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開業前の「OMO7大阪 by 星野リゾート」を見てきた! ディープエリア新今宮で存在感抜群のフルサービスホテル

2022年4月22日 開業

4月22日に開業する「OMO7大阪 by 星野リゾート」

 星野リゾートは、都市観光型ホテルブランド「OMO by 星野リゾート」最新施設、「OMO7大阪 by 星野リゾート」を4月22日にオープンする。オープンに先立ち、報道公開を行なった。

 OMO7大阪は、OMOブランドでは初となる新築施設で、JR/南海電鉄 新今宮駅の目の前に立地する。JR新今宮駅のホームからはその存在感抜群の建物が一望でき、新今宮の新たなランドマークの誕生となる。

電車から降り立つと目の前に現われる巨大な建物。ホームからも一目瞭然

 大阪のディープエリアとも言われる地、新今宮駅に降り立つと、一際目立つ大きな建物が見える。これが4月22日に開業する「OMO7大阪 by 星野リゾート」だ。

 駅のホームからはもちろん、新今宮界隈を歩いていても、建物と建物の間から見える。古きよき大阪の街並みに突如として現われるその大きな建物は、存在感抜群だ。ただ近代的なだけではない。

 星野リゾートが提唱している環境経営の一環として、OMO7大阪は環境配慮にも余念がない。国内初となる建物の外装に幕を張る建築設計を採用しており、日射負荷の低減やヒートアイランド現象の緩和を見込んでいる。また、敷地全体の約半分(7600m 2 )に相当する広さのガーデンエリア「みやぐりん」もまた環境負荷の低減に一役買っている。

JR新今宮駅とOMO7大阪。外装には国内初となる膜を張った建築設計を採り入れ、環境に配慮
駅周辺の建物の間からも見ることができる。古きよき大阪のディープエリアにそびえ立つ
駅を出たらいやが上にも目に入る特徴的な建物。新今宮駅からは目と鼻の先
あべのハルカスや通天閣もすぐ近く。ホテルを一歩でれば観光スポットには事欠かない
最初に宿泊客を迎える入口は控えめな色使いで落ち着いた雰囲気

 エントランスから建物のなかに一歩足を踏み入れると、外界の喧騒が遮断された落ち着いた空間が広がる。そして長いエスカレーターを登ると白地に丸いデザインの不思議なトンネルが現われる。日常と非日常を結ぶトンネルだ。

 そしてトンネルをくぐった者だけが体感できる「笑い」と「おせっかい」を採り入れた大阪らしいおもてなし「なにわラグジュアリー」がその先に広がる。「OMOベース」と呼ばれる全長約85m、高さ約5mの開放的な空間では、大阪の旅を目一杯楽しむための仕掛けや工夫をいたるところに散りばめているのだ。

 一際大きく目を引くのがトンネルをくぐってすぐの壁一面に広がる「ドでかOSAKAボード」と「Go-KINJO MAP」だ。OMOブランドのホテルではすでにおなじみの「Go-KINJO」。ここで働くスタッフが、実際に行って呑んで食べて遊んで見つけ出したオススメのお店の情報がずらり。観光情報誌では載らないような地元民ならではといった情報も網羅している。部屋に荷物を置いたら早速出かけたくなるような仕掛けの1つだ。ただ、客室は客室で、またずっとそこに居たくなるような居心地のよい空間に仕上がっている。

外界の喧騒からは遮断された、これもまた落ち着きのあるエントランス
日常から非日常へ続くトンネル。このトンネルをくぐればそこは特別な体験に満ちあふれている
「OMO」ブランドのホテルではおなじみ。「ドでかOSAKAボード」は6×4mと巨大。そして徒歩圏内を紹介する「Go-KINJO MAP」
すべてスタッフが訪れた事のあるスポット。そのときに気が付いた細かな情報も網羅されている
従来のホテルのようなフロントではなく、チェックインは自身で行なう
チェックインでスタッフの助けが必要な場合はすぐ横のレセプションにスタッフが常駐しているのでご安心を
到着してとりあえず腰を下ろせるようなスペースも用意している
スタッフが着用するユニフォームは篠原ともえ氏のデザインによるもの。街での新たな発見を「ピンドット」で表現している。このドット柄はホテル内の随所に散りばめられている
部屋へ上がるエレベーターホールには商人の街大阪らしく、招き猫がお出迎え

 客室は8タイプ全436室。なかでも特徴的な客室タイプの1つが「いどばたスイート」だ。

 部屋に入るとまず目を引くのが中央に置かれた大きなテーブル、そして開放的な眺望。ベッドは部屋の四隅に配置している。この部屋の主役はまさに井戸端会議の中心となる大きなテーブルなのだ。リビング空間の壁面には大阪の代表的な観光スポットが描かれた「OSAKAボード」を掲げており、家族や仲間達とテーブルに集って、まさに井戸端会議ができるような演出をしている。

「いどばたスイート」以外にも、2面の大きな窓から、通天閣や大阪の街並みが一望できる「コーナーツインルーム」など、居心地のよいニーズにあわせたさまざまな客室が用意されている。

特徴的な「いどばたスイート」と呼ばれる客室。従来のホテルのように、部屋の真ん中にベッドではなく、ここでは大きなテーブルが鎮座している
そして壁面には大阪の代表的な観光地が描かれた「OSAKAボード」。ソファでくつろぎながら家族や仲間と明日の予定を語らう。そんな光景が目に浮かぶ
「コーナーツインルーム」は2面のガラス越しに大阪の街並みを望むことができる。夜の夜景は格別だそうだ
ベッド
水回り
部屋から望む通天閣

 ホテル滞在中、街歩きに疲れたならば、ホテルのパブリックスペースでゆっくり過ごすのもよい。敷地全体の約半分を占める「みやぐりん」は大阪の喧騒のなかに現われた緑豊かなガーデンスペースだ。

 中心に大きな芝生広場があり、それを取り囲むように散策路。そして、デッキテラスや東屋が点在している。街の喧騒をよそに、ゆったりとした時間の流れを感じる空間は、旅の疲れを癒す中休みにちょうどよい。

 また、みやぐりんに併設している「湯屋」も旅の疲れを癒してくれる癒やしスポットだ。大阪のお風呂屋文化がモチーフとなった湯屋は、光と影を表現した特徴的な外観を持つ浴場で、浴室の天井部分には外気と通じる天窓が開いている。天窓にはガラスはなく、湯に漬かりながら外の空気を感じられる空間になっている。のんびり湯に漬かり、湯上がりにデッキテラスで夕涼み、なんと最高なことか。

敷地の半分を占める広大なガーデンスペース「みやぐりん」。向かいの駅のホームからも丸見え。いつか途中下車してココに行ってみよう。そんな気持ちにさせる狙いがあるとか
みやぐりんの散策路にはデッキテラスや東屋が点在。湯上がりに仲間とグラスを傾ける。最高のひととき
このテラスと駅の間には日常と非日常の見えない壁が存在するのかもしれない。駅を行き交う人々はいつかその非日常空間に行ってみたい! そう思うはずだ
みやぐりんに併設している「湯屋」。大阪のお風呂屋文化がモチーフ。天窓にはガラスなどがなく、外の空気が直接入ってくる。もちろん雨が降れば水も入ってくるそうだが、それもまた趣深いとのこと

 OMO7大阪のある新今宮は、大阪ダウンタウンのシンボル「通天閣」を中心とした新世界の入口でもある。たこ焼き、お好み焼きに代表される「粉もん」や串カツなど、これぞ大阪の食文化というような美味しい食べ物であふれかえっている。そんな大阪グルメもOMO7大阪の手に掛かればひと味違った側面を見せてくれる。

「OMOダイニング」では、「大阪の食の本質を表現する」をテーマに大阪の食文化に独自のアレンジを加えた2種類のディナーコースを用意している。「Naniwa Neo Classic」と題したコースでは、フランス料理をベースに大阪の郷土料理である箱寿司や船場汁などをアレンジ。そしてもう1つは「Naniwa KUSHI Cuisine」と題して串カツをアレンジ。味も見た目も斬新な串料理に仕上げられている。

 オリジナルの箱寿司や串カツ、そしてアレンジされたこの2つのコース。1日目、2日目と食べ比べてみるのもおもしろいかもしれない。

夕食を提供するOMOダイニング。大阪の食文化に独自のアレンジを加えたメニューが楽しめる
こちらは「Naniwa Neo Classic」。箱寿司をモチーフにしたメニューの一例
「Naniwa KUSHI Cuisine」は串カツをアレンジ。真ん中二つの銀の小さな器は、二度漬け禁止で名高いソースの入れ物を表現しているとか

 朝食はビュッフェスタイルになっている。実際に目の前の鉄板で調理されたねぎ焼きや、出汁香るうどん、そして削り立てのかつお節など1日の活力の源になるメニューをたくさん用意している。また、地元の木津卸売市場のお店から「わたしらが作ったお惣菜食べてみてー!」と題して各種さまざまなお惣菜やお漬物などが提供されている。

朝食は和洋食のビュッフェスタイル。目の前で調理してくれる「ねぎ焼き」や「うどん」のほかにもさまざまなメニューが用意されている
削りたてのかつお節をふんだんにかけた「ねぎ焼き」と「うどん」。削りたてのかつお節の香りは絶品。特に出汁にはこだわっているそうだ
OMO7大阪からほど近い木津卸売市場のお店から提供されているお惣菜の数々も朝食で味わえる

 そのほかにも1日を通して利用できる「OMOカフェ&バル」では、大阪の喫茶店では定番のミックスジュースをソフトクリームにアレンジしたり、たこ焼きがスイーツにアレンジされていたり、一瞬「えっ!?」となるような大阪の定番グルメをモチーフにしたスイーツなどが楽しめる。

1日を通して利用できる「OMOカフェ&バル」。大阪ならではのグルメを、驚きのアレンジで提供
たこ焼きだけどスイーツ。見た目と味のギャップに思わず笑みがこぼれるに違いない

 まさに「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」というOMOのブランドコンセプトを忠実に踏襲したOMO7大阪。旅を楽しむためのさまざまな仕掛けが随所に散りばめられ、いやが上にもテンションは上がる。

 ところで、OMOのあとの「7」という数字。これはOMOブランドのサービスの「幅」を表わしている。東京に次いで2番目に大きな都市・大阪。ある意味、ホテル側が仕掛けをしなくても、大都市なら何でもあって揃って楽しめる。そこにあえてOMOブランドのフルサービスを提供する「7」を冠したホテルを開業するのは、これまでの既成概念を壊し、大阪の新しい楽しみ方を提供したいという星野リゾート意気込みを感じる。

 星野リゾート 代表の星野佳路氏は、国内観光市場について「コロナ禍におけるインバウンド需要はいつ戻ってくるのか?とよく聞かれる。インバウンド需要が戻ってくるまでは逆に海外旅行も行けないが、これまで海外旅行を選んでいた客層が行き先を日本国内に代えており、プラスに働いている。十分国内市場で大丈夫なはずだ。インバウンド需要はこの先2~3年かけてゆっくりと戻すしかない。大阪万博を目指して少しずつ戻していけばいい」と語った。この言葉の裏には、国内の観光市場はまだまだ工夫の余地があり、星野リゾートならそれができるという自信のようなものを感じた。

株式会社星野リゾート 代表 星野佳路氏