ニュース

アウトドアにも強くなった「XREAL Air 2 Pro」、11月17日発売

2023年11月16日 取材

XREAL Air 2 Pro

 日本Xrealは、ARグラスの新モデル「XREAL Air 2 Pro」を11月17日に発売する。同社は、発売前日の16日に、アウトドアでの利用をイメージした体験会を千葉県香取市の農園リゾート THE FARMで開催した。

 XREAL Air 2 Proは、電子制御によってサングラス部の透過度を調節できる機能を搭載したARグラス。右テンプルのモードボタンを押すことで、0%、35%、100%の3段階に切り替えられる。価格は6万1980円。

 廉価版に相当するXREAL Air 2では、外光を遮るライトシールドをグラスの外側で脱着することで物理的に制御していたが、XREAL Air 2 Proでは、これを持ち運ばなくても背景に実世界を見えるようにしたり、見えなくして没入感を高めたりできる。

同梱品
XREAL Air 2 Proにもシールドは付属しており、装着することで下部からの光を遮り、没入感を高められる

 こうした機能は屋内環境よりも屋外で便利ということで、同社としてアウトドア施設を舞台にした体験会を企画したようだ。マーケティングマネージャーの中澤真人氏は、「キャンプなど、エンターテインメント+野外という使い方が本当に増えてきており、こういったユーザーにお使いいただきたいというところもあり、こうした体験会を開催することにした」と語る。

マーケティングマネージャーの中澤真人氏

 Xrealでは、10月にヨーロッパ地域での販売をスタートし、グローバル化を加速させているが、前モデルの「Nreal Air(XREAL Air)」を世界に先駆けて日本でローンチしたこともあり、中澤氏は「日本に根ざしたブランディングに取り組んでいる」とする。これを裏付けるかのように、今年は東京ゲームショウやCEATECに出展し、積極的に体験できる場を設けることで、製品の価値を伝える努力を続けている。

 今回の体験会は、XREAL Air 2 Proの製品版のパッケージを開封するところからスタート。箱をあけると、楕円形のケースが現われ、その中に本体が収納されていた。保護フィルムを剥がし、必要に応じて視力矯正用のインサートレンズを装着すれば準備は完了だ。

 このインサートレンズは、鼻あてパーツと組み合わせて本体に装着する形になっているが、Nreal Air(XREAL Air)用のインサートレンズも使用できるようになっている。

 以前のインサートレンズは中央部をワンポイント固定するタイプだったため、破損しやすく、加工を引き受けてくれるメガネ屋が少なく、工賃もやや高めだった。新たなインサートレンズは形状が変更され、こうした課題の解消を狙っているようだ。

インサートレンズを装着したところ

 外観に大きな変化がないことから、装着感も同様かと思われたが、軽量化が進められるとともに、前後の重心バランスが調整されたとのことで、重さでだんだんとずれ落ちてくることも無くなっていた。また、耳に当たるモダン(先セル)部分が柔らかくしなる素材に変更されたことで、装着感が大きく改善しているように感じられた。

 テンプル部分にはスピーカーが搭載されているが、今回のモデルでは、左右それぞれ上下に向けてスピーカーが配置されており、逆位相音をぶつけることで周囲への音漏れを抑制できるようになっている。音漏れ防止の性能としては、HUAWEI Eyewearほどではないが、前モデルと比べれば、その差は歴然だ。

上下に向けてスピーカーを配置し、周囲への音漏れを抑制

 最大の特徴となる調光機能については、Webブラウジングなど、文字を読むような場面では透過率を0%にすることで読みやすくなる一方、例えば、アウトドアの醍醐味とも言えるバーベキューなどの調理をしながら映像コンテンツを楽しんでいる場合、透過率を変更して目を配るようにすれば、大切な食材を盛大に焦がしてしまうこともなくなるだろう。

ボタンを押すことで透過率を変更できる

 惜しむらくは、Windows PCで3画面のマルチウィンドウ環境を実現できるソフトウェア「Nebula for Windows」が、現時点では同製品を認識しないところ。外部ディスプレイとして1画面だけ表示させることはできるが、せっかくならマルチウィンドウで活用したい。

 プロダクトマネージャーの高天夫氏によれば、11月中に対応バージョンをリリースすべく、開発を進めているとのことなので、同機能を使いたい人は少し待つ必要があるようだ。

プロダクトマネージャーの高天夫氏
送迎用にラッピングされたバス
利用イメージ