ニュース

JAL、世界遺産「三角西港」を抱える熊本県宇城市と包括連携協定。「ジャルパックの拠点を作って観光資源を発信」と溝之上氏

2019年3月19日 締結

JALと熊本県宇城市が包括連携協定を締結

 JAL(日本航空)は、多くの全国自治体と包括連携協定を結んでいるが、3月19日に九州地区では5番目となる熊本県宇城市との連携協定を締結した。宇城市は世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つである「三角西港」を擁しており、熊本県内でJALと連携協定を結ぶ自治体はこれが初めて。

 同日、宇城市役所にて締結式が行なわれ、取り組みの内容などについて発表した。

包括連携協定の締結式は宇城市役所で実施した
宇城市役所の庁議室で締結式を行なった
宇城市長 守田憲史氏と日本航空株式会社 山口・九州地区支配人 溝之上正充氏が締結式に臨んだ

 宇城市役所の庁議室では、宇城市長 守田憲史氏をはじめ市職員、JAL側からは山口・九州地区支配人の溝之上正充氏、JAL 熊本支店 支店長の柴本幸生氏らが出席し、協定書へ調印した。

 今回の包括連携協定では、大きく3つの取り組みを重点的に行なっていくとのこと。

・市内小中学校を対象とした「空育」でお仕事紹介や阿蘇くまもと空港見学など
・宇城市の「観光」や「食」に関する情報発信。Webサイトや機内誌での紹介
・宇城市ブランドの醸成。特産品の開発支援・販売協力など

今回の連携協定では、地域活性化や観光振興など、大きく3つを重点的に推進していく
協定書に調印
お互いの協定書にも調印

 式の冒頭、宇城市長 守田憲史氏があいさつ。「JALと宇城市の間に、観光振興および地域活性化に関する包括連携協定を締結できたことは、我々にとって大変心強くうれしく思っています。JALは日本全国において、圧倒的な知名度を持つ航空会社であり、これまでも全国の自治体でさまざまな連携協定を結んで貢献事業を展開されていることを聞きまして、宇城市としてもぜひ、ということになりました。

 全国にネットワークを張り巡らせているJALの蓄積された事業アイディアなどの力を借りて、宇城市の活性化につなげていきたいと思います。今朝も、ほかの町長さんから、連携協定について電話で問い合わせがきました。こうしたほかの自治体からの注目度も高いものを感じています。

 個人的に家族全員でJALカードを使用するほどのJALファンでして、日頃のショッピングなどにも活用させていただいています(笑)。昨年(2018年)はマイルの使い勝手が向上し、ますます利便性が上がりありがたい限りです」と述べた。

宇城市長 守田憲史氏

 続いて、JAL 山口・九州地区支配人の溝之上正充氏からは、「全国の自治体と連携協定を結ばせていただいており、全国で15番目、九州では5番目です。熊本県では、初めての連携協定となりました。

 昨年の秋ごろよりお話をいただいて、我々としてもできることがあれば、と。さらに(平成28年熊本地震の)復興支援という意味合いもあり、本日の協定締結となりました。

 重点的に3項目の説明がありましたが、少し具体的に申し上げますと、『人づくり』という点に関しては、弊社の次世代育成プログラムの一つとして『空育』というものがあります。食育など事業者によって違いますが、私たちが航空会社ということで、航空教室などで業務内容の紹介を行ない、地元の子供たちに空の仕事を知ってもらいます。

『観光』の情報発信についてですが、Webサイトや機内誌で紹介していくのはもちろん、ジャルパックの旅行商品についても新しい取り組みをします。九州地区、福岡にこのたび仕入れセンターを設けることとなりました。拠点を作ることによって、地域とのコミュニケーションが進み、より魅力的な観光資源のツアー商品がご紹介できるようになる、と感じています。

 最後の『宇城市ブランド』については、私が言うまでもありませんが、地元の農産物やフルーツなどを新しいものを作りあげるお手伝いができれば、と思います」と、重点的に取り組む3つの項目について、詳細な説明があった。

 双方のコメントののち、協定書の調印に進み協定締結式は終了した。連携協定の第1弾として、地元小中学生を対象とした阿蘇くまもと空港の見学からスタートし「空育」に関するプログラムを開催していくとのこと。

日本航空株式会社 山口・九州地区支配人 溝之上正充氏