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たぶん世界初、機内のガチャ実機を回して最大1万円分のバウチャーが当たる! エアージャパンの夏イベント乗ってみた

2025年7月25日~8月31日 実施
エアージャパンが2025年の「空の上の夏祭り」実施

 エアージャパンは、夏の多客期の機内イベントとして「夏の思い出を機内でキャッチ! AirJapanガチャ」を開始した。期間は7月25日~8月31日。

 同社の成田~バンコク線(NQ01便)とシンガポール線(NQ03便)において、機内販売メニューから2000円以上購入した人を対象に、景品の入ったガチャを回せるという取り組み(事前購入を除く)で、特賞は次回以降のバンコク/シンガポール線のフライトで利用できる1万円分のバウチャー(期間中2名)、参加賞としてオリジナルのフライトタグ(4種)とステッカー(3種)がランダムで当たる。

 この「ガチャを回せる」というのは、Webブラウザとかアプリとか概念上の話ではなく、機内に搭載したカプセルトイ自販機の実機を本当に自分で回してカプセルを排出するというもので、こんな大胆なアイディアはおそらく世界初。今回、その初便のシンガポール線(NQ03便)に搭乗して、機内イベントの様子を取材してきた。

 なお、それぞれ現地発(NQ02/NQ04便)は深夜便のため、成田~仁川線(NQ121/122便)はフライトが短いため、ガチャイベントは実施しない。

機内に搭載したガチャ実機。カプセルトイ自販機を飛行機に搭載してイベントに活用するというのは、おそらく世界初の取り組みだ
手前のフライトタグとステッカーが参加賞
フライトタグは就航地とブランドコンセプトを刺繍したオリジナル品(計4種)
ガチャ実機を機内カートに収めるために本体を加工するなど、想定外のハードルもあったという

 エアージャパンは2024年2月のバンコク線を皮切りに営業運航を開始、2024年夏には機内食や機内販売品の当たる抽選会、インスタントカメラによる撮影会など「空の上の夏祭り」を実施しており、好評を得たことから今夏も実施が決まったという。イベント自体はがらりと内容を変えているが、日本からの利用者だけでなく、訪日外国人旅行者にも「日本の夏を感じてもらう」という主旨は変わらない。

 今回のイベントを企画した客室部の乗附朋美さんは、自身も国際線乗務を行なうなかで、単なるギブアウェイではなく一緒に楽しむことができるという点で、日本のおもちゃ文化として外国人にもよく知られている「ガチャ」に着目。日本を離れる際の最後の思い出に「機内でガチャを回してもらう」というアイディアが生まれた。

2025年の「空の上の夏祭り」初便に搭乗した客室乗務員の皆さん
イベントを企画した株式会社エアージャパン 客室部 乗附朋美さん

 とはいえ前例のない取り組みのため、ガチャ実機をどのように搭載するかは試行錯誤があったそうで、ドリンクなどの提供でよく目にするカートにすっぽり収まるサイズのガチャ本体を取り寄せてみたところ、側面の透明アクリルパネルが膨らんだ形状のため収納できず、元整備部のスタッフが改良を加えて、なんとか収めることができたという。

 本体に入れる景品についても、1か月強のイベント期間に対応するため数千個のカプセルを人力で詰める必要があり、大変な作業量になったのだとか。また、機内では法被を着たスタッフが機体前方から後方に向かってガチャ本体を披露しながら移動するのだが、機体の不意な揺れでガチャが倒れないようにドロワー(引き出し型トレイ)を使ったり、機体後方のイベント実施中はやはり揺れ対策として耐震マットを重ねて使ったりと、さまざまな工夫を凝らしていた。

 参加賞のフライトタグは同社の就航地(バンコク、仁川、シンガポール)とブランドコンセプトの「Fly Thoughtful」を刺繍したもの、ステッカーは同社の機材(ボーイング 787-8)と人気の機内食(寿司ものがたり、デコ弁)をデザインしたもので、特にフライトタグは人気を集めそうな凝った作り。乗附さんは、「スタッフから景品に日本ならではのものを入れたいという意見もありましたが、この小さなカプセルのなかに、私たちエアージャパンの想いをどれだけ詰めることができるかという点に注力しました」と語っている。

出発を待つボーイング 787-8型機(登録記号:JA801A)
成田~シンガポール線(NQ03便)は定刻17時40分
機内はすべてエコノミークラス(全324席)
景品ステッカーの題材にもなっている人気の機内食(寿司ものがたり、デコ弁)
寿司ものがたりは一口サイズの手鞠寿司と本格的な握りを組み合わせたもの。握りはしっかりワサビが入っていて、上から醤油を数滴垂らしていただく
デコ弁は子供が好きそうなメニューを詰め合わせた
事前販売分の機内食の提供が終わるとカートに乗ってガチャ実機が登場
ミニ提灯などでにぎやかになった
イベント第1号の利用者がガチャに挑戦。NQ03便の目的地、シンガポールを刺繍したフライトタグを引き当てていた