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京セラ「matoil(マトイル)」とMIMARUホテルが旅行者の食事をサポート。アレルギー対応食を客室で食べてみた!

客室のキッチンで温め調理した「matoil」の食事

 京セラが展開する「matoil(マトイル)」は、コスモスホテルマネジメントが運営するアパートメントホテル「MIMARU(ミマル)」と連携し、食物アレルギーやグルテンフリー対応の食事を宿泊客に提供するサービスを2024年8月から実施している。

 先日「MIMARU SUITES 東京日本橋」(東京都中央区日本橋堀留町2-10-9)で、実際に「matoil」のアレルギー対応食を食べる機会が得られたのでリポートする。

人形町駅から徒歩2分の「MIMARU SUITES 東京日本橋」は2022年9月開業。ゲストの9割が外国人旅行者だという
MIMARU SUITESシリーズは、リビング・ダイニングキッチンと2つ以上の独立した寝室があるのが特徴。まるで自宅のようなプライベート空間だ

ホテル側が宿泊ゲストの代わりに食事を受け取り、食べるときは湯煎・レンジで温め簡単

実際は段ボールで届いた数食分が冷蔵庫の中に入っている

 京セラのスタートアッププログラム制度から生まれた新事業「matoil」は、食の制限がある人の“食べたい”に応える食物アレルギー対応サービスだ。

 修学旅行先の宿や習い事の合宿先に食事セットを届けたり、東京駅の冷蔵受取ロッカーを使ってお弁当を渡したりするサービスを展開中で、今年で4年目となる。

 今回体験してきたMIMARUホテルとの連携サービスは、訪日外国人旅行者の利用が多く、matoilを利用したアメリカ人旅行者が日本で宿泊したのがMIMARUホテルだったことがきっかけだったという。まずはその利用方法を紹介しよう。

 matoilの専用フォームから申込後、オンラインで打ち合わせが行なわれる(英語対応可)。matoilはそこで、どんなアレルギーがあるのか?や、避けたい食材などをヒアリングし、ゲストに合った食事をプランニングする。

 和食がいいのか洋食がいいのか、利用者の年齢や食の好み、好き嫌いなども聞き、旅程に合わせて「朝3食、昼2食、夜3食」などと食事内容を決定。なお利用者はMIMARUの宿泊予約の際に「matoil利用」と記載するとスムーズだ。

和食の1食分の一例。料理を製造しているのは東京世田谷にある工房一体型スタジオ「matoil factory」だ

 食事がMIMARUホテルへ送られる際は冷凍便での発送となる。ここでポイントとなるのが受け取りだ。本サービスはMIMARUホテルのスタッフがゲストの代わりに受け取って、客室の冷蔵庫に保管してくれるシステムとなっている。利用者は宿泊施設への事前確認や運送会社とのやり取りなどを心配することなく安心して旅行を楽しめるのだ。

「湯煎で5分温め」など調理方法が記載されている。外国人向けは英語表記

 利用者のなかには東京・大阪・京都それぞれでMIMARUホテルを利用するリピーターも少なくないそうで、その人の旅行プランに合わせて各ホテルに発送することもあるとのこと。また、1週間以上滞在するような長期滞在ゲストの場合、複数回に分けて発送することもあるそうだ。

形崩れなどもなく美味しそう

 そんなmatoilの食事は、基本的に卵、牛乳、小麦、ナッツ類が不使用で、そこにプラスしてゴマや大豆などの対応もしている。またビーガンや豚肉不使用などのハラールフレンドリー対応も可能だ。

キッチンのIHコンロを使って湯煎
ごはんは電子レンジでチン
卵、牛乳、小麦、ナッツ類が不使用なので、例えば鶏つくねのつなぎには、卵や小麦粉などは使われていない

 ということで、いざ実食! 正直なところ、アレルギー対応の食事ってどうなの? パサパサしていたりしない? という先入観があったのだが、まったくそんなことはなく、想像していた以上に美味しかった。アレルギーがなくてもほかのメニューも食べたくなるクオリティだ。聞くところによるとピザやパスタなどの洋食メニューも人気とのこと。

 ホテルに備わっている食器類もセンスがいいので料理が一層おいしく感じられる。皆で食事が楽しめる大きなダイニングテーブルがあるのもいい。キッチン付きのアパートメントホテルならではの利点とうまくマッチしたサービスだと感じた。

ちゃんとした和食を食べた感のある満足度の高い1食。ごはんも「matoil factory」で炊いているそうだ

 食物アレルギーのある人が旅行をするには事前の準備がある程度必要だ。特に長期旅行の場合、慣れない旅先での原因食物の誤食、アレルギー発症、医療機関へのアクセスなどさまざまなリスクが伴う。そのため食に制限がある人の場合、旅先でも自分で料理を作ることが多く、MIMARUのようなキッチン付きのアパートメントホテルをチョイスする人が多いという。

“食事のハードルを下げることなく、誰もがいつでもどこでも自由に食事を楽しんでもらいたいーーー。両社のそんな思いが詰まった本サービスは、東京・大阪・京都で展開するMIMARUホテル全27施設が対象となっている。

中長期滞在に適した「MIMARU SUITES 東京日本橋」

 それでは最後に、内覧してきた客室を紹介しよう。「MIMARU SUITES 東京日本橋」は全36室すべてが2ベッドルーム以上となっていて、57~59m2とゆったり広い客室が特徴だ。キッチン、リビング・ダイニング付きなので“暮らすように”滞在することができる。

 たとえば57m2の2ベッドルームスイートは、シングルベッドが4台あり、大人4名・子供2名で泊まることも可能。ちなみに、ホテル名の「MIMARU」は“みんなで、泊まる”からきているそうだ。また、1室あたりの料金設定なのでグループや家族での滞在向きだ。個人的にはお泊り女子会などに使ってみたいと感じた。

写真は57m2の2ベッドルームスイートで、大人4名・子供2名で泊まることも可能。シングルベッドが4台ある
ゆったり使えるダイニングテーブル
キッチンには冷蔵庫や電子レンジのほか、食器や調理器具が揃っている
食器やカトラリーなどは自宅以上の充実度かも
独立した洗面台&バスルーム
フロントには世界中の国々から集まった日本が大好きなスタッフ
フロント奥には宿泊者以外も利用できるスペシャルティーコーヒースタンド「PASSAGE COFFEE NIHOMBASHI」
食器や本、アートなどを自由にピックアップして客室に持っていき、使うことができるサービスも
外国人旅行者に喜ばれそうな和のテイストをふんだんに取り入れている共用エリア
空室・料金チェック