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名二環がまもなく全線開通。写真で分かる名古屋西JCT~飛島JCTの新規開通部

2021年5月1日 開通

名古屋第二環状自動車道 名古屋西JCT~飛島JCT間が5月1日にいよいよ開通する

 国土交通省 中部地方整備局とNEXCO中日本は4月23日、開通を5月1日に控える名古屋第二環状自動車道(名二環/C2)名古屋西JCT~飛島(とびしま)JCT間の報道関係者向け現場見学会を実施した。

 名二環は名古屋市街部をぐるりとカバーする延長54.3kmの高規格道路。これまでに名古屋南JCTから反時計回りに名古屋西JCTまで開通しており、今回残る12.2kmが完成したことにより全線が開通。

 同時に、伊勢湾岸自動車道(E1A)の一部(延長11.9km)を加えた専用部、並行して敷設する国道302号(延長58.6km)の一般部からなる「名古屋環状2号線(専用部延長66.2km)」が全線完成。いよいよ環状道路として機能を発揮することになる。

名古屋第二環状自動車道開通の歴史

1988年: 名古屋西JCT~清州東IC、8.5km
1991年: 清州東IC~勝川IC、8.7km
1993年: 名古屋IC~勝川IC、11.0km
2003年: 上社JCT~高針JCT、2.7km
2011年: 高針JCT~名古屋南JCT、12.7km

開通区間の概要

都市計画決定: 1982年11月
事業化: 2009年度
工事開始: 2012年度
区間: 名古屋西JCT~飛島JCT
延長: 12.2km
道路規格: 第2種第1級
設計速度: 60km/h
車線数: 4車線
通過市町村: 名古屋市中川区、港区、飛島村

 見学会に出席した国土交通省 中部地方整備局 愛知国道事務所 事務所長の平井親一氏は、今回の開通により「環状道路として整備されることになり、名古屋都市圏の交通渋滞の緩和、物流配送コストの低減、災害時の道路ネットワークの確保」が期待できるとコメント。具体的には名古屋港と尾張北部地域を往復した場合「約50分短縮される」という。また、「地域の安全安心を担っている」ことから、「災害時などに企業の活動が途切れずに行なえることを期待する」と述べた。

国土交通省 中部地方整備局 愛知国道事務所 事務所長 平井親一氏
開通区間の事業進捗
開通区間の概要

 開通を機に、5月1日から名二環および名古屋高速道路は均一料金制から対距離料金制に変更する。

 基本的に起点~終点の最短距離で計算されることになり、例えば名古屋高速が渋滞していた場合、名二環に迂回して距離が長くなっても同様の料金で利用することが可能になる。経路によって値上げになる場合、値下げになる場合があるため、詳細はNEXCO中日本のWebサイトでチェックしてほしい。

名古屋西JCT

 名古屋高速5号 万場線、東名阪道(E23)、名二環の既開通部分が交わるジャンクション。すべての方向に行き来が可能な構造となっている。

 NEXCO中日本 名古屋支社 名古屋工事事務所 所長の安藤博文氏は、このジャンクションはすでに供用されている路線に新たな道路を追加するため、狭い場所での作業が必要になったと説明。

 通常、橋脚の上に桁を乗せる場合はクレーンで吊り上げるが、今回はそれができないことから桁を台車で橋脚の下まで移動して持ち上げて設置することになったという。また、一番下にある国道とのクリアランスも狭いことから、メンテナンス用に桁下に幕を張る構造の「幕足場」を設けた。この幕はドーム球場の屋根などにも利用されているもので、ガラス繊維をフッ素樹脂でコーティングした素材。ある程度光を通すので作業性もよいそうだ。また、照明に関しても維持管理性を重視して低位置に設置されていると述べた。

中日本高速道路株式会社 名古屋支社 名古屋工事事務所 所長 安藤博文氏
名古屋西JCT周辺
移動台車を使って桁を設置場所まで移動
メンテナンス用に設けられた幕足場
低位置照明を採用
南陽IC周辺
富田IC周辺
名二環内回り本線上から見た名古屋西JCT。右手に少しだけ見えているのは千音寺南IC
右奥が名二環清洲JCT方向。名古屋西JCTは全方向の行き来が可能なため入り組んだ構造になっている
低い位置に設置されたLED照明
富田IC出口(内回り)
富田IC入口(内回り)。右手に見えるのはイオン南陽店
南陽IC手前から飛島JCT方向(内回り)
情報表示板
南陽IC出口(内回り)
日光川を渡るために緩やかに右カーブ
南陽IC。内回り料金所

尾張日光川橋(飛島大橋)

 日光川にかかる橋梁。名二環と国道302号はほとんどの場所で上下2層構造となっているが、ここは左右に大きく広がる構造になる。

南陽IC入口付近から見た尾張日光川橋
尾張日光川橋。橋長は706m。右手では国道302号の4車線化工事が進行中。現在は左手の対面2車線だが完成すれば片側2車線道路になる
尾張日光川橋上から飛島JCT方面
飛島北IC付近
路面は高機能舗装を採用
固定式規制標識
看板など
固定式規制標識。工事などの際に移動式規制標識を設置せずに済むため省力化、安全性向上に寄与
逸脱防止を知らせる凹み。舗装が固まる前にローラーで押し込んで成形する
白線上に突起が設けられた従来のタイプ。除雪時に障害となるため減少傾向
グレーチングはボルト留め
国道23号とのジャンクションとなる飛島北IC(内回り)

飛島JCT

 伊勢湾岸道との分岐点。伊勢湾岸道をオーバーパスするために大型クレーンで桁を吊り上げて架設している。

飛島JCT方面の案内(内回り)
飛島JCT付近
飛島JCTの架設状況(2018年2月)
飛島JCTの架設状況(2019年2月)
飛島本線料金所
料金所とジャンクションの案内
名二環側から見た飛島本線料金所
料金所ゲート
ETC専用レーン
料金所先の分岐。見た目と逆に四日市方面が左、豊田方面が右に分岐となる
伊勢湾岸自動車道側から見た飛島本線料金所