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ニューカレドニア観光局が2015年の新プロモーション
日本語を勉強する若者も多い「ハートの絆」
(2015/4/20 00:00)
- 2015年4月16日 実施
ニューカレドニア観光局は4月16日、東京都内にて、2015年新観光プロモーションのプレス発表会を行なった。ニューカレドニア観光局関連機関の関係者が来日し、その経緯や概要を説明するとともに、観光親善大使に女優の田丸麻紀さんと俳優の賀来賢人さんを任命。その任命式も行なわれた。
ニューカレドニアと日本には古くからの強いつながり「ハートの絆」がある
来日したニューカレドニア観光局関連機関の代表として、ニューカレドニア観光局本局局長のジャン-ミシェル・フートラン氏が登壇し、今回の新プロモーション展開を行なう経緯や意図を説明した。
フートラン氏は、ニューカレドニアは観光開発において大きな発展をしている最中であるとし、日本からの直行便を提供しているエアカラン(Aircalin、エア・カレドニア・インターナショナル)の増便、有名チェーンホテルやリゾート施設のオープンなどをその背景として挙げた。
そして、ニューカレドニアでは日本を優先度の高いマーケットと位置付けており、このプロモーションを通じてニューカレドニアのクリアなイメージを与え、より多くの日本人観光客を迎え入れたいと語った。
また、19世紀の移民以来、日本とニューカレドニアには、強いつながりがあることを紹介し、「ハートの絆」があると力説。ニューカレドニアには日本人観光客を満足させる強みが集まっており、成功できると自信を見せた。
関連機関関係者のコメントに続いて、ニューカレドニア観光局日本局局長の白石博英氏も登壇し、ニューカレドニアには40年前から日本から直行便が出ていることや、50円玉や100円玉にニューカレドニアの鉱山から採れるニッケルが使われていることなど、改めてニューカレドニアと日本との強いつながりを強調。今回のプロモーションを機会に、新しい顔のニューカレドニア、今までとは違った切り口を紹介したいと、意気込みを語った。
日本から直行便で約8時間半、南太平洋にあるフランス領の美しい島々
プロモーションの紹介に先立ち、ニューカレドニアの基本情報、および旅行滞在先としての魅力が紹介された。日本から直行便で約8時間半で行けるアクセスのよさ、時差の小ささ(2時間)、治安のよさ、美しい自然、南太平洋(メラネシア)にあるフランス領ならではの独特の文化、各都市で楽しめるアクティビティ(マリンスポーツ、ゴルフなど)などが紹介された。
観光親善大使に田丸麻紀さん、賀来賢人さんを任命
続いては、2015年の新プロモーションの具体的な内容が紹介された。日本人渡航者数は、2014年は1万9087人で、前年比で21.8%の伸びを見せたが、2015年にはさらに増加を期待し、2万4000人突破を目指すという。
プロモーション施策としては、オフィシャルムービーやガイドブックによる魅力の周知、「GUACAMOLE」ブランドとのコラボレーションにより、2015年限定水着の発売、体験型イベントなどを企画しているという。
そして、観光親善大使の任命式が行なわれた。大使には、女優の田丸麻紀さん、俳優の賀来賢人さんが任命され、それぞれ「RELAX(リラックス)」「ACTIVE(アクティブ)」という異なるテーマで、ニューカレドニアの魅力を伝えていくことが期待されている。
ニューカレドニア観光局関係者グループインタビュー
――新しいプロモーションの経緯を改めてお願いします
フートラン氏:ニューカレドニアの観光産業が発展段階を迎えています。エアカランの増便、ヒルトン、シェラトンといったメジャーホテルのオープンに加えて、北部州のホテルもリノベーションを進めています。
こうした中でより多くの日本人観光客を誘致するため、PRの仕方を向上させる必要があると考えました。日本市場を非常にプライオリティが高いマーケットとして認識しておりまして、今後5年で年間5万人の日本人観光客が来ていただけることを目標にしています。
――日本をプライオリティの高いマーケットと位置付けている理由を教えてください
フートラン氏:我々には日本人のみなさんをおもてなしする経験とノウハウがあります。19世紀に日本からニューカレドニアに移住して2013年に120周年を迎え、現在もおよそ8000人ほどの日系人がいます。日本からの直行便が開通して40年という歴史があるという古い絆があります。
ニューカレドニアの人は、日本人に対して好意的で、25万人の人口のうち、2000人の若者が日本語を勉強しようとしていると聞いています。会見でも申し上げました「ハートの絆」という言葉は、単なるスローガンではなく、心からもっと来てほしいという気持ちの表れです。
――2014年に前年比で21.8%日本からの観光客が増えたそうですが、その理由をどうみていますか?
白石氏:フライトの増便に加えて、TVの露出を増やしたことも効果があったと思います。また、シェラトン(シェラトン・ニューカレドニア デヴァリゾート&スパ)のオープンも要因ではないかと思います。
――日本人観光客は観光客全体としてどのくらいなのでしょうか?
フートラン氏:全体の観光客は約10万人です。日本人観光客はその20%弱(2014年約1万9087人)です。5年後にはこの割合を33%ほどに伸ばしたいと考えております。
ネチェロ氏:付け加えますと、現在、日本の方が訪れるニューカレドニアの地域は、ヌメア、イル・デ・パンまでが中心です。我々としては、南部州の他の地域や北部州、ロイヤリティ諸島など、ニューカレドニア全体を楽しんでもらえるようにしていきたいという希望を持っています。人数を増やすということと同時に、多様化も進めていきたいと考えています。
リアイ氏:今回、2人の観光親善大使を起用させていただいた狙いもそこにあります。田丸さんには、「リラックス」というテーマで、ビーチや買い物を楽しんでいただける魅力を、賀来さんには「アクティブ」というテーマでマリンスポーツや大自然の魅力が楽しめる魅力を伝えていただきたいと、お願いしています。ニューカレドニアにはいろんな側面があり、いろんなことが体験できるということを知っていただきたいと考えています。
――日本以外からはどのような国からの観光客が多いのでしょうか?
フートラン氏:日本、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国がメインです。このうち、オーストラリアとニュージーランドに関しては、2014年に新しいPRをしていて、その成果が出ているところです。ニューカレドニアから地理的に近い両国(約2時間半)ですが、シドニーとヌメア間に加えて、メルボルンとヌメア間のフライトが新たに就航したこともあり、観光客が伸びています。
白石氏:フランスにつきましては、他のマーケットとは客層が少し異なっています。日本からのお客様は95%がホテルに泊まっていただけますが、フランスからの方はニューカレドニアに家族や友人がいて、その家に泊まられる方が多いのです。もちろんフランスからのお客様も大事にしていますが、経済的な影響は少し異なります。
――多様化ということですが、ヌメアから他の地域へ行くにはどういう交通手段がありますか?
アジャプヤ氏:それぞれの地域に空港があり、航空便が整備されています。ヌメアからロイヤリティ諸島までは40分ほどで着きます。
ワヌー氏:船はさまざまな島を巡航する形で便が出ていまして、ヌメアからロイヤリティ諸島までは3時間ほどかかります。
リアイ氏:北部州にも空港がありますが、現地での交通手段が発達していませんので、ヌメアで観光ガイドとレンタカーを手配して、レンタカーで観光されることをお勧めします。
――プロモーション施策の中で「海だけでない自然の豊かさとアクティビティ」というものがありました。具体的な内容を教えていただけますか?
フートラン氏:ニューカレドニアの本島には南北を貫く山脈があります。ビーチだけでなく、山の魅力、乗馬やハイキングなど山で楽しめるアクティビティもアピールしていきたいという意図があります。ニューカレドニアには、毒蛇など危険な動物がいませんし、病院などのインフラ設備も整っていますので、安全に自然の中を散策していだけます。
リアイ氏:生物多様性という点でも見所があります。70%の植物はニューカレドニアにしかないとされています。1億3000万年前から存在するとされ、すべての花の祖先といわれている「アムボレア」という珍しい植物なども見ることができます。
【お詫びと訂正】記事初出時、人物名の表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。