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昭和レトロな若桜鉄道、デジタルスタンプラリーで魅力倍増
Hayabusaライダーの聖地から4代目「隼ラッピング列車」が出発
2025年3月17日 15:26
カシオ計算機と若桜鉄道(鳥取県)は、デジタルスタンプラリー「若桜鉄道トレインスタンプコレクション」を3月14日~5月31日にかけて若桜鉄道沿線で実施している。本誌では、さっそく同スタンプラリーにチャレンジしてみた。
若桜鉄道は、1930年に開通した国鉄若桜線を引き継いで郡家(こおげ)駅~若桜(わかさ)駅間の19.2kmを運行する鉄道会社。自動車の普及に伴い、地元の利用者が減少し、現在は観光列車をメインに営業している。
同社では、JR九州の車両をデザインする水戸岡鋭治氏が昭和レトロをテーマにデザインを監修した「昭和号」「八頭号」「若桜号」の3両を田園風景のなかで走らせており、木造の味わいのある佇まいの駅舎や昔ながらの硬券、昭和の雰囲気が残る若桜駅周辺などとともに昭和時代の鉄道の懐かしさを肌で感じられる。
ビンゴ要素の追加で楽しさが倍増したスタンプラリー
デジタルスタンプラリーというと、そんな昭和なイメージとはかけ離れている印象もあるが、旅のついでにオリジナルデザインのG-SHOCKや若桜鉄道のNゲージ模型といった豪華な景品をゲットできるチャンスがあるので、若桜鉄道に乗るなら参加しない手はないだろう。
参加にあたっては、まず「MEGURUWAY(メグルウェイ)」というカシオ計算機が開発したスマートフォン向けのアプリをインストールし、ユーザー登録を済ませておく必要がある。実は、鳥取砂丘コナン空港では「さかさまツインズと潮風の秘宝」、若桜町では「若桜町よくばりロマン紀行」と、同アプリを活用したスタンプラリーがそれぞれ3月31日まで実施されているので、あわせて楽しむのもアリだ。
「若桜鉄道トレインスタンプコレクション」の場合、立ち寄りスポットごとにQRコードを読み込んだり、GPSで位置情報を取得したりした上で、そのスポットならではのクイズに答えることでスタンプを獲得できる。
各スタンプにはノーマル、レア、スーパーレアの3つのランクが設定されており、同じランクのスタンプが横一列に並ぶと各ランクに応じた賞品がもらえるようになっている。コンプリートすると賞品がもらえる、あるいはスタンプの個数に応じて賞品の抽選に応募できるといった一般的なスタンプラリーとは一味違う興奮があり、家族や友人と複数人で一緒に参加しても結果が異なるという楽しさがある。
都市部の鉄道とは異なり、1日14往復しか運行していないこともあってか、主要駅以外は車両に乗ったままGPSによる位置情報のみでクイズに挑戦できるので、全駅で下車しなくていいのは良心的だと感じる一方、駅間の距離が短い区間では次の駅に到着するまでにクイズの正解を見出す必要があり、なかなかスリリングだ。
チャレンジするからには目指すはスーパーレアの賞品となる若桜鉄道オリジナルデザインのG-SHOCK。残念ながら、記者はスーパーレアを揃えることはできなかったが、レア賞をゲット。若桜鉄道WT3000形のNゲージを獲得した。各賞を獲得できなくても、全スポット達成でクリアファイルやボールペンがもらえる参加賞も用意されている。
4代目「隼ラッピング列車」が登場
ちなみに、3月16日には隼(はやぶさ)駅において4代目となる隼ラッピング列車の出発式が開催され、こちらを取材することもできた。
若桜鉄道の隼駅は、スズキの大型バイク「Hayabusa」と同じ名前ということで、Hayabusaオーナーの聖地となっている。8月8日の“ハヤブサの日”の前後の週末には「隼駅まつり」が地元の協力の下で開催され、2000台を超えるライダーが集結するという。
雨のなかで開催された出発式には鳥取県知事の平井伸治氏やスズキ二輪 代表取締役社長の濱本英信氏が出席。平井氏は「若桜の桜が散るなかで走り抜ける隼の車体が本当に美しい季節になってきた。緑も豊かで隼も葉や房になった。そんな楽しい旅ができればな、という風に思う。ライダーこそ私たちの未来だー」とユーモアを交えて挨拶していた。なお、同地域は鉄道オタクとしても知られる石破茂首相の地元ということもあり、同氏からの祝電も寄せられていた。
出発式が終わると、隼ラッピング列車と十数台のHayabusaライダーが並走するパレードがパトカー先導の下、隼駅~八東駅間で実施された。