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首都高講座64限目、「横浜環状北西線へ潜入!建設現場を歩いて学ぼう!」。東名 横浜青葉ICと第三京浜 港北ICを接続する道路を事前公開

2018年11月13日 実施

首都高は11月13日に「横浜環状北西線へ潜入!建設現場を歩いて学ぼう!」を実施した

 首都高(首都高速道路)は、建設現場や交通管制室、点検・補修現場などを首都高の社員が直接案内して、首都高に関するさまざまな取り組みを見学・体験させるイベント「首都高講座」を実施しているが、2018年11月13日に実施された「首都高講座」の64限目で、首都高講座では初めての案内となる「横浜環状北西線(北西線)」の建設現場に、21組28名の一般参加者を集めて開催した。

 北西線は、東名高速道路(E1) 横浜青葉IC(インターチェンジ)と第三京浜道路 港北ICを結ぶ、延長約7.1kmの自動車専用道路で、東京2020オリンピック・パラリンピック前の開通を目指しているが、今回の講座では、横浜青葉ICと北西線が接続するジャンクション部とシールドトンネル入口部に潜入し、その建設現場を実際に歩いて見学した。北西線の全体像や用いた工法など、気になるポイントについて社員が随時解説し、建設現場の雰囲気を間近に感じながら、建設中の高速道路について深く学ぶことのできる企画となっていたので、その模様をレポートする。

さらなる物流の効率化や人々の生活や観光の利便性の向上を狙う横浜環状北西線

 現在、東名高速から大黒ふ頭までの移動には、横浜町田ICから保土ヶ谷バイパスを経由して約40分を要しているが、横浜環状北西線の開通後に横浜青葉IC~北西線~首都高速 横浜北線(K7)を経由したルートでは約20分程度まで大幅に短縮される見込みで、東名高速と横浜市の中心部や湾岸エリアとの移動効率がよくなり、物流への貢献度も高く期待されている。

 2018年3月に横浜市緑区北八朔町から発進した横浜環状北西線のシールドマシンが、8月9日に約3.9kmを掘り進めて都筑区東方町に到達し、9月7日に東方町 到達立坑ヤードにて報道向け現場見学会を開催したことは既報のとおりだが(関連記事「首都高、横浜環状北西線のトンネル貫通。掘削を終えたシールドマシンを公開」)、首都高講座として一般客を北西線建設現場に招き入れたのは初めて。21組28名の一般客が参加していたが、今回の首都高講座は地域住民が生活環境に対する関心が高いことや、北西線では初めてということもあり人気が高く、予定参加人員の10倍以上となる300人を超える応募があったとのことだった。

 今回の講座では、ほくせいせんPRルームでの北西線の全体像を開設した事業概要動画の上映や、用いた工法などの解説、北八朔トンネル工事現場でのシールドマシンによる掘削方法やトンネル設備に関する解説、青葉JCT(ジャンクション)の高架橋から建設現場を見渡しながら横浜環状北西線の線形や青葉JCTの構造についての説明があった。

 前述の今年9月の現場見学会のレポートや、関連記事「首都高、横浜環状北西線工事のシールドマシン発進式開催」で掲載しているものと同じ内容だったので割愛するが、是非参照してほしい。

説明会の解説スライド。路線概要や、東名高速 横浜青葉ICと第三京浜 港北ICを結ぶことで、観光のみならず横浜港の物流機能の向上も見込めると解説されていた
ほくせいせんPRルームの展示物。横浜青葉ICの模型やシールド工法の解説パネルや模型などが展示されていた

北八朔トンネル工事現場でのシールドマシンによる掘削方法やトンネル設備に関する解説

 9月7日に東方町の到達立坑ヤードにて実施された報道向け現場見学会の記事にも掲載しているが、横浜環状北西線の路線延長7.1kmのうち、横浜市緑区北八朔町から都筑区東方町までの地下を約3.9km、最大深さ約65m、2車線分のトンネルを、1日約16m掘り進めたもので、シールドマシンの直径は約12.6m、全長約12.8m、後続台車を含めると重さ約2300トンで、その高さは4階建てビル相当と言う巨大な「泥水式」と呼ばれるタイプのシールドマシンが使われた。掘削時に高圧で泥水をカッターヘッドに送り、掘削した土砂を泥水と混ぜ流体として地上施設へ送る方式であり、総推力は1800トンとのことだ。

 北八朔 発進立坑ヤードから掘削を開始したシールドマシンは、-5%の角度で最深部まで掘り進んだのちに、発進立坑から約1.5km続く泥岩主体の地盤を+0.3%の角度で上り、続く約1.4kmの砂質土主体の地盤を+0.3%の角度で掘り進め、泥岩主体の地盤が約1.0km続く最終区間では+3%の角度で上り東方町 到達立坑に進んだとの説明パネルもあった。今回の工事で特殊だった点については、掘削と合わせて床板下を施工し、配管や支持金物、ケーブルやブラケット類の接地も行なったことで、これによる工期の短縮も図ったことや、横浜北線の「横浜北トンネル」と同様に、床板下に「道路下安全空間」を設けた2層構造となり、車道部と道路下安全空間をつなぐための「すべり台式非常口」や非常電話などもこれから設置する予定とのことだった。

北八朔トンネル工事現場内で行なわれた解説用パネル。トンネルの完成イメージ、シールドの内部状況、内部構築状況などの説明が行なわれた
北八朔 発進立坑からトンネルを見下ろしたところ。発進立坑の深さは20m、道路縦断方向は26m、道路横断方向は33mとの掲示があった
北八朔トンネル工事現場に侵入していく参加者の足元は、すでに床板は設置されている状態。上を見ればシールドの構造が理解できるし、ところどころから床板下を覗くこともできた
写真のパネルが車道の下に設置される床板。変わった形の建物は、掘削した残土を処理するための設備とのこと。すでに完成に近い状態の道路は、北八朔トンネルから横浜青葉JCTに向かう出口

横浜青葉JCTの高架橋から見下ろすと怖いくらいの高さを実感

 北八朔トンネル工事現場から横浜青葉JCT建設現場に移動し、高架下で物理的な横浜青葉JCTの位置関係の説明、橋梁の概要、架設方法の説明などがあった。特に東名高速の上を通すことから、日本の物資輸送の大動脈の通行止めを短くするために、建設現場付近で大ブロックの地上組み立てを行ない、巨大なクレーンで短時間で架設する「大ブロック一括架設」を行なったとの説明があった。

 平成27年(2015年)から開始された横浜青葉JCT建設工事であるが、工事ヤードの整備を行なったあとに橋脚設置工事を行ない、現在はすべての橋脚設置は完了。今は橋桁の架設など東名高速に接続するための橋梁を作っている最中で、全部で40スパンある架設も35スパンは完了しており、桁の架設後に床板を作っていくとのことだ。

高架下での説明に使用されたパネル。大ブロック一括架設に使用した巨大クレーンの組み立てに、200tクレーン2台を利用して、トレーラー89台、トラック6台に分けて搬入された部材を使用したとのこと
手際よく横浜青葉JCTの位置関係、橋梁の概要、架設方法の説明をする首都高のスタッフ

 高架下での概要説明のあとに、実際の横浜青葉JCTの最も高い場所へ移動した。地上約30mの高所であり、建設現場の狭くて急な仮設階段なので、途中であきらめてしまう参加者も居るのではないかとも思ったが、全員が横浜青葉JCTの上まで辿り着いたようだった。

横浜青葉インターチェンジ方面と北八朔トンネル方面の景色。ほかのランプが折り重なっていることから、横浜青葉インターチェンジまでは最大勾配6.8%の急な下り坂となっているため、速度超過を抑えるために路面ペイントや看板などの注意喚起を促す予定とのこと。下から見上げた写真に写っている橋桁がない部分が、残っている架設スパン
横浜青葉JCTは、橋の重量を少なくするために鋼床板と呼ばれる金属製の床板を使用している。床板架設後に、写真では緑色の養生テープが貼られている部分を溶接し、その上にアスファルトを敷いて仕上げるとのこと。ところどころにあるクレーンで持ち上げる際の「吊りフック」も架設後は撤去され平らにされる
少し怯んでしまいそうな地上約30mの高所でも、参加者たちは笑顔で写真に収められていた

 前回のレポートにも記したが、この東名高速 横浜青葉ICと第三京浜 港北ICを結ぶ延長約7.1㎞の自動車専用道路の開通で「観光はもちろん、横浜港の物流機能の向上による国際競争力の強化も期待されている」ので、本当に開通が待ち遠しい路線である。