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ベルギー観光サイト、日本語版を公開。3/6/9日間の旅のモデルプランの提案も

政府観光局が食とアールヌーヴォーの魅力を紹介するセミナー開催

2023年6月16日 実施

セミナーには旅行会社を中心に80名が参加

 ブリュッセル観光局、ベルギーワロン政府観光局、ベルギー・フランダース政府観光局、ブリュッセルエアポートは、ベルギー王国大使館でツーリズムセミナーを開催した。

 駐日ベルギー王国大使のロクサンヌ・ドゥ・ビルデルリング氏の主催で実施したもので、参加者がそれぞれベルギーの魅力を紹介した。司会を務めたベルギー観光局ワロン地域 コンサルタントのダミアン・ドーム氏は「ベルギー全体のセミナーは2018年以来」と喜びを示した。

ブリュッセル国際空港 航空マーケティングマネージャー タニア・トールオセピアンツ氏

 セミナーではまず、ブリュッセル国際空港 航空マーケティングマネージャーのタニア・トールオセピアンツ氏がブリュッセル国際空港のアクセス利便性を紹介。ベルギーはブリュッセル首都圏、ワロン、フランダースの3地域に分かれているが、空港はちょうど中心にあり各地域にアクセスしやすいという。さらに日本~ベルギー間はANAが水曜と土曜の週2便で運航していることに触れ「(コロナ前と同じ)1日1便化に期待したい」と話した。

 また、氏は6月15日にベルギーの観光サイト「hellobelgium.com」の日本語版をローンチしたことをアピール。サイトでは各地方の観光情報に加え、3日間・6日間・9日間でいくベルギー旅行のモデルコースを紹介。料理、歴史的建造物、アートとファッション、アクティビティなどをについて詳しい情報を掲載している。

 今年日本版サイトをオープンして日本人に訴求することで、出展を予定する2025年の大阪・関西万博でのPRにつなげたい考えだ。

日本語サイト
ベルギー観光局ワロン地域 コンサルタントのダミアン・ドーム氏

 続いてドーム氏がブリュッセルとワロン地方についてプレゼンテーションを実施した。ベルギーでは2023年を「アール・ヌーヴォー・イヤー」としているが、ブリュッセルではアールヌーヴォーのミュージアムや展覧会をいくつか選んで見学できる9か月間有効の「アールヌーヴォーパス」を用意。

 さらにブリュッセルでは今年の9月にブリュッセルの旧証券取引所内にビールの博物館「BEER WORLD」が開業し、年内をめどにベルギーで有名な漫画のキャラクター、猫の「ル・シャ」のミュージアムが、2024年には仮オープン中のパリのポンピドゥー・センターの別館「カナル・ポンピドゥーセンター」が正式にオープンする予定であるという。

 加えてドーム氏はブリュッセル観光局が近年PRコンセプトを刷新し、ブリュッセルでの生活をアピールしていることを説明。定番の観光地に加えてブリュッセルの国際的な雰囲気を感じられるスポットとして、欧州議会議事堂のあるヨーロピアンクウォーターを紹介するととともに、レンタサイクルの活用を訴えた。

 ドーム氏はブリュッセル市内にはかわいらしい雑貨店や、オリジナルチョコレートを作るパン屋などがあるとし、「グランプラスや世界遺産といった有名スポットだけでなく、ベルギーの首都の人々がどういう生活をしているのか見てもらいたい。自転車専用ルートを走りつつ、自転車を降りて見学したり写真を撮ったりするのも旅の思い出になると思う」と話した。

ホテルやイベントの多様性もアピール

 ワロン地方については、ブリュッセルからの小エクスカーションとしてクルマで30分のワーテルローを紹介。ナポレオン関連の博物館に加え、森や丘が広がるワロン地方らしい景色も楽しめるという。

 このほか、モンスやトゥルネーといった中世の歴史的な町や、ベルギーワッフルで有名なリエージュ、南の川沿いの町・ナミュールやディナン、「スパ」の語源の町で世界一古いカジノのある町スパなどについて説明するとともに、フリット(ポテトフライ)やムール貝、ワッフルにビールといった食についてアピールした。

ベルギー・フランダース政府観光局マーケティング・ディレクターのリン・ダウウェ氏

 セミナーでは最後にベルギー・フランダース政府観光局マーケティング・ディレクターのリン・ダウウェ氏が登壇。2019年の日本人訪問者数はヨーロッパ圏外の15か国のなかで米国、中国、ロシアに次ぐ4位の8万9890人だったとし、2022年はゆるやかながら回復傾向にあることを説明するとともに、日本市場を重要視していることを強調した。

 同局では「フランダースのDNAにつながる6つのテーマ」として歴史的遺産、自然、グルメ、サイクリング、休暇の意味、会議・イベントを掲げているが、ダウウェ氏は「日本人が興味を持つグルメや芸術、歴史、買い物などを完璧に提供できる」と語り、日本人の嗜好に合うデスティネーションであることを訴えた。

 このほか、ダウウェ氏は2024年はベルギーの画家・ジェームズ・アンソール没後75周年でゆかりの地・オステンドとアントワープでイベントが開催されることを紹介。お勧めの最新スポットとしては、12月にオープンするブリュージュの「シント・ヤンス病院(聖ヨハネ施療院)ミュージアム」や、2024年春に再オープンするメヘレンのアールヌーヴォー建築「ウルスラ修道院のウィンターガーデン」などを説明した。

 食の魅力として、フランダース地方は人口当たりのミシュランの星の数が世界一であり、クラフトビールとチョコレートプラリネの発祥地で1150種類を超えるベルギービールが楽しめることなどをアピール。アントワープやブリュージュ、ゲントやルーウェン、メヘレン、オステンドと海岸地方など各地の魅力も紹介した。