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KLMオランダ航空、創立100周年会見。バイオ燃料は日本路線の導入も検討。「FLYING-V」は小型プロトタイプで近く試験飛行
2019年10月10日 18:44
- 2019年10月10日 実施
KLMオランダ航空は10月10日、駐日オランダ王国大使館で会見を開き、7日に迎えた創立100周年について説明した。
また同日、「Fly Responsibly-責任ある航行」と名付けたコミットメントを公開し、具体的には、今後環境保護のために500km以下の路線については鉄道会社と連携し、飛行機以外の移動手段を視野に入れて路線計画を進めるという。実際、2020年3月からは週5便で運航するアムステルダム~ブリュッセル線を1便減便、高速鉄道タリスと提携してKLMのチケットと同様に販売することを明らかにしている。
会見では、駐日オランダ王国大使館 大使のペーター・ファン・デル・フリート氏が「100年とは立派な数字。民間航空産業は飛行機のように常に前進している。KLMも同様だ」と祝辞を述べたほか、来日したKLMオランダ航空 代表取締役社長兼CEOのピーター・エルバース氏がスライドを交えて100年を振り返った。
エルバース氏は「2002年から2005年に日本で勤務しており、私の娘は世田谷で生まれた。ここに戻ってくることができて光栄だ」と思い入れを明かし、設立当初から社名が変わらずに存続している航空会社として同社が最も長い歴史を持つこと、KLMの日本路線が68年前の1951年12月7日に初便が羽田に到着したこと、1960年代には他社に先駆けて日本人CA(客室乗務員)を採用したこと、2004年から2005年にかけてエールフランス航空と統合を果たしたことなどを紹介した。
「Fly Responsibly」では、以前から取り組んでいるバイオ燃料の導入について言及し、ロサンゼルスのプラントに続いて2022年にはオランダ国内でバイオ燃料プラントが完成する見込みになっており、現在ロサンゼルス~アムステルダム間の定期便でバイオ燃料を使用しているが、新プラント完成後は日本を含むほかの路線にも拡大していくことを検討するという。
6月にデルフト工科大学と共同発表して世界に衝撃を与えたV字形の航空機「FLYING-V」については、空気抵抗の低減で2割の燃料を削減でき、2040年から2050年に飛行を開始するというプランを紹介。また、年内をメドに小型のプロトタイプで飛行試験を行なうという。
また、エルバース氏は「過去の100年を祝うだけでなく、未来に向けても発信したい」として、デジタル化のさらなる拡大を図ること、航空業界全体の持続可能な成長を推し進めることなどを宣言。特に前者については、米国ではFacebookやWhatsapp、中国ではWeChat、インドではTata Consultancyなどと提携しており、日本ではLINEとパートナーシップを結んでいる。
これらのサービス/アプリを通じて、日本語を含む10言語で旅先の情報や運航状況案内といったサポートを行なっているほか、年内には日本の外資系航空会社としては初めて、利用者と1対1での有人Q&A対応を24時間365日実施し、LINEトーク画面での航空券予約・変更、チェックイン、座席指定などに対応するという。