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東京都、葛西臨海水族館の建て替え計画公表。“海への理解深める施設”として2026年度開園目指す。パブコメ募集

2019年12月26日 公表

2019年12月26日~2020年1月25日 意見募集

東京都が葛西臨海水族館の建て替え事業計画を公表。パブコメの募集を開始した

 東京都は12月26日、葛西臨海水族館の老朽化、社会背景の変化に伴う建て替えについて、その事業計画を公表するとともに、パブリックコメントの募集を開始した。パブコメは2020年1月25日まで受け付ける。

 葛西臨海水族館は1989年に上野動物園から移転する格好で開園。ガラスドームが特徴で、クロマグロが群泳する当時国内最大規模のドーナツ型水槽などを有し、7つの産みの生き物を展示している。

 東京都では2019年1月に「葛西臨海水族館の更新に向けた基本構想」を策定。「産みと接する機会を創出し、海と人とのつながりを通して海への理解を深める水族館」を新たな理念に新たな姿を計画した。

 施設は、現状の使用面積1万9400m 2 から、2万2500m 2 へ拡大。バリアフリー対応などアクセシビリティを向上させ、あらゆる空間で海を感じられる演出を行なう。また、来館者が自由にルートを選べる配置とし、繁忙期でも滞留が発生しない動線を考慮するとしている。

 展示の内容については、「海の生態系をリアルに再現」「ICT等の最新技術の活用」「物理的・心理的な距離を表す展示テーマ『近い海』『遠い海』の設定」「人の営みと海との関係性を伝える『ねらい』に沿った展示づくりで、学習効果を向上」といった展示、空間とする計画。

 外洋の生態系を展示する水槽の水量は3000トンとすることでマグロの安定した産卵を狙うほか、多彩な珊瑚や魚類を展示する珊瑚礁の生態系をイメージした水槽などを設置する。

 今後、2020~2021年度に整備水準の検討や事業手続きを行ない、設計から工事、開園準備を2022~2026年に実施。2026年度の開園を目指す。

展示テーマとして「近い海」「遠い海」を設定し、構成や水量を検討する
外洋の生態系を展示する水槽のイメージ
珊瑚礁の水槽のイメージ
学習・体験スペースの空間イメージ
園内の配置イメージ
展示ごとの水槽設定