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JAL、世界一のエアラインを目指すと誓う2015年度グループ入社式を開催

2015年4月1日開催

入社式の最後には植木社長を先頭に記念撮影が行われた

 JAL(日本航空)および、そのグループ企業は、羽田空港において、グループ企業一体で行うJALグループ入社式を行なった。

 グループ企業全社で1160名の新入社員を迎えるということもあり、入社式の会場は同社が羽田空港に設けている整備ハンガーとなっていた。整備中と思われるボーイング777の真横という航空会社らしいロケーションで行なわれ、日本航空 代表取締役社長 植木義晴氏による訓示、新入社員代表による宣誓、日本航空 客室乗務員 有志により構成されているチアダンスチーム“JAL JETS”によるパフォーマンス、さらには全新入社員による折り紙飛行機の離陸セレモニーなどが行なわれた。

世界一お客様に愛され、世界一お客様に選んでもらえる航空会社になるのが日本航空の夢

 冒頭で挨拶に立ったのは、JALグループの中核企業となる日本航空 代表取締役社長 植木義晴氏。植木氏は、グループ全体で1160名にもなる新入社員を前にして訓示を述べた。

日本航空株式会社 代表取締役社長 植木義晴氏による訓示が行われた

「1000名を超える新入社員の皆さんにお集まりいただき、JALグループの入社式を迎えられることを嬉しく思っている。そしてこんなに多くの皆さんにJALグループを就職先として選んでいただいたことを心より感謝を申し上げる。みなさんもご存じのように、日本航空は5年前に経営破綻を経験した。多くの関係者の皆様にご支援を頂き、そして何よりもご利用していただいたお客様に支えられて、再建の道を歩んできた。

 その後全社員一丸となって大きな変革を成し遂げてきたため、現在のJALグループは、経営破綻前のそれとはまったく違った、別の会社に生まれ変わっている。社員一人一人が自らその意識を変革し、それ以前に会社にあった常識や風土は一新された。今日これだけ多くの新入社員の皆様を迎えて、私も自信をもって言えるのは、決して皆様に後悔をさせない、皆さんとともに素晴らしい会社を作っていく土台は、確実にできあがったと申し上げたい。

 現在航空業界は大競争時代に入っている。オープンスカイというものがあり、外国の航空会社がどんどん参入し、日本国内でもLCCが4社既に立ち上がっており、さらに新幹線網も拡充していっている。JALグループは非常に厳しい競争環境にさらされている現状だ。この厳しい競争に打ち勝ち、生き残っていくためには、他の会社にはないJAL独自の差別化要素がなければならない。ここ数年国際線ではスカイスイート 国内線ではスカイネクストや機内インターネット等、最新の商品を次々と投入し、その充実を図ってきてはいる。しかし、現在JALグループが持つ最大の差別化要素は、人材力だと私は思っている。今日お集まりの皆さんをはじめ、社員の皆さんがまさしく今のJALグループの最大の財産で、そして私の誇りだ。

 私が日本航空の社長だが、私もまた多くの素晴らしい仲間、社員に支えられて経営をしている、そう実感する日々だ。今、我々には世界一の航空会社になるという夢がある。世界一お客様に選ばれ、そして世界一愛される航空会社になるためには、全員一丸となって日々努力を重ねていく必要がある。現場の社員の皆さんは自ら考え、判断をし、お客様第一に行動してくれるようになっている。それだけでなく、当事者意識を持ち、渦の中心となり率先実行することを覚えてくれている。そんな皆さんの先輩社員、そして皆さんと、我々経営陣が一体となって世界一となる夢を実現していきたい。

 そのためにも皆さんにお願いしたいのは、新しいことに挑戦する勇気をもってもらいたいということ、私は社長として、その先頭に立つことをお約束して、今日の皆様へのお祝いの言葉とさせて頂く。本日の入社、本当におめでとう、そして社員一同を代表してありがとう」

 植木氏の訓示の後、ステージ上に並んだJALグループ30社の社長の紹介と挨拶が行われた。その後、新入社員代表からの宣誓。新入社員の代表として選ばれたのは日本航空 業務企画職 恩田一巌氏で、宣誓を行った。

新入社員代表となる日本航空株式会社 業務企画職 恩田一巌氏による宣誓が行われた

「本日は私たち新入社員のためにこのように盛大な入社式を開催していただき感謝している。あこがれていた諸先輩方と仕事ができることを嬉しく思っている。

 JALグループの一員として、胸に刻むべき過去をしっかり受け止めた上で、今もなお世界中の空で鶴丸を冠した飛行機が運航していることに感謝し、どんなにつらい状況の中でもJALグループを愛し、これまでずっと支えてくださったお客様のおかげであるということをあらためて強くかみしめている。新生JALグループの一員となることに、情熱と喜び、誇りを胸に自分達がこれからのJALを作り挙げていくという大きな志を抱き、一つ一つの業務に対して謙虚に、素直な心で取り組んでいきたい。

 新生JALが掲げた、世界で一番愛され、選ばれる航空会社になるという高い目標を目指すに当たって、私たちの目の前に平坦な道はない。お客様目線を貫き、挑戦者として邁進することで、私たちの道は必ず開ける。そして一人一人がJALであるという自覚の元、成功するまで諦めないという強い信念を持ち、一人でも多くのお客様に笑顔をもって最高のサービスを提供するという私たちの使命を全身全霊で全うする。

 本日の入社式に集まった、JALグループ全30社、総勢1160名の仲間を前にし、改めてJALグループの翼を支える様々な職種の社員がいることを実感している。ここに集う仲間は私たちだけでなく、JALグループにとっても大きな財産。そのようなかけがえのない仲間と共に安全運行を堅持して力を合わせ、新生JALグループが目指す、世界一お客様に選ばれ、愛される航空会社になるという目標のため、不屈不倒を誓い、宣誓の言葉にかえたい」

JALの客室乗務員の有志で構成されたチアダンスチーム“JAL JETS”による演技

 恩田氏の宣誓後、JALの客室乗務員の有志で構成されたチアダンスチーム“JAL JETS”による新入社員を歓迎する演技が行なわれ、その後新入社員全員が自分のメッセージを記した折り紙飛行機を飛ばし、その飛ばれた折り紙飛行機を他の社員が拾って交流するというイベント兼セレモニーが行われてJALの入社式は終了した。

入社式の前には司会進行役からリラックするように声がかけられ、屈伸運動が行なわれた
ボーイング777の真横で入社式
日本航空の植木社長とグループ各社の社長が登壇して、入社式がスタート
全部で30社にもなるというグループ会社各社の社長が一人一人挨拶。南方だけをベースにするグループ企業などもあり、その新入社員も羽田に集結というのだから、なかなか大変だ
新入社員それぞれが自分のメッセージを書き込んだ折り紙飛行機を持ち……
グループ企業各社の代表の呼びかけにより一斉に飛ばすリハーサルを行った後……
各々が折り紙飛行機を空に向け、全員が声を合わせて“Take off(離陸)”のかけ声で飛行機を飛ばした
地面に着地した紙飛行機は元々の持ち主とは違う社員がそれぞれ取り合い、交流するという企画の1つとして行われた
入社式終了後には、グループ企業の社員がそれぞれ集まって入社辞令の交付などが引き続き行われた
こちらは今年入社した日本航空の客室乗務員。次に飛行機に乗るときにどこかで会えるかも?
新入社員の代表の囲み取材も行われた
日本航空の植木社長とがっちり握手を交わしているのは日本航空の運航乗務員職訓練生の櫻田麻由氏。運航乗務員職訓練生とは、自社養成のパイロット候補生のことで、これから訓練を受けてパイロットを目指す。女性のパイロットも徐々にあたり前となりつつある。いつか、どこかで彼女が操縦する飛行機に乗ることになるかも?
会場となった羽田空港のJAL整備ハンガー。整備中と思われるボーイング777(JA704J)が駐機している横に椅子とステージを設置して入社式が行なわれた

【お詫びと訂正】記事初出時、運航乗務員職訓練生 櫻田氏の名前に誤りがありました。お詫びして訂正します。

笠原一輝