ニュース
「旅行ってめんどくさいをなくしたい」アゴダ日本法人代表・大尾嘉氏に聞いてみた
2025年2月28日 12:00
- 2025年2月6日 取材
デジタル旅行プラットフォーム「agoda(アゴダ)」は、ホテル宿泊や航空券、アクティビティなど、日本国内外のさまざまな旅行商品をWebサイトとスマホアプリ(Android/iOS)で販売している。
今回は、ブランドメッセージにもある“毎日、おトク”な仕組みや、「現地に行ったら予約できていなかった」といったトラブル発生時の対応など、アゴダ・インターナショナル・ジャパン 代表取締役の大尾嘉宏人氏に聞いた。
――アゴダのサービスについて教えてください。
500万の宿泊施設、13万便の航空券、30万のアクティビティを、Webサイトやスマホアプリを通じて予約できるサービス(OTA)です。世界各地の言語に対応しており、日本はインバウンド(訪日旅行)が多いものの、ここ数年で国内旅行も伸びています。
日本ではローカライゼーションにも力を入れています。コロナ禍でインバウンドが落ち込んだ際に、アゴダのなかでも「日本の利用者にフォーカスしよう」ということで、プロダクトや営業活動をはじめ、特に日本人の期待値が高いカスタマーサービスもより多くのお問い合わせに対応できるようにしました。
3年前に始めたブランドキャンペーン(バナナマンが出演するCMなど)も効果があり、毎年メッセージを変えて展開しています。
またブッキングホールディングスのブランドとしては、アゴダのほかにも「Booking.com」「KAYAK」といった旅行予約サイトがあり、アフィリエイトの営業活動など一部で連携しているものの、サービスはそれぞれ独立して運営しています。
――グローバルOTAとしての強みや競合他社との違いは?
一番は値段の安さです。キャンペーン(プロモーション)、クーポン、ベストプライスギャランティー(BPG)、キャッシュバック特典の4つを提供しています。ベストプライスギャランティーは最低料金保証のこと。キャンペーンは一例として、VisaやJCBの優待特典があります。
2点目の優位性が、ローカライゼーションです。子供料金、食事、ベッドなど、日本の旅行者のニーズに合わせたプランを用意しています。ほかにも戦略的パートナーシップとして、JTBの国内旅行・インバウンド向けのサイト構築、在庫(予約枠)の提携も行なっています。
――海外旅行は「現地に行ったら宿泊施設が存在しなかった」「予約できていなかった」といった旅行先でのトラブルも多いですよね。カスタマーサポートはどのように対応していますか?
メインのメッセージサポート(英語)は24時間対応。日本語での回答は、日本の営業時間内での対応が基本となっていますね。ただし、国内にあるカスタマーセンターのスタッフを30%増やしたことから、最近では深夜2時ごろに日本語で対応した事例もあります。
ユーザーからの問い合わせがあったときにどのくらい早く問題を解決できるか、プロセス改善に関する日本専属チームもあり、世界のなかでも特に日本のサービスは高い優先順位で取り組んでいます。
――国内のOTAでは「楽天トラベル」「じゃらん」が強いなか、どのような戦略で利用者を増やしていくのでしょうか?
例えば1つの宿泊施設から、他社と同じ料金かつ在庫をいただいた場合、より多く売る自信があります。アゴダではAIテクノロジーによって、よいホテルを探したいユーザーと宿泊客を増やしたいホテルのマッチングを日々強化しているからです。
過去の検索条件などからユーザーの好みを推測し、お勧めとして表示するホテルを決めているので、アゴダを使えば使うほどパーソナライズの精度が高まっていく感覚があるはずです。
またトップページに日本地図を設けて、利用したいエリアを直感的に選べるようにするなど、UX(ユーザー体験)も改善しています。ほかにも、宿泊施設の写真や紹介文といったコンテンツを充実させたり、PayPay、PayPal、Paidyと、さまざまな支払い方法に対応したりしています。
ユーザーを増やすには、CMを見た人がアゴダにアクセスして「こんなに安いんだ」「アプリが使いやすい」「料金の支払いも簡単にできる」といった体験を積み重ねてもらうことが大切だと思います。
――現状の課題や今後の展望を教えてください。
宿泊施設、交通手段、アクティビティの取り扱いをどれだけ増やして、どこまで丁寧かつ正確に一連の体験を提供できるか。一言でいえば「コネクテッド・トリップ」で、フライト以外の交通手段や保険など、旅行に結びつくものはすべてつなげたいと考えています。
簡単に旅ができるとまた行きたくなる。行くと楽しいし、ストレス発散にもなるし、帰ってからは「また旅行できるようにがんばろう」と思うけど、旅行するまでの計画がちょっと大変ですよね。
理想としては、旅が終わった瞬間にまたアプリを開いて、2週間後の旅行が決まっちゃうような。「旅行ってめんどくさい」をなくしたいです。
――ありがとうございました。