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スターフライヤー、退役したA320(JA23MC)に感謝の清掃。寄せ書きで「思い出をありがとう」

2021年11月1日 実施

スターフライヤーのJA23MCが退役し社員による清掃と寄せ書きが行なわれた

 スターフライヤーは、9月30日に退役したエアバス A320-200型機(登録記号:JA23MC)が日本を離れる前に社員有志による機内清掃を行なった。

 11月1日午前、本拠地である北九州空港敷地内にあるメンテナンスセンター(格納庫)にて、社員24名が集まり、ねぎらいのクリーニングをするとともに感謝の言葉を機体に寄せ書きした。

 JA23MCは、2014年1月に受領し、運航期間は約7年8か月。スターフライヤー独自のブラックとホワイトのカラーリングの境目に、ゴールドのラインが引かれた特別塗装機でもある。また機体後部上方には「Spirit of Kitakyushu」のメッセージが入る唯一の機体でもあった。先日、先んじて退役したJA08MCにもゴールドのラインが施されていたが、JA23MCがリース元に返却されるとゴールドライン入りの機体はなくなってしまう。

 メンテナンスセンターに佇むJA23MCは、すでに垂直尾翼のロゴなどが剥がされ、残るは基本的なカラーリングとレジ番(登録記号)のみ。社内の募集で集まった社員有志たちによって、機内清掃が始まろうとしていた。

 外部電源が接続され、機内照明が点灯すると、バケツなどの掃除道具を手にした社員たちが機内に乗り込んでいく。機内では、客席やコクピット、ギャレーなどに別れて通常では行き届かない箇所を丁寧に拭き掃除。ブラックのレザーシートやシートモニターが特徴のスターフライヤーの機材だが、荷物棚や壁に至るまで念入りに拭かれていた。

 途中、後発の社員も到着して交代しつつ、できる限り過密にならないような配慮がされていた。

ロゴマークなどが剥がされたJA23MC

メンテナンスセンター内に佇むJA23MC
垂直尾翼のロゴと「Spirit of Kitakyushu」の文字は消されていた
機首
正面から
主翼の付け根付近は塗装剥がれの箇所が確認できた
機体左側。前方の「STARFLYER」の文字が消されていた
垂直尾翼のロゴも消えている。左側はブラック、右側はホワイトの塗装がスターフライヤーのカラーリングの特徴
機体後方から
エンジンにはカバーがかけられていた。
ノーズギア
メインギア
メンテナンスセンターの扉にはスターフライヤーマンが安全を啓蒙

機内清掃スタート

CAやパイロットだけでなく、整備士やバックオフィス勤務のスタッフなど多くの課から集結
清掃開始
通常業務では手の届かない箇所を丁寧に拭き上げる
清掃中、9月30日に行なわれたラストフライト用のスライドデータを放映
清掃時間も終わりに近づき、スタッフが「当機はあと5分ほどで……」と通常運航時のアナウンスさながらの終了時刻を告知

寄せ書きは機首下側に

寄せ書きをする箇所は機首の下側
スタッフが7年8か月分の思い出と感謝の意を書き添えていく
油性マジックでも上空で剥がれ落ちてしまうとのこと
ドアの白い枠を利用して寄せ書きを行なうスタッフもいた
記念撮影
参加スタッフ全員で記念撮影

 11月8日には、リース元への返却を行なうためのフェリーフライトが控えている。同日13時30分に北九州空港を発ち、北九州~女満別、女満別~アンカレッジと経由しながら最終目的地であるアリゾナ州ツーソンに到着する予定。計4名のパイロットで行なう。

 今回の退役により、スターフライヤーは合計11機で運航する。