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インドネシア共和国観光省、スマトラ島トバ湖の観光セミナー開催。「バリの次は北スマトラ、トバ湖に来て」
2018年11月24日 18:34
- 2018年11月20日 実施
インドネシア共和国観光省は11月20日、バリに次ぐ新しい10のデスティネーション「10 NEW BALI」観光開発優先地域のなかからスマトラ島のトバ湖を紹介するセミナーを実施した。
スマトラ島はインドネシアで2番目、世界では6番に大きい島だ。トバ湖、オランウータン、そしてバタック文化が有名であり豊かな自然が自慢。
トバ湖は東南アジア最大の湖で、約7万4000年前に誕生。伝統文化が色濃く残っており、周囲で生活するバタック族は特徴的な船の形をした家に住んでいる。セミナーのオープニングでは、現地から来日したダンサーたちが美しい舞踊と歌唱で開会を飾った。
バリの次に行くべき場所はトバ湖。伝統が色濃く残る火山湖周辺エリアに注目
冒頭ではインドネシア共和国大使館 一等書記官 スギリ・スパルワン氏があいさつ。「多くの日本人がインドネシアと聞くとバリを連想すると思います。また、バリ以外のインドネシアの観光地に足を運ばれたことのない方も多いのが現状です。この事実を踏まえ、バリに次ぐ新しい10のデスティネーション『10 NEW BALI』観光開発優先地域を設定しており、現在プロモーションを行なっています。今回ご紹介するのはトバ湖です。同エリアはとてもエキサイティングな体験ができる今注目のエリアとなります。ぜひ、足を運んでいただければ」と話した。
本国からはインドネシア共和国観光省 優先開発観光地促進委員会 ララサティ・スディアニンシィ氏が来日。インドネシア共和国ジョコ・ウィドド大統領の言葉を紹介し、レイク・トバ観光局が大統領の指示で発足させた「10 NEW BALI」観光開発優先地域が、国を挙げてのプロジェクトであることを強調した。
トバ湖エリアの見どころはやはり世界最大級の火山湖。大規模噴火により形成され、タンボラ火山やピナツボ火山の噴火を超える規模で、約1000kmにもわたり火山灰が空を覆い尽くしたと言われている。
同エリアは古代バタック文化の故郷であるため、独特の建造物や工芸品に食事とカルチャーを学ぶにもってこい。また、スポーツイベントなどの誘致にも力を入れており、汗を流しながら自然のなかを疾走できるなど幅広い旅のニーズに応えてくれる。
トバ湖のある北スマトラへの訪問者数についても言及。2017年が26万1461人と、2016年に比べ11.9%の伸び。2018年も最終的な数字が期待できるという。旅行者を国別にするとトップ5はマレーシア、シンガポール、中国、オーストラリア、アメリカと並ぶ。日本もトップ5にぜひ加わってほしいと希望を語った。
アクセスに関してはクアラ・ナム国際空港、シランギット空港を主に利用。シンガポールやクアラルンプール、バンコクからの直行便で40~50分で到着する。トバ湖に最も近い空港であるシランギット行きの国際線も2018年8月にマリンドエアが週4便で新たに就航。エアアジアも10月28日に週4便で運航を始めるなど、利便性が上がりつつある。陸路については「メダン-トバ湖有料道路」の整備中のため、クルマでのアクセスも2020年に向けて容易となる。
なお、ララサティ・スディアニンシィ氏に話を聞いたところ「日本の皆さまにはぜひ、トバ湖や周辺へとお越しいただきたいと思います。快適なホテル滞在からホームステイで地域の生活を知ることができる滞在まで、お好みに合わせて選ぶことができます。空港も近くアクセスもしやすいのが特徴です。
初めて北スマトラ、トバ湖を訪れるのでしたら、ぜひトモックを訪れてみてください。トルトル舞踊の体験もよいでしょう。またトゥクトゥクはバリのスミニャックの5~10年前のような雰囲気でカフェも多く、ナイトライフも楽しめます」とアドバイスしてくれた。
新たなスポットも目白押し。学びから湖ならではの体験まで勢揃い
概要の紹介後は、具体的なアクティビティをレクチャー。代表的な観光スポットを自然と伝統文化に分け、マップ上で解説。自然にまつわる観光スポットならば「シ・ピソピソの滝」「エレファント保護区」に「タマン・エデン 100 エコツーリズムの森」は外せない。
文化的な観光スポットとして、トバ湖内に浮かぶ島・サモシール島に渡り「フタ・ボロン博物館」「ルンバン・スヒスヒ ウロス織りの村」を訪れることで伝統家屋や織物文化に触れ、バタック文化をじっくり学べる。なお、過去にあった同島内でのカニバリズム文化や付随するストーン・ジャッジメントも興味深いとのこと。
トバ湖周辺のお勧めアクティビティも「ビヨンド・レイク・トバ」として紹介。州都・メダンでのモダンな滞在やフルーツや野菜の美味しさで定評のある「ブラスタギ高原」。そしてユネスコ世界遺産登録の「ブキッ・ラワン」でのエコツアーでオランウータンの住みかを散策、そして保護された象たちとコミュニケーションを楽しむ「タンカハン」でのエコツーリズムなどバランスよく旅を楽しむことができる。
宿泊施設に関しては3~5つ星までニーズに応じで選択が可能。近年は現地でホームステイと呼ばれている伝統家屋を使ったヴィラタイプが増えている。
旅では欠かせない企業が参加。移動と到着後のプランはお任せ
セミナーではガルーダ・インドネシア航空 東京支社 旅客営業部 課長代理 広報PRの南部久美子氏が参加。世界22の地域、インドネシア国内69の都市で運航している同社は、ジャカルタからシランギット空港まで週4便の運航や、預け入れ荷物の個数制限なし、サーフボードやダイビング用品などスポーツギアの預け入れが23kgまで無料などのメリットを紹介した。国内線のボンバルディア CRJ1000 Next Gen型機、国際線のボーイング 777-300ER型機ともに、足元に余裕があり好評とのこと。
続いてホラスツアーズ ツアー・マネージャー クリスティン・コワンディ氏が自社のツアーを紹介。同社はスマトラ・トバ湖を含むインドネシア専門のツアー会社。国内250のパートナーとともに国内外からの観光客向けツアー手配を担っている。
ツアーで使用するのはデラックス仕様のバスからミニバンまで幅広く用意。ガイドとともに旅のサポートを約束。
北スマトラ以外にもバンガ島やブリトン島の隠れ家的なビーチを紹介。ニアス島もサーフィンスポットとなっており、多くのサーファーが訪れるエリアと話した。シベル島では原始的な生活を続ける原住民との触れあいのなかで、その生活を学べるとのことだ。
セミナーのラストは。ユニークな発想で旅をサポートする「ジャブ シホル」より創立者のダニエル・オンプスング氏が同社が提供するホームステイ型の滞在を提案。
同社は、2016年に北スマトラの有志の若者により設立されトバ湖や伝統文化を多くの旅行者へ伝えるためにフリーホームステイを提供している。送迎、食事代は旅行者が支払うがそれ以外の宿泊する部屋代などは必要ない。お礼として、現地の人々が読むための本の寄贈が必須というもの。
基本4日間のプランとなり、稲作での作業を手伝い、織物の作り方や使用するの色の意味などを学んだりと現地密着の生活が体験できる。会社設立から約2年半で3000名が利用している。セミナーでは活動や提供するプログラムとともに、トバ湖を囲む7県を一言ずつレコメンド。周辺地域への興味もトバ湖とともに持ってほしいと話してくれた。