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スターフライヤー、「出張で疲れないスーツ」開発。junhashimotoとコラボ

血行改善効果のある素材を採用

2019年3月25日 発表

スターフライヤーは「junhashimoto」とのコラボレーションでビジネススーツとアイマスクを開発した

 スターフライヤーは3月25日、メンズファッションブランドである「junhashimoto」とコラボレーションした、ビジネススーツ&アイマスクの「+FLOW(プラスフロー)」を開発したことを発表した。

 3月下旬からjunhashimotoの一部店舗で受注会を行ない、4月下旬より発売する。サイズはM/L/LLの3種類で、カラーはブラックとグレーの2色。価格は9万円(税別)。

発表会には+FLOWのスーツを着用したモデルも登場した

 +FLOWは、移動中や移動先での活動で気付かないうちに疲れがたまる「出張バテ」を感じているビジネスパーソン向けに開発されたビジネススーツとアイマスク。junhashimotoのオリジナル素材や、遠赤外線効果で疲れを癒やすというメディカーボン(植物性炭素繊維)などが使われている。

 スターフライヤーの代表取締役 社長執行役員の松石禎己氏は、「今回コラボレーションによって+FLOWができあがった。本業は航空会社だが、徐々に違った形で認知度を高めていきたい」と話す。そして「これからもスターフライヤーから目が離せない、また何かやるぞと思ってもらえる航空会社になっていきたい」と話した。

株式会社スターフライヤー 代表取締役 社長執行役員 松石禎己氏

 +FLOWを説明したスターフライヤー 営業本部マーケティング部の遠藤岳春氏は、同社における顧客層の1つである30~40歳代のビジネスマンについて、「出張などによって体力を削られていて、そのなかで疲れをどう払拭できるかが大きなテーマになってくるのではないかと思っている」と語る。

 さらにタイムカレントが実施した「ビジネスパーソンの『出張バテ』に関する実態調査」と題したアンケートの結果を引用しつつ、「90%以上の方が出張に伴って疲労を感じている。それを繰り返すほど疲労が蓄積していく。我々はそれを出張バテという言葉でとらえ、疲れをどう解消していけるのかということで開発を進めた」と、+FLOWの開発経緯を説明した。

株式会社スターフライヤー 営業本部マーケティング部 遠藤岳春氏

 この疲れを解消するために、+FLOWに組み込まれているのが「メディカーボン」と呼ばれる素材だ。医療目的で開発された植物性炭素繊維で、温熱治療を施す一般医療機器にも採用されているという。+FLOWでは、このメディカーボンを肩甲骨と腿の部分に利用することで、着用者の血行をよくするという。

+FLOWの概要。スーツのみでなく、メディカーボン製のアイマスクもセットになる
素材を焼き上げ炭化した植物性炭素素材であるメディカーボン

 その後行なわれたトークセッションにおいて、デザイナーとして+FLOWに携わったjunhashimotoのチーフデザイナーである橋本淳氏は、コンセプトはクラシコ(トラッドディテール)×ハイテク(機能性)だとしつつ、「機能的な部分とデザインをどう表現するのかが難しいところだった」と振り返った。

junhashimoto チーフデザイナー 橋本淳氏

 +FLOWの開発監修者であるRESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長である白濱龍太郎氏は、「メディカーボンという素材は医療用に開発された新しい素材で、一般的な医療機器にも使われている。本来であればスーツを着て移動するというのは疲れるが、(+FLOWを着ることで)逆にプラスにできるんじゃないか」と述べた。

 また、航空機内での実証実験の結果について「肩甲骨の周囲と腿の部分において、体温の上昇が認められる」と話し、血行に対してよい作用があることが+FLOWの特徴だとした。

RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長 白濱龍太郎氏

 実際に製作を担当したシタテル 代表取締役CEOである河野秀和氏は、出張バテを解消するというテーマを衣服に落とし込むのは非常に難易度が高い作業だったと説明し「どういう素材を使うべきかが課題になった。そこでメディカーボンにたどり着いたのはよかった」と話す。さらに「ここにいるプロフェッショナルな方々と綿密なディスカッションを行ない、このスーツにたどり着くことができた」と、プロジェクトの成功要因を説明した。

シタテル株式会社 代表取締役CEO 河野秀和氏