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NEXCO東日本、3月度定例会見で総額3兆円規模の更新事業の開始を発表

常磐道の全線開業効果や「Pasar守谷(下り)」のオープンを発表

2015年4月2日開催

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は4月2日、3月度の定例記者会見を開催。2015年3月の営業概要の説明と、道路更新事業に関する発表、「Pasar守谷(下り)」オープンに関して発表が行なわれた。

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 廣瀨博氏

 冒頭にNEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏より、更新事業の許可を国土交通大臣より受けたこと、3月1日に開通した常磐道 常磐富岡IC(インターチェンジ)~浪江ICの交通状況について、4月1日に行なわれた同社の入社式についての話題が述べられ、同氏は「2015年3月25日付けで国土交通大臣より道路整備特別措置法に基づいて、大規模更新工事の事業認可を受けたことにより、更新計画を発表しました。更新事業について高速道路ネットワークを永続的に活用することを目指し、高速道路本体の構造物について大規模更新と修繕の検討を約2年間に渡り、外部の有識者も入りつつ計画の検討を行なってきました。いよいよ、これから事業に着手していくことになります。事業の進め方を具体的に検討するとともに、必要な技術の開発や体制の強化、関係機関との連携を図っていきます。特にドライバーの皆様には交通規制などでご迷惑をお掛けいたしますが、ご協力をお願いいたします。また、高速道路の劣化に最も影響を与えているのが、重量超過などの違反車両です。これに対しては関係機関や高速道路会社間の連携をしつつ、実効力のある取締を実施いたします。

 3月1日に常磐道 常磐富岡IC~浪江ICが開通し、おかげさまで常磐道は全線開通となりました。開通1週間後の同区間の交通動向は、1週目が7700台/日、2週目は8400台/日、1週目が8700台/日となっており、交通量は順調に増加傾向にあります。3月11日に東北道の郡山付近で雪による通行止めが発生した際には、常磐道へ迂回がみられ高速道路のダブルネットワーク効果がさっそく発揮されていました。また、4月1日より、福島県相馬市から東京都内までの常磐道を利用した高速バスも運行が開始されています。交通後の動向に関しては、改め分析をして発表する予定です。この全通が福島県の復興に少しでも寄与できればと思います。

 4月1日平成27年度の新入社員の入社式を行いました。入社したのは、男性46名、女性17名の計63名です。これは民営化以降で最大の数字です。また、女性の採用数も最も多くなりました。設備の老朽化更新の対応を考え、人員の確保が重要であり、女性の活躍の場を増やすという観点からこの人数となりました。職種ごとには事務系が23名、土木系が30名、施設系が10名です。本年は民営化後10周年であり、当社の3つの社会的使命を訓示いたしました。1つ目は『安全、安心、快適、便利な高速道路サービスをお届けする』、2つ目は『元気な地域社会づくりに貢献すること』、3つ目は『緊急時、災害時には命の道としてしっかりとお役に立つこと』です。また、業務遂行で大切な心構えとして『困難に直面してもひるむこと無く果敢に挑戦』『仕事で悩んだときは早めに上司や同僚に相談』『お客様との関係、上司や友人との関係、そして社外の人すべてとの関係は信頼関係が最も大切である』と申しました。彼ら63名はこれから2カ月間のOJT(On the Job Training)研修ののちに現場に配属される予定です」と述べた。

 なお、廣瀨氏の談話に出てきた更新事業は、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社が許可を受けたもので、事業規模は3社で総額3兆64億円、事業期間は2015年より15年を見込む。併せて本事業に必要な財源を確保するために、料金の徴収期間を10年延長し、2060年6月までとなった。

NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本が予定している更新事業の一覧
東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏

 2月の通行台数、料金収入の速報値は、通行台数が1日平均258万台(対前年比8.6%増)で、料金収入が542億8000万円(同31.8%増)となった。通行台数の要因として、NEXCO東日本 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏より「2014年の同時期は、関東甲信エリアで大雪が降り、その影響で通行台数が大幅に減少したが、今年は雪の影響が少なったため、通行台数は前年を上回りました。料金収入については、4月の料金制度の見直しによる影響と通行台数の増加で大幅に料金収入が増加しました」と述べた。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 鹿島幹男氏

 また、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高は82億5000万円(対前年比5.9%増)。分野別では飲食・商品販売が約60億2000万円となって対前年比15.9%の増加、ガソリンスタンド部門は約22億4000万円で同14.2%の減少となっている。この要因としてNEXCO東日本 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 鹿島幹男氏は「今年は通行台数が増加したが、これと連動するように商品の売り上げが増加しました。一方、ガソリンスタンドに関しては、給油の数量は増えたものの、各油種が22円程度単価が低下したため、前年の売上高を下回りました。また、7月1日に『Pasar守谷(下り)』がオープンします。(NEXCO東日本、常磐道 守谷SAに道ナカ商業施設「Pasar守谷(下り)」を7月1日オープンhttp://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150402_696022.htmlを参照)話題な店舗やその場でしか味わえないグルメを取り揃えました。当社のSA、PAのフラッグシップという位置づけです」と述べた。

編集部:柴田 進