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Airbnb、衛生的な宿泊先が検索できる「Airbnb清掃スタンダード」を説明。チェックリスト式でホスト/ゲストに清潔さの基準を示す

2020年6月25日 発表

Airbnbがコロナ後の取り組みについて説明した。画像はAirbnb Japan株式会社 代表取締役 田邉泰之氏

 Airbnb Japanは6月25日、オンライン会見を開いてコロナ後の日本における取り組みを紹介した。

 国内の利用傾向については代表取締役の田邉泰之氏から説明があり、6月7日から13日までに入った今後の国内予約は前年同時期比で78%増、特にこの先1~2か月の夏休み時期の予約は先月(5月)に比べて約300%伸びており、国内旅行予約に回復の兆しが見えるという。

 そのなかでも、予約者の所在地から80km圏内の近場の予約が前年同時期比で1.6倍、宿泊施設は貸し切りタイプが全体の80%を占め、「密を避けた近場」に人気が集まっていることが分かる。また、28泊以上の長期滞在は1.57倍に伸びており、長期のワーケーション需要も強くなりつつある。

 実際、アメニティ(設備)検索のトップは上から「キッチン付き」「Wi-Fi付き」「エアコン付き」「敷地内無料駐車場」「洗濯機付き」になっており、写真を見て検討するユーザーも多く、ワーケーションやブレジャーでの利用をうかがわせるものになっているという。目的地は東京、大阪、京都がトップ3を占めるなか、名護市と那覇市がトップ10に食い込み、沖縄県自体も7位に入るなど、夏休み時期の注目の高さがよく分かる結果になっている。

 こうした状況下で同社は国内旅行需要を喚起すべく、「Go Near 身近にある、特別な旅」と名付けたキャンペーンを展開していく。施設の検索オプションに「周辺エリアの宿泊先」を用意して近場を探しやすくするほか、6月30日からは夏旅キャンペーンも実施予定になっている。

近場の旅行先やオンライン体験に注目したキャンペーンを展開する
Airbnb Japan株式会社 ホームシェアリング事業 統括本部 本部長 森厚雄氏

 一方で、コロナ禍では宿泊施設の清潔さや衛生面の重要性が増していることを同社も認識しており、ホスト向けに清掃手順を5段階で示した「日本語版Airbnb清掃ハンドブック」を6月15日から提供している。

 以前から、全体のレビューのうち94%以上で「清潔さに満足している」という回答を残しているとのことだが、より強化した清掃基準の標準化を目指して、Airbnbでは元米国公衆衛生局長官のVivek Murthy博士に監修を依頼、「Airbnb清掃スタンダード」を策定している。

 清掃項目をチェックリスト化することで手順や何をきれいにすべきかを明確にしており、ゲスト向けには清掃時に心がけている点や清掃日時、清掃担当者などを示すシートを用意して、ホスト側の清掃ポリシーを示せるようにする。この取り組みについて、ホームシェアリング事業 統括本部 本部長の森厚雄氏は、「清掃の頻度の情報が求められており、ホストのなかには『こんなものを使って清掃している』という写真をアップする人もいる」と説明した。

 本プログラムへの参加を表明したホストの施設ページにはバッジ(Enhanced Clean)を表示するようになり、検索時に反映される。とはいえ、実際にどの程度清掃されているか、清潔さが保たれているかについては利用してみるまで分からないが、森氏は清掃についても従来どおりゲストからのフィードバック(レビューの投稿)という形で施設に対する評価がホストに向けられるという。つまり、清掃以外の項目と同様に、利用者からのフィードバックの積み重ねで改善が進むということになる。

チェックリスト式の清掃手順を用意することでホスト/ゲストに清潔さ・衛生の基準を示す