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名二環がまもなく全線開通。写真で分かる名古屋西JCT~飛島JCTの新規開通部
2021年4月26日 13:10
- 2021年5月1日 開通
国土交通省 中部地方整備局とNEXCO中日本は4月23日、開通を5月1日に控える名古屋第二環状自動車道(名二環/C2)名古屋西JCT~飛島(とびしま)JCT間の報道関係者向け現場見学会を実施した。
名二環は名古屋市街部をぐるりとカバーする延長54.3kmの高規格道路。これまでに名古屋南JCTから反時計回りに名古屋西JCTまで開通しており、今回残る12.2kmが完成したことにより全線が開通。
同時に、伊勢湾岸自動車道(E1A)の一部(延長11.9km)を加えた専用部、並行して敷設する国道302号(延長58.6km)の一般部からなる「名古屋環状2号線(専用部延長66.2km)」が全線完成。いよいよ環状道路として機能を発揮することになる。
名古屋第二環状自動車道開通の歴史
1988年: 名古屋西JCT~清州東IC、8.5km
1991年: 清州東IC~勝川IC、8.7km
1993年: 名古屋IC~勝川IC、11.0km
2003年: 上社JCT~高針JCT、2.7km
2011年: 高針JCT~名古屋南JCT、12.7km
開通区間の概要
都市計画決定: 1982年11月
事業化: 2009年度
工事開始: 2012年度
区間: 名古屋西JCT~飛島JCT
延長: 12.2km
道路規格: 第2種第1級
設計速度: 60km/h
車線数: 4車線
通過市町村: 名古屋市中川区、港区、飛島村
見学会に出席した国土交通省 中部地方整備局 愛知国道事務所 事務所長の平井親一氏は、今回の開通により「環状道路として整備されることになり、名古屋都市圏の交通渋滞の緩和、物流配送コストの低減、災害時の道路ネットワークの確保」が期待できるとコメント。具体的には名古屋港と尾張北部地域を往復した場合「約50分短縮される」という。また、「地域の安全安心を担っている」ことから、「災害時などに企業の活動が途切れずに行なえることを期待する」と述べた。
開通を機に、5月1日から名二環および名古屋高速道路は均一料金制から対距離料金制に変更する。
基本的に起点~終点の最短距離で計算されることになり、例えば名古屋高速が渋滞していた場合、名二環に迂回して距離が長くなっても同様の料金で利用することが可能になる。経路によって値上げになる場合、値下げになる場合があるため、詳細はNEXCO中日本のWebサイトでチェックしてほしい。
名古屋西JCT
名古屋高速5号 万場線、東名阪道(E23)、名二環の既開通部分が交わるジャンクション。すべての方向に行き来が可能な構造となっている。
NEXCO中日本 名古屋支社 名古屋工事事務所 所長の安藤博文氏は、このジャンクションはすでに供用されている路線に新たな道路を追加するため、狭い場所での作業が必要になったと説明。
通常、橋脚の上に桁を乗せる場合はクレーンで吊り上げるが、今回はそれができないことから桁を台車で橋脚の下まで移動して持ち上げて設置することになったという。また、一番下にある国道とのクリアランスも狭いことから、メンテナンス用に桁下に幕を張る構造の「幕足場」を設けた。この幕はドーム球場の屋根などにも利用されているもので、ガラス繊維をフッ素樹脂でコーティングした素材。ある程度光を通すので作業性もよいそうだ。また、照明に関しても維持管理性を重視して低位置に設置されていると述べた。