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子供たちを乗せたスカイライナーが京成上野から成田へショートトリップ。ANAのA380が3機揃う!

2022年4月23日 実施

「スプリングチャリティライナー」のために、3機のANA エアバス A380型機が成田空港の駐機場に揃えられた

 京成電鉄、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン、ANAホールディングス、成田空港交通は4月23日、「スプリングチャリティライナー」を実施した。本イベントは、成田国際空港からも協力を得て実現した。

「ドナルド・マクドナルド・ハウス」とは

 当日は、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を利用した経験がある家族のなかから希望者を募り、抽選で選ばれた13組38名を招待した(実際の参加は12家族34名)。

 ドナルド・マクドナルド・ハウスとは、小児病院に入院している子供と、その家族に対する支援を目的とする滞在施設だ。提携先の小児病院と連携する形で運営されており、日本各地に合計11か所がある。

 子供が難病にかかり、自宅から離れた小児病院での入院を余儀なくされた場合、本人に加えて、治療に付き添う家族にとっても大きな負担が生じる。その負担を少しでも軽減しようということで、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」が誕生した。それぞれ地元のボランティアから支援を受けつつ、入院している子供とその家族のための「第二のわが家」を目指して運営しているという。

 難病にかかった子供を抱える家族は、なかなか旅行に出ることもできない。そこで、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンと京成電鉄が、ちょっと羽根を伸ばせるショートトリップのイベントを企画した。2020年12月の「クリスマスチャリティライナー」が初回で、2021年4月に「スプリングチャリティライナー」、2021年11月に「ハロウィーンチャリティライナー」を実施、そして今回で4回目になる。

車内のイベントと成田空港駅でのお出迎え

 まず、京成上野駅コンコースで全員が集合したあと、京成電鉄 鉄道本部運輸部営業課長の川崎治氏と、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン ふちゅうハウスマネージャー 市邊 貴代氏によるあいさつがあり、その後ホームに降りて「スカイライナー」への乗車となった。

京成電鉄株式会社 鉄道本部運輸部営業課長 川崎 治氏「スカイライナーは途中、160km/hで走行します。新幹線以外では日本最速となるスピード感を味わってください」
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン ふちゅうハウスマネージャー 市邊 貴代氏「ワクワクするような企画を用意しております」
京成上野駅の駅員さんが、お手製の応援うちわ(?)を用意して出発を見送ってくれた

 まず、京成上野駅から成田空港駅まで、「春爛漫」をモチーフにした車内装飾を施したAE形で移動した。列車は京成上野駅を9時18分に発車する通常の営業列車で、使われたのはAE6編成、そのうち2両を貸し切る形であった。車内では絵合わせゲーム大会と、家族写真の撮影が行なわれた。

 絵合わせゲームでは、参加者に「スカイライナー」「京成バス」「FLYING HONU」の写真が配られた。スタッフも同じものを持っていて、そのなかからどれかを選んで、合図に合わせて掲げる。それにあわせて参加者も、手元の写真のなかからどれかを選んで掲げる。そして首尾よく一致したら勝ち、というわけだ。

参加者に配られた写真。京成電鉄やANAの乗り物がお題になっている
絵合わせゲームでスタッフが掲げたのは、スカイライナーの写真。同じものを選んだカンのよい参加者は何人いるかな……?
客室の窓まわりには、このイベントのための装飾が。前後の列車では、当該号車は貸切ではなかった。そのため、京成上野駅での折り返し整備の間に取り付けて、成田空港駅に到着したら直ちに取り外す必要があった
スカイライナーは途中、一部区間で最高速度160km/h運転を実施している

 そうこうしている間に、列車は成田空港駅に到着。到着後、成田空港駅の駅長、京成パンダ、HONUの着ぐるみが出迎えを行ない、スカイライナーを背景に置いての記念撮影となった。その後も個別に記念撮影が引きも切らず、参加者が楽しんでいる様子が伝わってきた。

成田空港駅の駅長に、京成パンダとホヌの着ぐるみが加わり、参加者一同と記念撮影。
ANAからは、「FLYING HONU」の記念品がプレゼント。ぬいぐるみのように見えるのは小さなリュックだ。ウミガメのようでいて、実は前足にエンジン(!?)が4個ついている

消防署では化学消防車による放水を見学

 成田空港駅に到着したあとは、成田空港交通の貸切バスで成田空港の制限区域に向かった。警備が厳しい空港のこと、しかも成田である。制限区域に立ち入るための事前調整は大変だったというが、それだけに参加者にとっては思い出深い貴重な体験になったことだろう。A滑走路と並行する道路を移動するバスの横を、離陸する機体が追い抜いていく場面も見られた。

 最初に行なわれたのは、消防車による放水訓練の見学。場所はA滑走路(16R/34L)の西側にある消防隊の施設前だ。空港で使われている化学消防車は、市中の消防署で使われている消防車とは別物だが、それを間近に見られるのだから、これも貴重である。ちなみにこの消防車、火災事故だけでなく、新規開設路線の初便や、到着した新型機のお出迎えなどといった場面で、アーチ状の放水(ウォーター・サリュート)を行なうときにも登場する。

成田空港交通のバスで、制限区域内に移動する
整列して出迎えた消防隊の皆さん。背後の化学消防車は、米オシュコシュ「ストライカー6×6」。航空機の火災に特化した特装車だ
まず、普通の放水が行なわれた。上部のノズルを取り付けたアームは、Snozzle HRET(High Reach Extendable Turret)という
折り畳み式のアーム先端には、胴体内に突き入れて内部に放水するための仕掛け(穿孔ノズル)がある。こちらは先の放水と異なり、水が霧状に広がっている様子が分かる
最後に参加者も加わり、「放水開始!」の号令をかけてもらっての放水

ハイライトは「FLYING HONU」との記念撮影

 続いて、おそらくは今回の目玉であろう、ANAのエアバス A380型機「FLYING HONU」との記念撮影を行なった。ANAのA380は1号機(登録記号:JA381A)、2号機(JA382A)、3号機(JA383A)の3機があるが、その全機を駐機場に並べて、それをバックに記念撮影を行なうというスペシャルな企画。

 特に、日本へのフェリーがコロナ禍に見舞われたあとになった3号機は、ホノルル線で営業運航に就いたことがなく、見かける機会が少ない貴重な機体だ。その3号機が、もっとも手前に配された。

ANAのスタッフから機体の概要について説明を受けたあと、全員で3号機をバックに記念撮影。
自由撮影タイム。やはりというか、機首部分を背景にするアングルに人気があったようだ。しかしなかには、主翼の端部あたりまで進出(?)した参加者も
記念撮影のバックに3機のA380。手前から順に、JA383A、JA382A、JA381Aという並び
ここでも成田空港駅と同様に、ANAのCAさんを交えて記念撮影する場面が多くみられた

 その後、ターミナルビル内にある和食レストラン「京成友禅」で昼食をとり、自由行動のあとで「スカイライナー」で帰途についた。なお、おそらくは偶然だが、帰りの車両は特別装飾車両「KENTY SKYLINER」(AE5編成)であった。

朝方は曇り空だったが、ちょうどA380との記念撮影では晴れとなった
昼食の一例。なお、子供向けのメニューは別途、専用のものを用意していた
復路は「KENTY SKYLINER」による運行であった
「KENTY SKYLINER」の車内。車内放送も専用仕様になっている