミアム銘柄豚「オリーブ夢豚」だ。香川のブランド豚「讃岐夢豚」に、オリーブの搾り果実を餌として与え育てた豚で、「オリーブハマチ」、「オリーブ牛」に続く“オリーブシリーズ食材”となる。

 オリーブ夢豚は、肉質検査の結果、フルーティな甘みが特徴の果糖(フルクトース)が高いことが判明しており、ジューシーでコクがあり、口の中で甘くとろけてあっさり食べられる点が特徴という。オリーブ夢豚生産者である池田員美さんは、「オリーブオイルは人間にとっても非常に身体にいいオイルです。このオイルを豚が食べることで健康になります。これによって、甘くあっさり食べられる脂の変化が、いちばんの特徴です」と、オリーブ夢豚の魅力を紹介。

オリーブ夢豚を紹介するタレントの兎谷和人さん(右)と、オリーブ夢豚生産者の池田員美さん(左)
オリーブ夢豚の美味しさの秘密を紹介する池田さん。「オリーブ夢豚はまだ限定販売ですが、全国のみなさんに食べていただけるように頑張っていきたい」と抱負を語った
オリーブ夢豚は、一般的な豚肉より果糖を多く含み、ジューシーでコクがあり、口の中で甘くとろけ、あっさり食べられるという

 そして、オリーブ夢豚と香川県産のじゃがいもとアスパラガスを利用した「香川県産オリーブ夢豚のビール煮込み カルボナード風 アスパラガス添え」が試食として提供された。こちらは、帝国ホテルの杉本雅之シェフによるメニューで、フランス・フランドル地方の、本来は牛肉を使った煮込み料理とのことだが、甘くこく味がありながらしつこくない、素晴らしい肉質のオリーブ夢豚を使うことで、今回のレシピに合って、素晴らしい仕上がりになったと紹介された。

 実際に食べてみても、食べた瞬間に肉の甘さが口いっぱいに広がるとともに、豚肉特有の臭みもまったく感じられず、一般的な豚肉とは一線を画す味わいだった。また、甘さが引き立つようにじっくりソテーされた玉ねぎを合わせたソースとの相性も抜群で、非常に美味しくいただけた。

 このオリーブ夢豚は、今後東京で販売される予定となっている。東京・新橋にある香川県と愛媛県のアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」で、「オリーブ夢豚フェア」と題し、8月3日~9日の期間でオリーブ夢豚の精肉販売が行なわれる。また、香川・愛媛せとうち旬彩館の2階にある飲食コーナー「かおりひめ」では、9月1日~11月30日の期間で、オリーブ夢豚を使った料理の提供が行なわれるとのことだ。

じっくり煮込まれたオリーブ夢豚は、口の中でとろけるほどのやわらかさ。際立つ甘みや、臭みのないあっさりとした味わいも印象的だった
オリーブ夢豚を利用したメニューとして用意された「香川県産オリーブ夢豚のビール煮込み カルボナード風 アスパラガス添え」。香川県産のアスパラガスやじゃがいもも使われている
メニューを解説する、帝国ホテルの杉本雅之シェフ
「香川県産オリーブ夢豚のビール煮込み カルボナード風 アスパラガス添え」を食べる、生産者の池田さん、五所野尾副議長、浜田県知事、木内うどん県副知事
オリーブ夢豚の精肉や、オリーブ夢豚を使った料理が、新橋のアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」で提供予定

 また、香川県産の桃、みかん「さぬき紅(小原紅早生)」、ピオーネと希少糖を使ったスイーツ3品も用意された。桃はシャーベットに、みかんのさぬき紅はババロアに、ピオーネはゼリーに使われていたが、果物そのものの味を活かしつつ、希少糖によるやさしい甘みで、こちらも非常に美味しく仕上がっていた。

香川県産の桃と希少糖を使ったシャーベット
香川県産みかん「さぬき紅(小原紅早生)」と希少糖を使った「小原紅早生のババロア」
香川県産ピオーネと希少糖を使ったゼリー
スイーツ3品の特徴を紹介する、帝国ホテルのペストリーシェフ、秋城俊徳氏
スイーツ3品に使われた香川県産の果物を紹介する兎谷さん。出身は広島県だが、大の香川県好きとのこと

 このほかにも、オリーブ牛を利用したローストビーフや、香川県産の魚や野菜を使ったメニューが数多く提供されたので、写真で紹介する。

香川県産オリーブオイルを使用したマダコのマリネ。柔らかいマダコの食感が絶品
香川県産野菜を利用したサラダ 醤油豆のドレッシング
トマトとバジルの冷製讃岐うどん。イタリア風の味わいが新鮮だった
香川県産ホワイトアスパラガスの冷製スープ
香川県産グリーンアスパラガスの冷製スープ
香川県産ゲタ(舌平目)のムニエルグルノーブル風 青ネギ添え
香川県産スズキのパイ包み焼き オマールえびのソース
讃岐コーチン赤ワイン煮込み ブルギニオン風
讃岐オリーブ牛のカレー 香川県産おいでまいとご一緒に。スパイスの効いたパンチのあるカレーと、甘みの強いオリーブ牛がベストマッチだった
特撰讃岐オリーブ牛のローストビーフ 香川県産サツマイモのドフィノワを添えて。とにかく柔らかく、すぐに溶けて甘さが口いっぱいに広がる。それでいて後味はさっぱり
香川県産 讃岐の夢(小麦粉)を使用したプティパン
讃岐うどんと、”酒に合ううどん”も提供された
酒に合ううどんは、讃岐うどんよりも香ばしい味わい。野性的な風味で日本酒やワインにも合いそう
(平澤寿康)