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JAL、佐賀県伊万里市との包括連携協定を締結、6月から「新・JAPAN PROJECT 伊万里」を始動
国内線ファーストクラスで現地食材を使用したメニューを提供
2017年5月30日 00:00
- 2017年5月26日 開催
JAL(日本航空)と佐賀県伊万里市は5月26日に包括連携協定を締結し、6月に「JAL 新・JAPAN PROJECT 伊万里」を実施すると発表した。
JALは日本各地の自治体とのコラボレーションによる地域活性化プロジェクト「JAPAN PROJECT」を2011年5月から、リニューアルした「新・JAPAN PROJECT」を2015年9月から展開しているが、その一環として2016年から佐賀県伊万里市にJAL社員を観光アドバイザーとして派遣し、増加するインバウンド需要に対するおもてなし研修などを行なってきた。今回の包括連携協定締結は、これまでの活動における相互連携をより深めることを目的としている。
「JAL 新・JAPAN PROJECT」の2017年度第1期(4月~6月)の特集地域は「九州」で、4月は熊本、5月は大分と取り上げてきたが、6月は「JAL 新・JAPAN PROJECT 伊万里」と題し、機内食や機内誌、機内ビデオなどJALのさまざまなチャネルを通じて伊万里をアピールしていくことになる。
機内食のプロデュースを担当した「櫓庵治(ろあじ)」系列店の伊万里店(佐賀県伊万里市)において、連携協定調印式と「JAL 新・JAPAN PROJECT 伊万里」の取り組みについて説明が行なわれたので、その様子をレポートする。
国内線ファーストクラスの機内食をプロデュースする櫓庵治 伊万里店で調印式
調印式は、6月のJAL国内線ファーストクラスで提供される機内食をプロデュースすることとなった櫓庵治 伊万里店にて行なわれた。
伊万里市からは塚部芳和市長、JALからは九州・山口地区支配人の溝之上正充氏が出席。今回の提携に至った経緯の説明や、具体的な提携内容について、双方から説明があった。
塚部市長は、「今回の経緯ですが、かねてよりJALさまからありがたい提案がございまして今日に至りました。JALさまからは伊万里市に人材を派遣いただき、さまざまな観光・産業資源を活かすためのアドバイスをいただいております。
さっそく、6月の機内誌より伊万里市を取り上げていただきますが、焼き物や街中を散策している風景などが掲載されています。また英語バージョンも用意してただいているとのことで、海外の方へのアピール効果も期待しているところでございます。さらに、国内線ファーストクラスの機内食で伊万里の食材を使ったメニューが提供され、観光ビデオも放映されるとのことで、伊万里市といたしましても光栄の極みでございます。
今後とも、JALさまからのご指導をいただきながら今回の協定が伊万里市のさらなる活性化につながっていくことを祈念いたしまして、御礼の言葉とさせていただきます」とコメント。
JAL九州・山口地区支配人の溝之上正充氏は、「今回の包括連携協定ならびに、“新JAPAN PROJECT”に際して、塚部市長をはじめ伊万里市役所の皆さま、そしてこの場所をご提供していただき、かつ機内食へのご協力もいただきました櫓庵治さま、この場を借りて御礼申し上げます。
皆さまご承知のとおり、弊社は2010年1月に経営破綻をしまして非常に多くの方にご迷惑をおかけしました。それ以降、弊社の企業理念に“社会の進歩・発展に貢献する”というものがあります。4月に中期経営計画というものを作りました。そのなかに「社会や地域に貢献していく」といったものが盛り込まれております。
社会や地域に恩返しをしていく、というのが我々の進む道であると思い今日ここに立っております。“JAPAN PROJECT”自体は2011年から始まっておりますが、今回72弾目になります。
伊万里市とのご縁ですが、2016年4月に弊社から1名が出向し、観光アドバイザーをやらせていただいております。すでに世界ブランドとなっている伊万里焼や伊万里牛と、日本では知らない人はいないほどの知名度があります。もっと交流人口を増やしたいという市の思いと私たちの意見が合致し、昨年から色々と活動をさせていただいております。
昨年度下期には、観光おもてなし研修を延べ8回ほど開催させていただきました。宿泊から飲食、小売まで観光に関わる方々にご参加いただていて、一緒に考えていきました。
6~8月まで伊万里の風鈴まつりが開催されますが、福岡と北九州の両空港でもスペースを設けて風鈴の展示をします。昨年も展示しましたが、今年はさらに見ていただけるようなカタチを検討しております。いま、福岡空港のVIPルームを刷新中でございますが従来より伊万里焼・コーヒーカップでおもてなしさせていただいておりました。VIPルームが完成した際は、伊万里焼の献上品の展示もいたします。
昨年、JAL全体で『空育』宣言というものをしまして、子供たちにさまざまなプログラムを用意しました。伊万里の子供たちに、空エコ講座や折り紙教室なども提案していきたいとも考えております。
そして、JALパックでは“ふるさと応援割引”といった商品を展開しておりますが、エアラインとしてはさらに送客人口を増やしていき、伊万里市さまとJALお互いのメリットを大きくしていければ、と考えているところであります」とコメントした。
調印式から機内ビデオの放送、市長による機内食の試食が行なわれた
協定書への調印式が行なわれ、その後お笑いコンビ「パックンマックン」が登場する機内ビデオが放映された。10分間で伊万里の街並みや焼き物、伊万里牛といった観光資源が紹介された。
続いて、6月の国内線ファーストクラスの機内食をプロデュースした櫓庵治 銀座店の料理長を務める北島正敏氏が上中下旬と変わっていく3種類のメニューを説明。これに合わせて6月限定ではあるが、主菜用の器に伊万里焼が使用される。機内食は羽田発の札幌・伊丹/福岡/那覇行きの4便が対象となっており、17時以降の出発便で提供される。那覇便のみ18時以降に到着する便が対象。
北島氏より、メニューについて「上旬は、小鉢が翡翠茄子を使った深緑蒸しとご当地グルメ『マジェンバ』という冷製肉入りまぜそば。主菜は烏賊シュウマイ、佐賀牛のローストビーフに、糖度12度の佐賀県産たまねぎのドレッシングをかけております。さらに高菜のお寿司、高野豆腐の雲丹新丈合わせ、伊万里産のネギを乗せた鱸のポテト香味焼きなどが乗っております。伊万里深山米『夢しずく』を使った俵ご飯と味噌汁、茶菓にエトワーホリエさんの伊万里焼饅頭となっております。
中旬は、前菜にツナ素麺コロッケ敷きトマト餡、伊万里産パプリカの握り、卯の花彩りサラダ、蓮芋のおひたし、チーズの西京漬けなど。主菜は佐賀牛の和風煮込み、有明海の海苔入りだし巻き玉子、鱸のトマト味噌漬け焼きなどが乗っています。ご飯や茶菓は下旬まで共通となっております。
下旬は、小鉢に佐賀県産の焼茄子冷製和風ポタージュ、露地茄子揚げ浸し添え、トマトムース。主菜に佐賀牛ハンバーグモロコシ見立て青寄せソース、櫓庵治名物のシメサバサンドウィッチ、伊万里市百姓屋のスモークチキン、鱸の若狭焼きあっさり梅おろしのせ、となっております。
今回の機内食は、伊万里をはじめとした佐賀県の食材を、櫓庵治が得意とする創作和食といった内容で決定させていただきました」と説明があった。説明後、塚部市長による試食が行なわれた。
JALパックでもふるさと応援割りとして利用料金から割引き
6月より、機内誌「SKYWARD」、国内線ファーストクラスの機内食、機内ビデオなどJALを利用する多くの場面で伊万里を体感できるプランとなっている。そのほかJALパックでは往路に福岡・長崎両空港を使用し伊万里市内の宿泊施設を予約した場合、パック料金から1万円の割引きなどのキャンペーンを限定で用意。6月1日から発売を開始する。