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Airbnb Japanの旅行意識調査、コロナ後は“つながり”重視

代表取締役の田邉氏、ワーケーションきっかけで働き方に変化

2021年3月2日 発表

Airbnb Japan 代表取締役の田邉泰之氏

 Airbnb Japanは、「国内感染拡大収束後の未来の旅行に関する意識調査」の結果を発表した。2月4日~8日に全国の1008人を対象にオンラインで調査したもの。

 調査は、新型コロナウイルスのパンデミックが収束した際の旅行意欲を確認したもので、63%が最初の旅行は「パートナーや家族と一緒に行く」と回答。宿泊施設を決める際に最も重視することについては、「手頃な価格」(65%)、「安全性や衛生規定がしっかりしていること」(42%)の順で多かった。

 このほか、同調査では、収入が高い人ほど旅行に積極的で、まずは自然が豊かな近場への旅行を希望する傾向が強いことなどが明らかにされている。

国内感染拡大収束後の未来の旅行に関する意識調査

 調査結果の発表にあたり、同社 代表取締役の田邉泰之氏は本誌のオンライン取材に応じ、「コロナ禍でなかなか旅に出られなかった、人とつながりを持てなかったというところから、旅に出たいという気持ちは全世界共通であるのだと感じた。今後、間違いなく力強い旅行需要は戻ってくると考えているので、我々ができるのは、ホスト向け・ゲスト向けにプラットフォームとしてのサービスを向上していくこと。プロダクトを含めて引き続き改修していき、より快適に旅行できるようにしていく」とコメントした。

ワーケーション体験で目から鱗が落ちる

 田邉氏によれば、同社が都内のオフィスをクローズして約1年が経過。オフィスで働かなくなったことで、働き方や時間の使い方を考え直したという。

「きっかけになったのは、ワーケーションしたとき。せっかく田舎の庭付きの一軒家を借りたのに、日中ずっと働いているのはもったいない、ということで、その日に絶対やらなきゃいけないことと、日中じゃなくていいサンフランシスコの対応といった風に、仕事を分解した。午前中にしっかり働き、日中に2~3時間自分の時間を作り、調理も含めて晩ごはんの時間もしっかり取って、サンフランシスコが起きる前に夜にまた仕事をする。職種にもよるが、その日の仕事の内容を分解してパッケージ化することで、働きやすくなる」という。

 今や国策の一つともなったワーケーションの推進だが、コロナ禍においてニーズの変化も起きてきている。同氏によれば、従来はインバウンド向けがメインだったため、インターネット環境はモバイルWi-Fiルーターで大きな支障はなかったが、光ファイバーなどのブロードバンド回線を求める声が大きくなってきており、仕事ができる机や駐車場など、ゲストから求められる要素が変化してきている。このため、リスティングの物件の詳細情報を変えていく、といった施策もホストとともに進めてきたという。

 また、せっかくのワーケーションとなれば、1泊や2泊といった短期間ではなく、1週間以上の長期滞在が理想的。ホストたちの間でも長期割引を適用すると予約が入りやすいといったノウハウが共有されており、コロナ禍においてワーケーションが一歩ずつ現実的な形に進化しはじめている。