ニュース

岐阜バス観光、和のテイストを取り入れた3列全23席の新型観光バス「エンペラー」内覧会

11月1日運行開始。三菱ふそうのエアロクィーンに初採用シートの組み合わせ

2015年10月26日 公開

2015年11月1日 運行開始

新型デラックスバス「エンペラー」と岐阜バス観光スタッフ

 岐阜バス観光は10月26日、11月1日より運行を開始する新型デラックスバス「エンペラー(Emperor)」の内覧会を実施した。同社の大型バスではもっとも少ない23席仕様とすることで座席空間に余裕を持たせたほか、内装に和のテイストを取り入れることで上質な大人の旅を望む人向けの旅行商品を提供していく。

 エンペラーの車両は三菱ふそうトラック・バスの大型ハイデッカーバス「エアロクィーン」。全長11m99cm、全幅2m49cm、全高3m52cmのボディに、「MDAS-III」(注意力安全モニター)や「AMB」(衝突被害軽減ブレーキ)、車間距離や車線逸脱に対する警報装置といった予防安全機能を搭載。三菱ふそうが2015年7月に発表した、2015年8月1日から基準適合が義務づけられた車線逸脱警報装置の保安基準に適合するモデルとなる。

 岐阜バス観光が運行を開始するエンペラーは、内外装に和のテイストを取り入れ上品な雰囲気を持たせたもの。側面と背面、そしてサイドミラーにも「Emperor」のロゴをあしらった。内装は季節に合わせて装いを変えるとしており、LED式の方向幕でも、「岐阜バス」のロゴの前に描かれる植物を季節に合わせて変えるというこだわりだ。

 なお、ハイデッカーバスではあるが、長距離路線バスなどではなく観光ツアーや貸し切りツアーなどで用いることを想定しているので、階下の乗務員室などはなく、すべてトランクスペースとなっている。

エンペラーの前面。グリル部の方向幕の下にある黒いエリアは障害物検知用のセンサー。ナンバープレートはセンサーを避けるように取り付けられている
背面
側面
運転席
前部にMDAS-III用のカメラが取り付けられている
側面から背面にかけてのデザイン。漆を感じさせる和の色合いに、筆記体で書かれた「Emperor」のロゴが融合し、高級感が漂う
サイドミラー。この前面側にもEmperorロゴが入っている
下部はトランクスペースとなっている
前方の方向幕には、季節を感じさせる植物のマークを表示できる
乗降口も木目パネルを使っている

標準仕様45席のボディに3列・23席のゆったりシート

座席は2-1の横3席のレイアウト。奥に向かって8列あり、最後方の1席が省かれて計23席の仕様となっている

 エンペラーのシートは、横3席、縦8席(最後列のみ横2席)の23席仕様。エアロクィーンは横4席×縦11席(最後列のみ中央席を足して横5席)を標準仕様としており、そのほぼ半分の席数に抑えることで1席あたりの空間を広げている。

 各座席はアームレスト、レッグレスト、フットレスト(最前列のみ非装備)が備わっており、ヘッドレストの上下調整も可能。シートのデザインにハマっているプッシュロック式のドリンクホルダーや小物置き場も各シートに設置。また、全座席に5V/2A出力のUSB充電ポートも備える。

 昨今の夜行バスほどではないが、かなりの角度までリクライニングできるのはバスの座席らしいところで、(後方座席の人への配慮は必要だが)リラックスした姿勢をとれそうだ。

 また、車内は季節に応じて雰囲気を変えるという。今回の内覧会は10月開催ということで「秋」をイメージした、黄色地にもみじをあしらったヘッドレストカバーやカーテンを取り付けている。これらを取り替えることで、車内を季節感を出すという。

ゆったりしたスペースの座席。実際に座ってみたが、シート幅が広い一方で体のホールド感がほどよく座り心地がよかった
こちらは1列席のシート。シート設計や装備は同じ
デザインに溶け込んでいる木目の部分がプッシュロック式のドリンクホルダー
2列席のドリンクホルダー
1列席のドリンクホルダー
アームレストの下に小物入れを装備。1席側も同様に備える
シートリクライニングを倒し、レッグレストを起こした状態。フラットとまではいかないが、かなりリラックスした姿勢をとれる
リクライニングを倒した時の後方座席へのせり出し具合
ヘッドレストは位置を調整可能
2列目以降の席にはフットレストを備える
2列席の窓側シートには持ち上げ可能な左腕用アームレストを備える
全座席に5V/2A出力のUSB充電ポートを装備
屋内照明は和紙をイメージしたカバーで柔らかい光を演出
読書灯とエアコンの吹き出し口
オーバーヘッドコンパートメント

 さらに、エンペラーの最後部には「パウダールーム」を備えるのも特徴となっている。言ってみれば“トイレ”なのだが、広い洗面台スペースを持っており、パウダールーム(化粧室)の表現の方がしっくりくるレイアウトになっている。

 便座もエンペラーデザインになっており、便ふたにEmperorロゴと車体と同様の模様がプリントされているほか、内部は黒い御影石のようなデザインでインパクトがある。さらに、いわゆる“音消し”をできる擬音装置や、便座クリーナーなども備わっている。

車内最後部の「パウダールーム」
車幅を活かした広い洗面台
洗面台の奥には和風を演出する丸行灯
擬音装置や便座クリーナーも備えるエンペラーデザインのトイレ

エンペラーを使用した上質バスツアー「きわみ」も販売

 岐阜バス観光では、自社販売のバスツアー「ながら会ツアー」で、エンペラーを使って一人ひとりの時間を大切にして、ゆったりとくつろいで美食や美景を楽しむプレミアムバスツアー「きわみ」を発売する。同社では月の20日間程度を自社ツアー、残りの日に貸し切りツアーなどでエンペラーを運用したい考え。

 きわみは、日程にもゆとりを持たせ、宿での滞在や観光地をのんびりと巡る、シニア層に向いたツアーとなっているのが特徴のツアー。2015年度11月~3月期には、日帰りから3泊10食まで12プランを販売している。いずれも出発地は岐阜市または関市で、最少催行人員は10名。

 ガイドは同行せず、車内にアテンダント(添乗員)が1名随行するのみ。車内ではブランケットやスリッパ、ドリンク、おしぼり、雑誌などが提供されるほか、晴雨兼用の傘の貸し出しも行なう。

「きわみ」ツアーの車内ではブランケットやスリッパを利用可能
車内で提供されるドリンクメニュー
貸し出しされる晴雨兼用の傘にもEmperorロゴ入り
●久能山東照宮拝観 駿河湾に浮かぶ無人島 淡島ホテル
(静岡県、1泊4食)
旅行代金(1名):
7万7500円(1室2~3名利用)
出発日:
11月18日、12月1日/10日、1月12日/21日、2月1日/14日、3月6日/15日
●新選組発祥の地 金戒光明寺 特別拝観と天橋立温泉 文殊荘
(京都府、1泊4食)
旅行代金(1名):
5万9000円(1室5名利用)~6万2000円(1室2名利用)
出発日:
11月23日、12月8日/16日
●豊川稲荷初詣で 至福のひととき 葛城 北の丸
(静岡県、1泊4食)
旅行代金(1名):
5万8000円(1室2~3名利用)
出発日:
1月16日(※)、2月21日、3月13日(※)
※印出発日は3000円増
●いにしえの宿『伊久』に泊まって のんびり伊勢両参り
(三重県、1泊4食)
旅行代金(1名):
5万円(1室5名利用)~5万7000円(1室2名利用)
出発日:
1月19日/27日、2月3日/16日、3月2日/10日
●山陰山陽ハイライト4日間 宮島・萩・松江
(山陰・山陽、3泊10食)
旅行代金(1名):
11万円(1室5名利用)~11万9000円(1室2名利用)
出発日:
12月22日、1月23日(※)、2月8日、3月25日
※印出発日は7000円増
●越前『はまゆう 松石庵』で食す 黄色のタグ付き・越前がにづくし会席
(福井県、日帰り)
旅行代金(1名):
2万8000円
出発日:
11月11日/27日、12月3日/13日、1月18日/31日、2月7日/18日、3月4日/9日
●日本最古の天満宮 生身天満宮 京丹波 焼松茸会席
(京都府、日帰り)
旅行代金(1名):
2万1000円
出発日:
11月20日
●世界凧博物館と れすとらん100年民家『黒釜』で食す近江牛
(滋賀県、日帰り)
旅行代金(1名):
1万7500円
出発日:
11月12日/29日、12月6日/12日
●飛騨の山の幸・日本海から届く海の幸を使った創作 京風懐石 料亭旅館 八ツ三館
(岐阜県、日帰り)
旅行代金(1名):
2万1500円
出発日:
11月6日/17日/25日、12月4日/15日
●遠州随一の紅葉スポット 小國神社参拝 ホテル九重 浜名湖会席
(静岡県、日帰り)
旅行代金(1名):
2万2000円
出発日:
11月26日/30日、12月7日/14日
●伊勢神宮初詣で 旅荘 海の蝶にて 伊勢海老 あわび 豪華食材の会席料理
(三重県、日帰り)
旅行代金(1名):
2万3000円
出発日:
1月14日/30日、2月6日/13日、3月5日/12日
●湖国を彩る新春の風物詩『長浜の盆梅展』 ふじ石亭で食す日本料理の『美』
(滋賀県、日帰り)
旅行代金(1名):
1万9000円
出発日:
1月15日/29日、2月5日/12日、3月1日/8日

(編集部:多和田新也)