ニュース

NEXCO東日本、車両重量超過で運転手と雇用主を告発

5月度定例会見より

2015年6月3日 実施

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は6月3日、5月度の定例記者会見を開催。2015年4月の営業概要および重量超過車両による道路法違反者の告発、Pasar守谷(下り線)オープニングイベント、Homework's 品川シーズンテラス店のオープン、第13弾地域産品応援フェアについて説明が行なわれた。

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 廣瀨博氏

 冒頭、NEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏より、6月7日に予定されている圏央道の神崎IC(インターチェンジ)~大栄JCT(ジャンクション)間の開通および大規模修繕について、また、車両総重量が大きく超過した車両の告発について説明が行なわれた。

 「圏央道の神崎IC~大栄JCT間の開通によって常磐道と東関東道が繋がり、都心を経由せずに埼玉や北関東、東北方面と成田国際空港を結ぶ新たな広域ルートが形成され、ヒト、モノの交流が活発になり、地域経済の好循環が期待されます。なお、現在までの圏央道の開通延長は約220kmで、全体が約300kmですので、今回開通の9.7kmを加えますと、全体の整備率は約77%になります。また、各自治体とも圏央道周辺への企業立地を支援されていることなどから、物流の効率化を図るため、拠点の再編、既存施設の集約化や事業継続計画、その観点での事業進出など企業活動の活発化や雇用創出も期待され、経済活動の下支えになると思われます」と廣瀨氏は述べた。

 続けて「ご案内の通り、私共はこれから15年間にわたり、約8700億円の費用をかけて、大規模更新、大規模修繕の事業をやっていくわけですが、この事業につきましては3月25日付けで、国土交通大臣の方から道路整備特別措置法に基づく許可を受けまして、2015年度より事業に着手したところです。その後、当社では4月28日に、全社的にこの事業を推進することを目的として、本社の中に管理事業本部長の山内を議長とし、建設技術本部長の遠藤を副議長とする、特定更新等事業推進会議を設置したところです。本日の午前中、その第1回会議が開催されましたので、本日皆様にご紹介させていだだきます」と述べた。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏

 さらに「当社管内の高速道路における車両総重量が基準である最大25トンを2倍以上超過した大型トレーラーを運行していた悪質違反者、運転手ならびにその雇用主である法人について、高速道路機構と連名で、道路法に基づいて千葉県警に告発しました。重量超過車両の問題は、先ほどの特定更新事業にも関係いたしますが、道路の劣化に大きな影響を与えます。また、事故を起こしますと、重大な事故に繋がりやすいため、厳正に対処するものであります」と述べた。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 鹿島幹男氏

 NEXCO東日本 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 鹿島幹男氏が、2015年4月のサービスエリア、パーキングエリアの売上高について、「4月は約104億5000万円で、対前年比6.0%の減少となりました。飲食、商品販売部門におきましては、4月の前半、関東地方中心に天候不順の日が多かったこと、また、前年と比べまして、ゴールデンウィーク全般の曜日配列が、昨年は休日に中1日の平日が含まれていましたが、今年は中2日の平日が含まれていました。そういった曜日配列の影響で、売上高が伸び悩んだと考えています。また、ガソリンスタンド部門におきましては、前年と比べまして、ハイオク、レギュラー、これらの給油数量が減りましたことと、各油種とも約24円単価が低下しました。こういった状況ですので、前年の売上高を下回ったと考えています」と解説した。

上限の3倍を超える重量超過車両は1台で通常の大型車6万台に相当する影響を与える

 続いて、山内氏から道路法違反者の告発について詳しい説明が行なわれた。「道路構造物の劣化に多大な影響を与え、ひとたび事故を起こすと、重大な事故に繋がりやすい重量超過車両につきましては、関係機関と連携しながら、現在取締りの強化を図っているところです。

 国土交通省は昨年5月9日付けで、道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針を作成し、その中で悪質な違反者に対しては厳罰化していく方針を公表しました。この方針に関係する具体的な施策として、今年1月に国土交通省から車両総重量が基準の2倍以上超過している悪質違反者は、現地取締りで違反を確認した事実をもって告発を行なうという、新たな実施方針が打ち出されました。

 このたび、弊社管内の高速道路におきまして、重量が基準の2倍以上超過した悪質違反者を現地取締りにおいて確認しましたので、高速道路機構と連名で千葉県警に告発しました。弊社としましては、本件が現地取締りでの違反事実をもって告発を行なう最初の適用事案になります。当該違反者はこれまでも重量超過などの道路法違反が多く確認されまして、違反者講習会などにおいて再三にわたり改善指導を行なってきたにもかかわらず、さる4月14日、東関東自動車道において、道路法に定められた車両総重量の最高基準25トンを2倍以上超える、82トンの大型トレーラーを運行したものであります。

 総重量80トンの大型車1台が道路橋に及ぼす影響は、一般的な大型車(総重量20トン)の約6万台に相当するといわれております。通行車両全体の1%にも満たないこうした重量超過車両が、橋梁の床板を損傷させる大きな原因となっております。なお、NEXCO 3社の特定更新等の工事費に占める橋梁の床板取り替え費用の割合は約9割に達しております。そういうこともありまして、弊社では今後とも関係機関と連携を図り、重量超過型の法令違反車両に対して厳正に対処し、道路構造の保全と交通の危機防止に務めてまいりたいと思っております」と解説が行なわれた。

イベント関連の告知

 最後に、Pasar守谷(下り線)オープニングイベント、Homework's 品川シーズンテラス店のオープン、第13弾地域産品応援フェアについて鹿島氏から説明が行なわれた。

 「Pasar守谷(下り線)に関しましては、17店舗中9店が高速道路での初出店になります。東京での話題の店が中心となっておりまして、ドライブを楽しくする話題を提供できると考えております。Homework'sは、弊社グループのホームワークスが運営するグルメバーガーの草分け的存在であり、Homework's 品川シーズンテラス店で4店舗目となります。今後は、サービスエリアやパーキングエリアでの出店も目指しております。

 第13回目となります、地域産品応援フェアについては、弊社が運営いたします、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアにおきまして、高速道路の沿線地域で生産、製造、また販売されます商品、あるいは物産を積極的に取り扱って、他の地域から訪れていただくお客様に対して、販売あるいはPR推進する地域のショーウィンドウ化、これに力を入れております。こういったものの一環として今年も6月1日から一ヶ月間、サービスエリア、パーキングエリアにおきまして第13弾地域産品応援フェアを開催いたしております。今回のフェアにおきましても、総計3550点余に添付いたしました地域産品応援シールを専用台紙に貼って、ご応募いただきますと、応募枚数に応じて東日本管内の温泉旅館ペア宿泊券、東日本の名産品、サービスエリア、パーキングエリアでお使いいただけるお買い物券、これらが抽選であたるチャンスをご用意してございます」と告知された。

石井英男