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タイ、2023年は出張に+1泊やスポーツ滞在を訴求。ドラマ聖地巡りの注目度も上昇中

2023年2月21日 実施

タイ国政府観光庁がセミナーを実施

 タイ国政府観光庁は2月21日、アメージング・タイランド/TJTAアップデートセミナーを行なった。

 セミナー冒頭に登壇した泰日旅行業協会(TJTA)会長の松浦利信氏は、5月8日から新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行することに触れ、「水際対策が撤廃されれば海外旅行が身近になると思われる。それに向けてタイの方でも日々情報をアップデートしており、今日はTJTAの会員からネットで入手できない情報を提供したい」と語った。

 セミナーではまず、タイ国政府観光庁 東京事務所 マーケティングマネージャーの藤村喜章氏が日本市場の状況を解説した。2022年にタイを訪問した外国人は1115万3026人でこのうち日本は29万146人。日本人は右肩上がりに回復しているが、渡航者数の回復が速い韓国の半分程度の人数だという。藤村氏は「日本は残念ながらトップ10市場には入っておらず、日本人の海外渡航はこれからなのでは」と語った。2023年は2019年の180万6340人に対し、5割程度の回復を見込んでいるという。

泰日旅行業協会 会長 松浦利信氏
タイ国政府観光庁 東京事務所 マーケティングマネージャー 藤村喜章氏

 2023年は出張者、シニアのロングステイ、ファミリー、カップル、1人旅、ゴルフやマラソン、サーフィンやダイビングなどのスポーツ好きをターゲットに設定し、タイの魅力を訴求していく方針。出張者に対しては+1泊を働きかける考えで、藤村氏は「マッサージでリラックスしたり、日本の流通店舗がタイに多く進出しているので自分なりに視察したり、地域の風を感じてもらうのが大切では」と話した。

 また、タイ国政府観光庁では2022年10月から2023年3月まで「今こそ、タイへ~新しい旅への誘い~」キャンペーンを実施している。現在旅行会社9社が参加しており、目標1万人に対し現在8000人ほどが参加しているという。

 このほか藤村氏はタイの魅力として「5F(Food, Film, Fashion, Festival, Fight」と「4M(Music, Museum, Master, Metaverse)」を紹介。例えばFestivalについては4月のソンクラーン祭り、6月のルーイ県で行なわれるピーターコン祭などを紹介し、ツアー造成に活かしてほしいと参加者に呼びかけた。

 このほか、セミナーではTJTAのメンバーが現地の最新情報を紹介した。タイ国政府コンベンション&エキシビション・ビューロー(TCEB)の日本代表を務める池田久美氏は、MICEの助成プログラムを紹介。スワンナプーム国際空港をはじめとした主要空港で、1団体につき15人まで早く入国手続きができる「MICEレーン」を展開していることや、団体に対しタイ産のギフトやレセプションでの古典舞踊の提供、ショッピングセンターやアクティビティの割引といった特典を用意していることを紹介した。

タイ国政府コンベンション&エキシビション・ビューロー 日本代表 池田久美氏

 タイではMICEが盛んだが、日本市場でも数百名から数千名規模の団体の落ち合わせが来ているところ。池田氏は「大型案件だけでなくFITやレジャーでも航空座席の供給が重要。タイ国際航空も動き始めているので、引き続きアンテナを磨いておいてほしい」と語った。

 MINORHOTELSグローバルディレクターオブセールスジャパンの井部竜哉氏は2019年に開業したホテル「アヴァニ・スクンビット・バンコク・ホテル」を紹介。コロナ禍に一時クローズしていたが2022年初頭に再度オープンしたホテルで、BTSスカイトレインのオンヌット駅に2階で直結しており、スワンナプーム国際空港やドンムアン国際空港までもクルマで30分圏内という利便性が魅力だ。

 1階から4階はデパートでレストランやスーパーが入居。ホテル内にはラウンジ付きコーヒーショップやプール、スパにフィットネス、300名規模の団体が受け入れ可能な4室の会議施設がある。客室は9階から33階まで全382室。伊部氏は「バンコクの最近の傾向としてツインベッドが少なく団体用の仕入れに使いづらいホテルが増えているが、ツインベットが多いので団体に利用しやすい」とアピールした。

 タイガーツーリスト東京所長の谷村恭子氏は最近の旅行社の傾向について解説。昨秋までは出張者などビジネス渡航が中心だったが、秋以降はリピーターの小グループや社員旅行、修学旅行などの問い合わせが増えているという。また、現在直行便が運航していないプーケットに対し、バンコクからクルマでアクセスできるパタヤへの需要が増加していることを説明。パタヤに行く際の立ち寄り先として、巨大なピンクのガネーシャ象で有名な「ワット・サマーン・ラッタナーラーム」を提案した。

 このほか、タイのエンタテイメントが日本で人気であることについて触れ、今後はタイのドラマの聖地巡りなどが増えてくるのではとの見通しも示した。