ニュース
南阿蘇鉄道、全線再開記念でトロッコ列車の旅。JAL/JR九州と3社コラボの特別運行に乗ってみた!
2023年10月17日 00:00
- 2023年10月16日 実施
熊本・南阿蘇鉄道の全線運転再開を記念して、JALとJR九州との共同企画として「特別トロッコ列車で南阿蘇・高森を巡る旅 2日間」が実施された。今回、このツアーの見どころの一つである「JAL・JR九州・南阿蘇鉄道3社の乗務員による南阿蘇鉄道トロッコ列車イベント」に参加してきた。
熊本地震による甚大な被害を受け、2016年4月16日から運休していた南阿蘇鉄道。7年の歳月を経て2023年7月15日、立野~高森間の17.7kmの全線運転再開を果たしている。今回はこれを記念した企画で、10月15日・22日、11月12日・19日の出発日を設定している。南阿蘇鉄道トロッコ列車イベントはツアー2日目の行程に含まれており、高森駅を13時40分に出発。終点の立野には14時30分に到着する。
13時ごろバスで高森駅に到着したツアー参加者20名には、ホームに設置されたブースでオリジナルの不織布エコバッグに入った特別焼印入りの枡と阿蘇の酒 れいざんの特別ボトルが配布された。また、JR九州とJALの客室乗務員がそれぞれ南阿蘇村「白川水源」の水とJALコンソメスープを振る舞った。
トロッコ列車の指定席に着座して出発までいよいよ2分!というタイミングでなんと、くまモンが高森駅ホーム現われた。ツアー参加者にはサプライズになっており、トロッコ列車の車内からは歓声が上がった。大きな頭を横にして車内に乗り込んできたくまモン。そのかわいさにツアー参加者も大喜びといった様子。くまモンを乗せたままトロッコ列車は発車した。
くまモンは車内でも愛敬を振り巻き、ツアー参加者とコミュニケーションをとっていたが、残念ながら次の駅の見晴台駅で降車。隣の列車の乗客ともハイタッチをするサービスをしてくれたうえに、手を振って見送ってくれた。
そのあとはJR九州、JAL、南阿蘇鉄道の3社による車掌アナウンスで南阿蘇鉄道の沿線解説がツアー参加者を盛り上げた。南阿蘇鉄道の車掌アナウンスは各個人にある程度任されており、人によって特徴があるらしく、同じ景色を見ながらもまったく違った展開があるようで、乗るたびに違った雰囲気になるそうだ。ただし、南阿蘇鉄道の車掌アナウンスは基本的には早口で情報をたくさん盛り込む傾向にある。
一方、JALの客室乗務員は日頃から、ゆっくりと丁寧に、語尾がハッキリと分かるように機内アナウンスをすることを心がけているため、アナウンスの仕方が正反対といえる。そのため、アナウンスする内容を割り振った際、JALの客室乗務員が担当するときには、読む内容を吟味して割愛できるところは割愛するなど、そうとうな苦労があったようだ。
ところで、南阿蘇鉄道の沿線には水源が11か所存在している。そのいくつかをトロッコ列車の車内から見ることができたが、コンコンと湧き出る清い水の流れを見るだけでも十分な癒しを覚えた。
最後の長陽~立野間が1駅の間隔としては一番長く、所要時間12分で、しかも南阿蘇鉄道唯一のトンネルや白川を渡る橋梁からの絶景、立野ダムの建設現場を望めるなど、クライマックスとしては申し分ない盛り上がりを見せてくれる。和気藹々とした車内のアナウンスもあり、とても和やかな雰囲気が漂い、笑いの絶えないトロッコ列車の旅であった。
長陽駅の駅舎にある穴場カフェ「久永屋」の名物資本(シフォン)ケーキを、このツアーのためだけに終点の立野駅にて出張販売が行なわれ、ツアー参加者の多くが買い求めていた。
11月にも12日・19日の出発日が設定されているので、秋が深まった南阿蘇の魅力に触れつつ、トロッコ列車で旅の思い出を作ってみてはいかがだろうか。