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子供たちを乗せたスカイライナーが京成上野から成田へショートトリップ。ANAのA380が3機揃う!
2022年4月26日 06:00
- 2022年4月23日 実施
京成電鉄、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン、ANAホールディングス、成田空港交通は4月23日、「スプリングチャリティライナー」を実施した。本イベントは、成田国際空港からも協力を得て実現した。
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」とは
当日は、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を利用した経験がある家族のなかから希望者を募り、抽選で選ばれた13組38名を招待した(実際の参加は12家族34名)。
ドナルド・マクドナルド・ハウスとは、小児病院に入院している子供と、その家族に対する支援を目的とする滞在施設だ。提携先の小児病院と連携する形で運営されており、日本各地に合計11か所がある。
子供が難病にかかり、自宅から離れた小児病院での入院を余儀なくされた場合、本人に加えて、治療に付き添う家族にとっても大きな負担が生じる。その負担を少しでも軽減しようということで、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」が誕生した。それぞれ地元のボランティアから支援を受けつつ、入院している子供とその家族のための「第二のわが家」を目指して運営しているという。
難病にかかった子供を抱える家族は、なかなか旅行に出ることもできない。そこで、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンと京成電鉄が、ちょっと羽根を伸ばせるショートトリップのイベントを企画した。2020年12月の「クリスマスチャリティライナー」が初回で、2021年4月に「スプリングチャリティライナー」、2021年11月に「ハロウィーンチャリティライナー」を実施、そして今回で4回目になる。
車内のイベントと成田空港駅でのお出迎え
まず、京成上野駅コンコースで全員が集合したあと、京成電鉄 鉄道本部運輸部営業課長の川崎治氏と、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン ふちゅうハウスマネージャー 市邊 貴代氏によるあいさつがあり、その後ホームに降りて「スカイライナー」への乗車となった。
まず、京成上野駅から成田空港駅まで、「春爛漫」をモチーフにした車内装飾を施したAE形で移動した。列車は京成上野駅を9時18分に発車する通常の営業列車で、使われたのはAE6編成、そのうち2両を貸し切る形であった。車内では絵合わせゲーム大会と、家族写真の撮影が行なわれた。
絵合わせゲームでは、参加者に「スカイライナー」「京成バス」「FLYING HONU」の写真が配られた。スタッフも同じものを持っていて、そのなかからどれかを選んで、合図に合わせて掲げる。それにあわせて参加者も、手元の写真のなかからどれかを選んで掲げる。そして首尾よく一致したら勝ち、というわけだ。
そうこうしている間に、列車は成田空港駅に到着。到着後、成田空港駅の駅長、京成パンダ、HONUの着ぐるみが出迎えを行ない、スカイライナーを背景に置いての記念撮影となった。その後も個別に記念撮影が引きも切らず、参加者が楽しんでいる様子が伝わってきた。
消防署では化学消防車による放水を見学
成田空港駅に到着したあとは、成田空港交通の貸切バスで成田空港の制限区域に向かった。警備が厳しい空港のこと、しかも成田である。制限区域に立ち入るための事前調整は大変だったというが、それだけに参加者にとっては思い出深い貴重な体験になったことだろう。A滑走路と並行する道路を移動するバスの横を、離陸する機体が追い抜いていく場面も見られた。
最初に行なわれたのは、消防車による放水訓練の見学。場所はA滑走路(16R/34L)の西側にある消防隊の施設前だ。空港で使われている化学消防車は、市中の消防署で使われている消防車とは別物だが、それを間近に見られるのだから、これも貴重である。ちなみにこの消防車、火災事故だけでなく、新規開設路線の初便や、到着した新型機のお出迎えなどといった場面で、アーチ状の放水(ウォーター・サリュート)を行なうときにも登場する。
ハイライトは「FLYING HONU」との記念撮影
続いて、おそらくは今回の目玉であろう、ANAのエアバス A380型機「FLYING HONU」との記念撮影を行なった。ANAのA380は1号機(登録記号:JA381A)、2号機(JA382A)、3号機(JA383A)の3機があるが、その全機を駐機場に並べて、それをバックに記念撮影を行なうというスペシャルな企画。
特に、日本へのフェリーがコロナ禍に見舞われたあとになった3号機は、ホノルル線で営業運航に就いたことがなく、見かける機会が少ない貴重な機体だ。その3号機が、もっとも手前に配された。
その後、ターミナルビル内にある和食レストラン「京成友禅」で昼食をとり、自由行動のあとで「スカイライナー」で帰途についた。なお、おそらくは偶然だが、帰りの車両は特別装飾車両「KENTY SKYLINER」(AE5編成)であった。