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コールマン、2022年の新製品発表会。ソロキャンパー用オールインワン製品や暑さ対策テントなど

2021年9月13日 発表

コールマンの2022年度オンライン新製品展示会

 コールマン ジャパンは2022年度のコールマン・オンライン新製品展示会を開催し、新製品やアウトドアの市場について紹介した。

 2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響により、オートキャンプ場の利用者は前年の860万人から610万人へと30%の落ち込みを見せたが、アウトドア用品の売上は753億円から876億円と16.3%の伸長を見せた。利用客は一時的に減少したが、アウトドア用品の売上を含め、2011年から右肩上がりに伸びている市場であるという。

 この背景には、キャンプがライフスタイルの一部として浸透しつつあると同社は分析しており、SNSによる個人の情報発信を含め、多くのメディアなどで取り上げられたのも大きいとしている。また、個人で楽しむソロキャンプなど、新しいスタイルがトレンドとして多くの人に受け入れられていることも紹介した。コロナ禍においては逆に3密を避けるアクティビティとしても人気が高まっているので、アウトドア用品の市場は今後も成長が見込めるとのこと。

ダークルームシリーズの後継モデルとして6製品が登場。写真は「ツーリングドームエアー/LX+」

 2022年の新製品は、従来からキャンプ市場を牽引するファミリーを対象とした「ファミリーキャンプビギナー」と、昨今増えている少人数による「シングル・グループキャンパー」をターゲットにしているのが特徴だ。

 ファミリーキャンプビギナーでは、「サマーファミリーキャンプ」「パークキャンプ」「おうちキャンプ」の3テーマにフォーカスし、夏の暑さ対策に力を入れた「クーリングギア」を随所に取り入れることで快適性をアップさせている。ファミリー層が出かけるのは夏休みが中心ということで、最近は暑さ対策を施した新素材が登場し、実用性の高い製品が売場でも人気を集めている。

発表会では「ツーリングドームエアー/ST+」を実際に設置して紹介した

 そこで同社も暑さ対策をメインに掲げた新製品を投入する。厚手のフライシートを採用し、太陽光を90%以上遮光できることで人気がある「ダークルーム」シリーズの後継モデルとして登場するのは、リビング付きの大型テント「タフスクリーン2ルームエアー/LDX+」(9万9800円)と「タフスクリーン2ルームエアー/MDX+」(8万9800円)、ヘキサタープが付属する「タフドームエアー/240+ヘキサセット」(5万4800円)、4~5人用の「タフドームエアー/3025+」(4万9800円)、2~3人用の「ツーリングドームエアー/LX+」(2万7800円)、1~2人用の「ツーリングドームエアー/ST+」(2万3800円)の6製品だ。

 サイズや付属品などの違いはあるが、共通しているのは暑さ対策として「ワイドエアメッシュ」を採用し、別売りの「リバーシブルファンベンチレーション」を取り付けることが可能な点だ。ワイドエアメッシュは従来の製品よりも通気性が1.5倍にアップしているのが特徴で、リバーシブルファンベンチレーションはテント上部に設けられた専用設置場所に取り付けることでテント内の空気を強制的に排出し、下から上へと自然な空気の流れを生み出すことができる。光をしっかりと遮り、フレッシュな外気を取り入れ、熱は上部から逃がす仕組みだ。これらによりテント内は快適な空間となり、サマーキャンプにはうってつけの製品と言える。

オプションの「リバーシブルファンベンチレーション」。市販のモバイルバッテリーが電源になる。フィンの取り付け向きを変えることで排気と吸気を切り替えられ、風量は2段階で調整可能だ
ダークルームシリーズの特徴である厚手のフライシートは遮光率90%以上
ワイドエアメッシュを採用したことにより、従来製品より1.5倍ほど通気性がよくなった
リバーシブルファンベンチレーションを取り付けることができ、モバイルバッテリー用のポケットも用意されている。熱気と湿気を排出することで、体感温度を2~3度下げることができるそうだ

 シングル・グループキャンパーについては、「スマートソロキャンプ」「デュオキャンプ」をテーマに新製品を投入する。発表会ではスマートソロキャンプ用の製品「ソロキャンプスタートパッケージ」(7万6800円)が紹介された。この製品は「クルマがなくても大丈夫。バックひとつでスマートキャンプへ出かけよう。」をコミュニケーションワードに掲げ、キャンプ道具を無理なく運べる「コンパクトギア」をコンセプトに開発されている。

ソロキャンパー向けの新製品「ソロキャンプスタートパッケージ」
キャンプに必要なアイテムがそろっており、これ一つですぐに出かけられる。また、すぐに持ち運べる防災用グッズとしても活用できる

 特徴は何と言っても、ソロキャンプに必要なアイテムが一つのキャリーケースに収まっていることだ。テントをはじめ、シュラフにマット、チェアとテーブル、焚火台に焚火シート、LEDランタンや調理器具などが、キャスターの付いたキャリーケースに収められている。キャリーケースは約40×30×70cmの大きさで、装備を含めた重さは約16kg。軽くはないがコンパクトにまとめられているので、電車や飛行機を使って遠方に出かけることもできる。引き取ってくれる人がいるなら宅配便で送ることも可能だ。このようにソロキャンプスタートパッケージは、ソロキャンパーでもしっかりとした装備を持ち運べるのが最大の特徴。しかも、選りすぐりのアイテムが最初からそろっているので、ビギナーでもあれこれ悩むことなく、これ一つで始められるのもポイントだ。

実際にテントを設置して、同梱されているアイテムを並べたところ。テントや寝具、キャリーケースのカラーリングは統一されている
キャスターと伸縮する取っ手が付いているので、スーツケースのように引いて運べる
背負えるようにショルダーベルトも備えている
宅配便の伝票を入れるポケットも付いている

 同社は製品を売るだけでなく、長く使ってもらえるような取り組みも推進している。千葉県流山市にあるプロダクトセンターでは修理に必要なパーツがほぼそろっており、製品が廃番になってもしばらくはパーツをストックしているので安心して長く使える旨を紹介。また、ユーザーが自分で修理やメンテナンスができるようにメンテナンス方法の紹介や講習会も開催している。

 返品された製品は修理を行なって再生品としてアウトレット販売で再度売り出し、廃棄品の抑制にも力を入れている。また新しい試みとして、6月より「MFYR(MOVEMENT FOR YOUR RIGHT)」プロジェクトを立ち上げ、やむなく返品となった製品をアップサイクルする取り組みも始めた。第1弾としてテントを思わせるデザインのバックを製作したが、数量が少ないのと話題性もあり、すべて完売となっている。このように新製品を出すだけでなく、環境を考えた施策を今後も続けていくとしている。

アウトドア用品のリーディングカンパニーとして、自然環境への負荷を軽減する取り組みを推進