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ノックスクートが成田~バンコク・ドンムアン線に6月1日就航。諸税込み9500円からの記念セール開始

タイの中距離LCCが成田路線参入

2018年4月23日 発表・航空券販売開始

2018年6月1日 就航

タイの中距離LCC、ノックスクートが6月1日に成田~バンコク線に就航。4月23日から記念セールを開始した。写真は左から順にタイ国政府観光庁 東京事務所 所長 パッタラアノン・ナチェンマイ氏、タイ王国大使館 次席公使 チューチャーイ・チャイワイウィット氏、ノックスクート・エアラインズ・カンパニー・リミテッド 副最高経営責任者 ギャン・ミン・トー氏、ノックスクート 日本支社長 坪川成樹氏

 タイのLCCであるノックスクートは4月23日、6月1日に成田~バンコク・ドンムアン線に就航することを発表し、航空券の販売を開始した。同日16時より、エコノミークラスが諸税込み9500円から、ビジネスクラスに相当する「スクートビズ」が同2万2500円からのセールを開始した。25日23時30分まで実施する。

 ノックスクートは、タイのリージョナルLCCであるノックエアーと、シンガポール航空の100%子会社LCCであるスクートの合弁会社として2014年に設立された中距離LCC。「ノック」はタイ語で「鳥」を意味する。中国を中心に国際線路線を運航している。

 2014年の設立後に日本へチャーター便を運航するなど、日本路線開設への意欲を持っていたが、ノックスクート・エアラインズ・カンパニー・リミテッド 副最高経営責任者のギャン・ミン・トー氏によれば、「2015年に成田を含む定期便運航計画を立てたが、そのタイミングでICAO(国際民間航空機関)によってタイ政府の航空当局の審査体制に対する“安全上の懸念”が表明され、新路線開設が認可されなくなってしまった」と事情を説明。そのため、ICAOに準じずに個別に航空会社を評価した中国路線に参入。2017年にICAOからの制限が解除され、ノックスクートも再審査をクリア。2017年に申請した日本路線への就航が承認され、6月1日からの運航開始にこぎ着けた。

ノックスクート・エアラインズ・カンパニー・リミテッド 副最高経営責任者 ギャン・ミン・トー氏
ノックスクートの路線図
ノックスクートの株主構成
ノックスクートの沿革
3年間で急成長するノックスクート

 機材はボーイング 777-200型機(スクートビズ24席、エコノミー391席)を使用。運航ダイヤは下記のとおりで、親会社となるスクートの成田~バンコク線も併存。グループで見ると純粋な増便となる。ダイヤは下記のとおり。

ノックスクートの成田~バンコク・ドンムアン線(6月1日~10月27日)

XW101便:成田(13時55分)発~バンコク(18時25分)着、毎日運航
XW102便:バンコク(02時20分)発~成田(10時25分)着、毎日運航

(参考)スクートの成田~バンコク・ドンムアン線(3月25日~10月27日)

TR869便:成田(10時00分)発~バンコク(15時00分)着、毎日運航
TR868便:バンコク(00時45分)発~成田(08時50分)着、毎日運航

 サービスはスクートに準じており、ギャン・ミン・トー氏は「安全やセキュリティなどは親会社のものを継承し、特に機体の整備は重要。親会社と異なる点としてはスクートモデルを使っての運航となる点で、そのなかでも楽しい、パーソナライズといったことを大切にベストサービスを提供したいと考えている」と説明。

 航空券のみの「Fly」、預け入れ荷物20kgを追加する「FlyBag」、預け入れ荷物20kg+機内食付きの「FlyBagEat」、機内食やドリンク、シートピッチの広い革張りシートを利用できる「ScootBiz(スクートビズ)」を提供。多くの選択肢を用意し、必要なものを乗客自身が選択して利用するというスクートと同じコンセプトでプラン提供する。

各種サービスをセットにしたパッケージ運賃
ノックスクートのシート種別
機内食などの紹介。事前予約も可能

 ただし、スクートは現在、ボーイング 787型機を用いて運航しているが、ノックスクートはボーイング 777-200型機となるため、スクートで提供しているWi-Fiサービスや、スクートTVサービスなど、機体に依存するサービスは差がある。

 シートは、革張りシートでシートピッチ38インチの「スクートビズ」のほか、エコノミークラスでは、通常のシートピッチ31インチの座席のほか、35インチの「スーパー」、36インチの「コンフォート」を用意。追加料金を支払うことで、より足下に余裕のある席を選べるようになっている。

 運賃はエコノミークラスが9800円~6万1900円(諸税別)、スクートビズが2万9800円~7万800円(同)。スクートとノックスクートで通常の公示運賃に差は設けていないという。なお、先述のように4月23日16時~25日23時30分には記念価格でのセールを行なっており、そちらは諸税込みでエコノミークラス9500円から、スクートビス2万2500円からとなっている。

ノックスクート 日本支社長 坪川成樹氏
スクート、ノックスクートの日本チーム

 ちなみに、ドンムアン空港は親会社のノックエアーが拠点とし、24路線の国内線を運航しているが、ノックスクートからノックエアーへ乗り継ぐようなチケットも提供できるようシステムを構築しているという。ただし、目的地によっては成田~バンコクと、バンコク~タイ国内路線とで別チケットを発券する必要が生じるとしている。

 日本国内でのノックスクートの販売は、スクートと同じチームで取り組む。インフィニ・トラベル・インフォメーションの最新のGDS(Global Distribution System)を導入し、旅行代理店からも簡単に発券できるようになるという。旅行代理店での取り扱いは4月27日に開始される予定。

 日本市場について、ノックスクート 日本支社長の坪川成樹氏によれば、スクートの成田~ドンムアン線の搭乗率は2017年度(2017年4月~2018年3月期)実績で、年間平均95.4%という非常に高い数字になっている。また、特にLCCではインバウンド需要が高い日本~バンコク路線ではあるが、日本発の利用者も40%と海外航空会社のLCCとしては高い数字となっており、「(搭乗率)90%を狙えると思う」と意欲を見せた。

 また、東京の羽田/成田とバンコクのスワンナプーム/ドンムアンを結ぶ路線は、この夏期スケジュールにおいて、タイ国際航空が1日最大6便(成田4便、羽田2便)、ANA(全日本空輸)が1日最大5便(成田2便、羽田3便)、JAL(日本航空)が1日最大4便(成田2便、羽田2便)、タイ・エアアジアXが1日最大3便(成田3便)と、中距離路線では最大級の座席供給量となっている。

 ギャン・ミン・トー氏は、搭乗率について「85%以上」と坪川氏よりも控えめな目標を口にしたが、大型機の新規就航による座席供給増については「東京2空港、バンコク2空港の路線は大きな市場で、ニーズはかなり強い。(ノックスクートの参入で)座席供給量が6~7%増えることになるが、需要はあると思う」と、供給過多とはならないとの見方を述べている。

ノックエアーの路線図
ノックスクートの機材について

 今回、新たに日本路線に定期便を運航するノックスクートだが、現在同社はボーイング 777-200型機を4機保有し、明日(24日)に5機目を受領予定。さらに2018年下半期にはナローボディ機(単通路機)の導入も計画しているという。導入機については現時点ではボーイング 737-800型機が有力であるとしている。

 さらに、ギャン・ミン・トー氏は今後の路線について「中国、日本のほかの国に就航したいと考えており、インドはほぼ確定。日本については、成田以外に1~2都市追加したい」とし、名古屋、関西、福岡といった名前を挙げつつ、「ナローボディを導入するので、ほかの都市も視野に入ってくる可能性はある」とした。

インフィニ・トラベル・インフォメーション株式会社 代表取締役社長の植村公夫氏
タイ王国大使館 次席公使 チューチャーイ・チャイワイウィット氏

 ちなみに、4月23日に行なわれた記者会見では、インフィニ・トラベル・インフォメーション 代表取締役社長の植村公夫氏や、タイ王国大使館 次席公使のチューチャーイ・チャイワイウィット氏もあいさつ。

 インフィニ・トラベル・インフォメーションの植村氏は、同社のシステムがノックスクートから推奨GDSであることなどを説明したうえで、「ノックスクートの就航がアウトバウンドの需要拡大に貢献することを期待。共同キャンペーンなどを計画しているので、一緒になって日本からのアウトバウンドの需要開拓、需要喚起に努めたい」と話した。

 タイ王国大使館のチャイワイウィット氏は、「2003年以前は30万人ぐらいのタイ人が日本を訪れていたが、ビザ免除以降は100万人を超えた。日本からタイへは年間150万人ほどが訪問している」とビザ免除プログラムが交流人口拡大につながったことについて触れたうえで、「新規路線就航は、タイ経済にもよいことだし、タイ人が日本経済の活性化に貢献することにもつながる。我々は多くの日本人をお迎えしたい」と、日本からのアウトバウンド増への期待も示した。

 また、ノックスクートのスローガンである「Fly Awesome」についても触れ、「素晴らしいスローガンだと思う。私もぜひ利用して、Awesomeを味わってみたい」と話した。