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インドネシア共和国観光省、スマトラ島トバ湖の観光セミナー開催。「バリの次は北スマトラ、トバ湖に来て」

2018年11月20日 実施

インドネシア共和国観光省 優先開発観光地促進委員会 ララサティ・スディアニンシィ氏(右から3番目)とレイク・トバ観光協会国際マーケティング部長ワユ・ディト・ガリッ・インダルト氏(左から2番目)らがセミナーのために来日

 インドネシア共和国観光省は11月20日、バリに次ぐ新しい10のデスティネーション「10 NEW BALI」観光開発優先地域のなかからスマトラ島のトバ湖を紹介するセミナーを実施した。

 スマトラ島はインドネシアで2番目、世界では6番に大きい島だ。トバ湖、オランウータン、そしてバタック文化が有名であり豊かな自然が自慢。

 トバ湖は東南アジア最大の湖で、約7万4000年前に誕生。伝統文化が色濃く残っており、周囲で生活するバタック族は特徴的な船の形をした家に住んでいる。セミナーのオープニングでは、現地から来日したダンサーたちが美しい舞踊と歌唱で開会を飾った。

トバエリアの伝統舞踊でセミナーがスタート

バリの次に行くべき場所はトバ湖。伝統が色濃く残る火山湖周辺エリアに注目

 冒頭ではインドネシア共和国大使館 一等書記官 スギリ・スパルワン氏があいさつ。「多くの日本人がインドネシアと聞くとバリを連想すると思います。また、バリ以外のインドネシアの観光地に足を運ばれたことのない方も多いのが現状です。この事実を踏まえ、バリに次ぐ新しい10のデスティネーション『10 NEW BALI』観光開発優先地域を設定しており、現在プロモーションを行なっています。今回ご紹介するのはトバ湖です。同エリアはとてもエキサイティングな体験ができる今注目のエリアとなります。ぜひ、足を運んでいただければ」と話した。

インドネシア共和国大使館 一等書記官 スギリ・スパルワン氏

 本国からはインドネシア共和国観光省 優先開発観光地促進委員会 ララサティ・スディアニンシィ氏が来日。インドネシア共和国ジョコ・ウィドド大統領の言葉を紹介し、レイク・トバ観光局が大統領の指示で発足させた「10 NEW BALI」観光開発優先地域が、国を挙げてのプロジェクトであることを強調した。

観光開発促進地域「10 NEW BALI」の10エリア
インドネシア共和国ジョコ・ウィドド大統領の言葉を紹介
大統領令によりレイク・トバ観光局が発足した
2017年10月には大統領がトバ湖を訪問
インドネシア共和国観光省 優先開発観光地促進委員会 ララサティ・スディアニンシィ氏

 トバ湖エリアの見どころはやはり世界最大級の火山湖。大規模噴火により形成され、タンボラ火山やピナツボ火山の噴火を超える規模で、約1000kmにもわたり火山灰が空を覆い尽くしたと言われている。

 同エリアは古代バタック文化の故郷であるため、独特の建造物や工芸品に食事とカルチャーを学ぶにもってこい。また、スポーツイベントなどの誘致にも力を入れており、汗を流しながら自然のなかを疾走できるなど幅広い旅のニーズに応えてくれる。

最大の見どころである巨大な火山湖・トバ湖
噴火の様子を図解
規模の大きさをほかの火山と比較
火山灰の覆った範囲は約1000km
古代バタック文化の故郷
イベント関連も積極的に開催

 トバ湖のある北スマトラへの訪問者数についても言及。2017年が26万1461人と、2016年に比べ11.9%の伸び。2018年も最終的な数字が期待できるという。旅行者を国別にするとトップ5はマレーシア、シンガポール、中国、オーストラリア、アメリカと並ぶ。日本もトップ5にぜひ加わってほしいと希望を語った。

 アクセスに関してはクアラ・ナム国際空港、シランギット空港を主に利用。シンガポールやクアラルンプール、バンコクからの直行便で40~50分で到着する。トバ湖に最も近い空港であるシランギット行きの国際線も2018年8月にマリンドエアが週4便で新たに就航。エアアジアも10月28日に週4便で運航を始めるなど、利便性が上がりつつある。陸路については「メダン-トバ湖有料道路」の整備中のため、クルマでのアクセスも2020年に向けて容易となる。

北スマトラの外国人観光客数
2017年6月の北スマトラの観光実績
近隣諸国からの直行便利用が便利
クアラルンプールからシランギットは約40分。メダンまでは約50分のフライト
国際線はマリンドエア、エアアジアが相次いでシランギットをつなぐ線を就航
「メダン-トバ湖有料道路」は一部区間が開通し、2020年にむけて整備中だ

 なお、ララサティ・スディアニンシィ氏に話を聞いたところ「日本の皆さまにはぜひ、トバ湖や周辺へとお越しいただきたいと思います。快適なホテル滞在からホームステイで地域の生活を知ることができる滞在まで、お好みに合わせて選ぶことができます。空港も近くアクセスもしやすいのが特徴です。

 初めて北スマトラ、トバ湖を訪れるのでしたら、ぜひトモックを訪れてみてください。トルトル舞踊の体験もよいでしょう。またトゥクトゥクはバリのスミニャックの5~10年前のような雰囲気でカフェも多く、ナイトライフも楽しめます」とアドバイスしてくれた。

新たなスポットも目白押し。学びから湖ならではの体験まで勢揃い

 概要の紹介後は、具体的なアクティビティをレクチャー。代表的な観光スポットを自然と伝統文化に分け、マップ上で解説。自然にまつわる観光スポットならば「シ・ピソピソの滝」「エレファント保護区」に「タマン・エデン 100 エコツーリズムの森」は外せない。

 文化的な観光スポットとして、トバ湖内に浮かぶ島・サモシール島に渡り「フタ・ボロン博物館」「ルンバン・スヒスヒ ウロス織りの村」を訪れることで伝統家屋や織物文化に触れ、バタック文化をじっくり学べる。なお、過去にあった同島内でのカニバリズム文化や付随するストーン・ジャッジメントも興味深いとのこと。

トバ湖の主要観光スポット・自然
丘からは広がる絶景が楽しめる
手付かずの熱帯雨林内を歩きながら生態系を学ぶツアーも
クルージング体験で湖の広さを肌で感じるのもよい
トバ湖の主要観光スポット・伝統文化
サモシール島の「フタ・ボロン博物館」で来訪者を歓迎する意の反った屋根を持つ家屋を見学
「ルンバン・スヒスヒ村」で希少価値の高い織物の製作工程を学ぶことも
以前あったカニバリズム文化とともに付随するストーン・ジャッジメントの物語を知るアクティビティも用意

 トバ湖周辺のお勧めアクティビティも「ビヨンド・レイク・トバ」として紹介。州都・メダンでのモダンな滞在やフルーツや野菜の美味しさで定評のある「ブラスタギ高原」。そしてユネスコ世界遺産登録の「ブキッ・ラワン」でのエコツアーでオランウータンの住みかを散策、そして保護された象たちとコミュニケーションを楽しむ「タンカハン」でのエコツーリズムなどバランスよく旅を楽しむことができる。

「ビヨンド・レイク・トバ」として周辺の観光スポットもレクチャー
州都で、マイムーン王宮や八角の大モスクで共存する文化を感じて
ジューシーなフルーツを探しに「ブラスタギ高原」へ
「ブキッ・ラワン」でのエコツーリズムで環境を学ぼう
「タンカハンのエコツーリズム」で象たちに癒される体験も
噴煙を上げ続けるシナブン火山の見学も叶う

 宿泊施設に関しては3~5つ星までニーズに応じで選択が可能。近年は現地でホームステイと呼ばれている伝統家屋を使ったヴィラタイプが増えている。

4つ星、5つ星をはじめいろいろなホテルやリゾートが選べる
リーズナブルに宿泊できるホテルも多数
船のような形をした伝統家屋を使ったヴィラに宿泊するプランも人気

旅では欠かせない企業が参加。移動と到着後のプランはお任せ

 セミナーではガルーダ・インドネシア航空 東京支社 旅客営業部 課長代理 広報PRの南部久美子氏が参加。世界22の地域、インドネシア国内69の都市で運航している同社は、ジャカルタからシランギット空港まで週4便の運航や、預け入れ荷物の個数制限なし、サーフボードやダイビング用品などスポーツギアの預け入れが23kgまで無料などのメリットを紹介した。国内線のボンバルディア CRJ1000 Next Gen型機、国際線のボーイング 777-300ER型機ともに、足元に余裕があり好評とのこと。

ガルーダ・インドネシア航空がセミナーに参加
世界22地域、インドネシア国内で69の都市に就航
手荷物は個数制限がない
サーフボードやダイビング装備一式も23kgまで無料で預けられる
トバ湖にはシランギット空港の利用が便利
ジャカルタから最寄りのシランギット空港まで週4便で運航。約2時間のフライトとなる
ボンバルディア CRJ1000 Next Gen型機使用。足元の広さが好評
ガルーダ・インドネシア航空 東京支社 旅客営業部 課長代理 広報PR 南部久美子氏

 続いてホラスツアーズ ツアー・マネージャー クリスティン・コワンディ氏が自社のツアーを紹介。同社はスマトラ・トバ湖を含むインドネシア専門のツアー会社。国内250のパートナーとともに国内外からの観光客向けツアー手配を担っている。

 ツアーで使用するのはデラックス仕様のバスからミニバンまで幅広く用意。ガイドとともに旅のサポートを約束。

 北スマトラ以外にもバンガ島やブリトン島の隠れ家的なビーチを紹介。ニアス島もサーフィンスポットとなっており、多くのサーファーが訪れるエリアと話した。シベル島では原始的な生活を続ける原住民との触れあいのなかで、その生活を学べるとのことだ。

ホラスツアーズ ツアー・マネージャー クリスティン・コワンディ氏
スマトラ島のツアー会社「ホラスツアーズ」
20年以上の歴史にパートナーの多さなどをアピール
前述していたスマトラ島の基本情報をおさらい
ツアーで必ず訪れてほしいトバ湖と強調
スマトラとボルネオのみで生息するオランウータンの住む熱帯雨林へ
ホラスツアーズがオススメするスマトラ島以外のバンガ島やブリトン島もレコメンド
サーファーにはニアス島がイチ押し
地元の人々と道具を作ったりと生活体験も可能なシベル島

 セミナーのラストは。ユニークな発想で旅をサポートする「ジャブ シホル」より創立者のダニエル・オンプスング氏が同社が提供するホームステイ型の滞在を提案。

 同社は、2016年に北スマトラの有志の若者により設立されトバ湖や伝統文化を多くの旅行者へ伝えるためにフリーホームステイを提供している。送迎、食事代は旅行者が支払うがそれ以外の宿泊する部屋代などは必要ない。お礼として、現地の人々が読むための本の寄贈が必須というもの。

 基本4日間のプランとなり、稲作での作業を手伝い、織物の作り方や使用するの色の意味などを学んだりと現地密着の生活が体験できる。会社設立から約2年半で3000名が利用している。セミナーでは活動や提供するプログラムとともに、トバ湖を囲む7県を一言ずつレコメンド。周辺地域への興味もトバ湖とともに持ってほしいと話してくれた。

ジャブ シホルの創立者・ダニエル・オンプスング氏
フリーホームステイを提供するジャブ シホル
創立の際のエピソードなどを紹介
同社のプログラムを30か国3000名の旅行者が利用
目指すのはPamatang Siantarとトバ湖を世界に向けて発信すること
周辺地域でのアクティビティや名所案内などのプランもある
North Tapanuli県は湖から湧く炭酸水と農作物ではピーナッツが特産
Samosir県はバタック文化の中心。伝統家屋が数多く残るエリア
Simalungun県は透明度の高い水と滝などの自然がポイント
Taba Samosir県ではお米とブラウンシュガーで作った伝統的なフードをぜひ味わってとのこと
Humbang Hasundutan県は美味しい馬肉が味わえる
Dairi県はコーヒーの産地
Karo県はフレッシュな野菜やジューシーなフルーツの宝庫