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ラオス観光促進セミナー開催。寺院遺跡や王朝時代の旧市街など世界遺産で観光振興を図る
2018年は「ラオス観光年」
2018年5月31日 00:00
- 2018年5月28日 開催
日本アセアンセンターは5月28日、旅行業関係者を招いて「ラオス観光促進セミナー」を開催した。ラオス政府は2018年を「ラオス観光年」と定めて旅行者の誘客に力を入れており、1年をとおして国内でさまざまなイベントを予定している。セミナーはラオスの観光情報を提供することで、新たな旅行商品の造成を促進することを目的としたものだ。
主催者を代表して登壇した日本アセアンセンター 事務総長の藤田正孝氏は、あいさつを兼ねてラオスの地勢的な情報に言及。ラオスはASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国で唯一海に面していない内陸の国で、中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと国境を接している。「メコン川の豊かな恵みに象徴される穏やかな国で、最近では村上春樹の紀行文集のタイトルとなったことでも話題になった」と紹介した。
ラオス 情報文化観光大臣のボーセンカム・ヴォンダラー(Bosengkham Vongdara)氏は、「観光は多くの国で急成長しているが、ラオス政府も経済発展の柱として重要と考えている。観光は雇用の創出にもつながっており、日本やASEAN諸国と連携していく」と説明。ラオスと日本の間では2015年に外交関係樹立60周年を迎え、日本からラオスへの旅行者は2012年は4万2000人、2016年は4万9000人と増加傾向にあったものの、2017年は3万2000人まで減少しており、回復させたいとの意向を示した。
ラオスの観光をプレゼンしたのは、情報文化観光省 マーケティング局長のスン・マニボン(Sounh Manivong)氏。観光資源は自然、文化、歴史の3本柱で、ラオスへの観光客は2011年の約270万人から2016年の約420万人と順調な増加傾向にあったが、日本からの観光客が減少したのと同様に、世界各国からの観光客も2017年には約390万人と減少している。
その原因としてマニボン氏が指摘したのは、インフラの整備が不十分で観光地に行きづらい、海外に対するPR不足、ラオスへの飛行機の直行便がないという3点。しかし、観光振興によってインフラの整備を進めることができるとも指摘した。また、PRについては、日本では2007年からラオスフェスティバルを行なっており、2018年は5月26日~27日に代々木公園で開催している。
ラオスの著名な観光地としては、14~18世紀のラーンサーン王朝時代の首都であり、世界文化遺産に登録されている旧市街「ルアンパバーン(Luang Prabang)」と、同じく世界文化遺産の寺院遺跡「ワット・プー(Vat Phou)」が挙げられる。また、石でできた無数の壺(Jar)が並ぶ「ジャール平原(Plain of Jars)」も世界遺産登録を目指している。ジャール平原はいまだ研究段階で由来が明らかになっておらず、壺には酒が入っていた、墓石に使われていた、など諸説あるという。
ラオス観光でのビザ(査証)は、日本国籍なら15日以内はビザ不要(免除)で、空港で取得するアライバルビザなら30日間滞在できる。ラオスへの直行便は韓国や中国、台湾、タイ、ベトナムなどから就航しているが、日本からの直行便は今のところない。