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ANA、2018年度JCSI調査の「顧客満足」で初の第1位獲得。本社で表彰式

「なによりうれしいのは、国際航空部門初の6冠達成だということ」と平子社長

2019年2月1日 実施

ANAは、2018年度JCSI調査の第4回調査において国際航空部門の「顧客満足」で初となる1位を獲得したことを記念し、本社で授賞式を開催した

 ANA(全日本空輸)は2月1日、2018年11月7日に発表された、2018年度JCSI(日本版顧客満足度指数)調査の第4回調査において国際航空部門の「顧客満足」で初となる1位を獲得したことを記念し、ANA本社で授賞式を開催した。

 2018年度JCSI調査においてANAは、顧客満足だけでなく、「顧客期待」「知覚品質」「知覚評価」「推奨意向」「ロイヤルティ」の各指標でも1位を獲得。JCSI調査 国際航空部門の指標6項目のすべてで1位を獲得するのは、今回のANAが初めてとなる。

 授賞式では日本生産性本部 理事の澤田潤一氏が登壇し、JCSI調査の趣旨について説明した。JCSI調査は、顧客の評価を起点とした業種を越えた競争を促すことで、付加価値や顧客満足を高める経営が日本全体に広がり、企業の成長と国際競争力の強化に役立つことを狙いとして、2009年度から日本生産性本部のサービス産業生産性協議会が実施している。

 澤田氏によると、サービス産業生産性協議会は日本のサービス産業の生産性を上げるために、産官学の総合的なプラットフォームとして立ち上げられた組織だ。日本では、製造業の生産性は高いものの、サービス産業の生産性はまだまだ低いと言われており、サービス産業では、今でも勘と経験の経営を行なっている企業が多いのが実情だという。そこで、サービス産業の多くの企業そのものに焦点を当てて、経営の在り方や生産性向上のあり方を検討しようと取り組みを始めたのが、サービス産業生産性協議会だ。

表彰式であいさつする、公益財団法人日本生産性本部 理事の澤田潤一氏

 そして澤田氏は、今回のANAの受賞について次のように祝辞を述べた。「日本生産性本部が、(サービス産業生産性向上に向けた)一つの指標を作ろうといことで3年間かけて開発したのがJCSI調査です。直近1年間で当該サービスを利用した人を独自に任意抽出して調査を行なっていますので、極めて客観的で、バイアスのない指標です。そこで今回、国際航空部門でANAが第1位を獲得したことは、価値のある素晴らしいことだと思っています。つまり、この1年間に搭乗したお客さまの声がそのまま1位につながっているということです。

 そしてなにより素晴らしいのが、JCSI調査では顧客満足度以外にも5つの指標を用意していますが、それら5種類についてもANAが1位を獲得しています。6つのすべての指標すべてで1位を獲得されたのは、ANAが初めてのことでして、これだけの評価を獲得したことに、本当に敬意を表したいと思います。

 ANAが国際線に就航したのが1986年3月3日、成田~グアム便が第1便だったと伺っています。それから33年間のなかで、国際航空部門が必ずしも順調に推移したわけではなかったそうですが、労使の協力をはじめ、全社社員や経営陣が一丸となって取り組んでこられた成果だと思います。これからもサービス品質向上への取り組みを進めていただいて、日本を代表するエアライン、アジアを代表するエアラインとして羽ばたき続けていただきたいと思います」。

 澤田氏は、あいさつに続いてANA 代表取締役社長の平子裕志氏に記念の盾を贈呈。その後、平子氏は次のように受賞についてあいさつした。

澤田氏から、全日本空輸株式会社 代表取締役社長の平子裕志氏に記念の盾が贈呈
受賞の喜びを語るANA代表取締役社長の平子裕志氏

「私どもは、1952年12月に産声を上げて、会社の年齢はちょうど66歳、そのうち国際線の歴史は33年と、ちょうど半分になります。最初の18年間は赤字が続きまして、一時期は国際線を続けていいのかという議論が毎年のようにありましたが、今思うと、あのとき国際線を止めていれば今日の受賞はなかったわけで、本当に続けてよかったなと思っています。

 そして、なによりうれしいのが、今回の受賞が国際航空部門初の6冠達成だということです。お客さまに期待をされる、そしてその期待どおりにパフォーマンスを発揮して、推奨いただくという流れがすべて達成できたというのは望外の喜びでして、素晴らしい受賞だと感じています。

 実は、今回の受賞の発表は、2018年11月7日でした。ちょうど11月8日に大田区の訓練センターで、客室乗務員の『おもてなしコンテスト』のファイナリスト発表会を開催していまして、その開会のあいさつで今回の受賞の話をしましたところ、ものすごい歓声が上がりまして、社員のモチベーションも一気に高まった一瞬となりました。

 私ども、今年度は『安全と品質、サービス総点検の年』ということで、2018年に発表した中期経営戦略のなかで位置付けています。なかなかパフォーマンスが上がらない時期もありまして、総力を挙げてこの1年挑戦と努力を続けてきまして、今回のこのような栄えある賞をいただいたことは、我々がやってきていることが決して間違っていなかったと自信にもなりました。まだまだ道半ばではありますが、よりレベルの高い品質とサービスを目指すべく、そして我々の一つの完成形である『Inspiration of Japan』、わくわく感や、寄り添う心、日本らしい正確さや律儀さといったものをしっかり発揮できる、そういったレベルに到達すべく、今後とも社員全員で尽力してまいりたいと思います」。

 最後に澤田氏と平子氏がそろって記念撮影を行ない、表彰式は終了した。

受賞の楯を手にする澤田氏(左)と平子氏(右)
ANAに贈呈された受賞の楯