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マムート、160周年プロジェクト発表会でアンバサダーに柴咲コウが就任。夏には登山・氷河ツアーも計画
2022年3月11日 19:10
- 2022年3月9日 実施
アウトドア用品を手掛けるマムートは、2022年に創業160周年を迎える。1862年にロープメーカーとしてスイスで誕生し、その後は登山用道具をはじめ、さまざまなアイテムを生み出してきた。長年にわたり愛されてきたブランドとして、160周年記念企画「マムート160周年記念プロジェクト ~すべては山を楽しむ為に~」を3月10日から始動し、2022年末まで行なう予定だ。
今回、同プロジェクトを開始するにあたり、俳優・アーティストである柴咲コウさんをマムート160周年記念プロジェクトアンバサダーに任命したことを発表した。
発表会の冒頭では、マムート・スポーツグループジャパンの代表取締役社長 CEOである福田太一氏が、マムートの概要や環境への取り組み、160周年記念プロジェクトについて説明した。
マムートの受け継がれてきた理念として、ロープメーカーを出発点とする製品への妥協なき品質、アスリートが納得する使い勝手と機能性、アウトドアフィールドを楽しむための製品なので地球環境への徹底した配慮などを挙げた。現在の基本事業としては、祖業であるロープやアバランチセーフティのビーコン、バックパックなどの登山用ハードウェア、現在7割の売上を占めるアパレル、売上が伸長しているフットウェアの3部門があることを紹介した。
環境については、1862年~2022年の間に世界中の氷河の50%以上が消失したと言われていることを紹介し、2021年は「氷河のために」といった保全活動を行なったことを報告した。企業としては、「企業活動を地球の環境保全を強く意識したプロセスに転換していくこと」「地球環境への意識改革を行なうことで環境保全活動を推進していくこと」を基軸とし、社会的に認められた環境保全事業や団体が掲げる基準に自分たちのプロセスを合わせていく、パートナーシップを組むといった活動を行なっている。
ヨーロッパの企業であることから社会問題に対しては非常に関心が高く、現在、世界中が憂慮しているウクライナ情勢については先週の時点で物資提供などアナウンスして実行しており、「社会変化について非常に感度の高い企業と言えます」と説明した。
マムート160周年記念プロジェクトについては、「Create A World Moved By Mountain」を合言葉に3つのイベントを計画している。
第1弾は3月10日から13日にかけて渋谷・MIYASHITA PARKのSAI Galleryで行なう展示会「マムート160年にわたるイノベーション展 ~すべては山を楽しむ為に~」を紹介。マムートの歴史から革新的な製品のヒストリー、日本の美しい山景色の写真展で構成されている。入場は無料だ。
第2弾は「日本の守るべき美しい山景色」登山ツアープロジェクトを計画しており、5月から8月にかけて3つの日本の山「赤岳」「旭岳」「宮城蔵王」に参加者を募って訪れる予定だ。8月から9月には、日本に残された氷河「北アルプス、立山 内蔵助氷河」を登るプロジェクト「氷河のある世界のために」も予定している。
第3弾は「山の日特別授業」として、守るべき日本の美しい氷河を題材に、子供たちに環境保護の大切さを伝える特別授業を8月10日に開催するとしている。
気温の上昇により溶け出す氷河を守ることが、地球の環境保全に役立つと取り組みを行なってきたマムート。その氷河は実は日本にもあることを富山県立立山カルデラ砂防博物館学芸員で日本山岳ガイド協会理事、マムートではアドバイザーを務める飯田肇氏が説明した。
日本においては気温の高さから氷河は存在しないと言われてきたが、氷河のある地域に見られる峰の形状が日本の山でも確認されていることから調査は始まった。その結果、現在のところ北アルプスを中心に7つの氷河が確認されているとのことだ。その一つである立山 内蔵助氷河は規模は小さいながらも氷河らしい特徴が見られ、例えば30m近い竪穴や1700年前にできた氷の層があることも紹介した。
トークショーでは、マムート160周年記念プロジェクトアンバサダーに就任した柴咲コウさんが160周年記念モデルを身にまとって登場した。
マムートに対して自身が持っているイメージを聞かれると、「プロ仕様でしっかりとした機能性があるブランドで安心感があります」と答え、「ロゴもカワイイですよね」と話した。
最近は登山にはまっていることを紹介されると、都会暮らしの反動で自然のなかにずっといたいという思いが沸き上がるようになったと話し、自身が経営する会社のスタッフとともに御岳山に登ったことが思い出に残っていると振り返っていた。ほか、北海道の旭岳に行ったときは、夏ではあったが都会との気温差を考えず半袖で寒い思いをしたという失敗エピソードも披露した。
現在は自然環境の保護や人間との共存について関心があるそうで、特にジビエなど、仕方がなく駆除されてしまった動物たちの命を大切に使わせてもらう製品や仕組みなどを作れないか思案していることも明かした。アンバサダー就任に対しての意気込みを聞かれると、キャンパーが増えていることに触れ「キャンプをこよなく愛する人たちからいろいろと教わって、自分自身がもっと体験していきたいと思います」とし、アウトドアに積極的に関わって情報を発信していきたいと話した。