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園芸博に出展する住友林業館「ひゃくの森」外観・2階デッキがお披露目。バックオフィス棟は解体・移設できる木造ユニット「キブロ(仮)」

2026年9月29日 公開
初公開した住友林業館「ひゃくの森」の外観

 住友林業は、神奈川県横浜市で開催される「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」に出展する住友林業館「ひゃくの森」の外観と2階デッキを初めて公開した。

 あわせて、2027年以降の商品化を目指す木造ユニット建築「(仮称)KIBLO/キブロ」についても説明している。

 園芸博は「国際的な園芸・造園の振興や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決等への貢献」をテーマにした国際的な博覧会で、2027年3月19日~9月26日に開催する。

 会場は神奈川県横浜市(旧上瀬谷通信施設)。旭区・瀬谷区にまたがる米軍から返還された約242haの土地は、長年にわたり土地利用が制限されてきたことから、農地や緩やかな起伏の草地など豊かな自然環境が広がっている。

出展する「ひゃくの森」を初公開

 住友林業館「ひゃくの森」については、事務局長の水野隆氏が説明した。住友林業が初めて単独出展するひゃくの森では、森林経営を起点にした同社の事業と長期ビジョン「Mission TREEING 2030」に基づいた展示を行なう。森を育て、木を使い、また森を育てる「ウッドサイクル」と呼ぶ独自のバリューチェーンによって、脱炭素社会への取り組みを紹介する。

住友林業株式会社 住友林業館「ひゃくの森」事務局長 水野隆氏
ウッドサイクルを軸とした住友林業の取り組み

 展示のコンセプトは「100EYES. 100FORESTS.」で、森の姿は見る人によって変わっていくというもの。トンネル、シアター、ミュージアム、2階デッキへと続く空間を巡りながら、森や木の多様な価値、可能性に触れる体験を提供する。

「ひゃくの森」の完成イメージ
初公開された「ひゃくの森」。外観はほぼ完成といったところ

 最初の展示である森へとつながるトンネルでは、森を守ることと木を切ることの2つの問いを投げかける。シアターやミュージアムでは、多様な生き物が息づく命の宝庫としての森、そして植林、育林を経て、人間の暮らしへと届く木の姿を紹介する。さらに、エネルギーやバイオ技術など、知の宝庫としての木が秘める未来の可能性についても伝える。最後は2階デッキに上がり、普段は見上げることしかできない木々を、鳥のような目線から見つめる体験を提供する予定だ。

展示イメージ
2階のウッドデッキ
建物中央には森をイメージした木を3本植えた
「ひゃくの森」のジオラマ模型

再利用可能で工期を短縮できる「KIBLO/キブロ」

「ひゃくの森」のバックオフィス棟にも使われている木造ユニット建築「(仮称)KIBLO/キブロ」については、中大規模木造推進部の細野通洋氏が説明した。

住友林業株式会社 中大規模木造推進部 細野通洋氏

 KIBLOは、工場製造した木造ユニットを現場で組み立て、用途終了後にはユニット単位で解体・移設して再利用する木造のサーキュラー建築モデル。

 1ユニットの寸法は、1820×5460×2850mm(幅×奥行き×高さ)、面積9.94m2で、4tトラック(制限外席再申請などを要する)で輸送できる大きさになっている。ユニットとの接合は、着脱可能な連結金物によって行なう。

KIBLOの特徴
独自に開発した技術

 説明会に使用したバックオフィス棟は18ユニット(1階:9、2階:9)を組み合わせたKIBLOで構成しており、工場で製造したユニットを現場へ搬入し、わずか3日で設置し、その後の木工事も3日間で完了していると説明した。工事期間中は現場仮設事務所として、会期中は運営事務所や来客対応スペースとして活用するとのことだ。

実際に工期を短縮できる事例として紹介
ユニットをトラックからクレーンで積み上げていく様子。最終的には1ユニットを約30分で設置することができたと説明

 開発の背景にあるのは、資源循環・脱炭素への対応と施工人材不足という2つの社会課題がある。建築物を長寿命化するだけでなく、利用後も再利用して循環させる必要性が高まっている一方、建設業では就業者の減少・高齢化、地方での施工体制維持の難しさに加え、2024年からの時間外労働の上限規制も影響をおよぼしている。これらを同時に解決する手段として開発されたのがKIBLOで、会期終了後の移設再利用を含む実証テストを通じて製品化したいと説明した。

KIBLOを開発した背景