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日本旅行業協会、「てるみくらぶ」破綻を受け再発防止策は「経営ガバナンスの強化」と「弁済制度の見直し」
消費者保障制度「JATAボンド保障制度」を広めていきたいと越智氏
2017年11月16日 21:00
- 2017年11月16日 発表
JATA(日本旅行業協会)は11月16日、破綻した旅行会社「株式会社てるみくらぶ」の弁済業務保証金制度の認証結果について報告した。10月31日に開催された弁済業務委員会で認証した件数は1万643件(総額34億2059万948円)で、債権総額の3.5%が債権者へ支払われる。今回の還付金の最高額は364万3600円、最低額は5948円であることも報告された。
今後の流れなどについては、関連記事「日本旅行業協会、『株式会社てるみくらぶ』の弁済業務保証金の還付は3.5%」を参照してもらいたい。
今回JATAへ認証の申し出を行ない、認証された1万643人へ還付金が支払われるわけだが、関連記事「日本旅行業協会、『てるみくらぶ』の破産申請・営業停止を受け、旅行者向けに弁済業務保証金制度の案内サイト開設」でも既報のとおり、JATAが窓口で対応を行ない、7月に弁済金の申し出に関する書類を送付した該当者の数は、約3万4000件であったことを明かした。
そのなかでも、弁済を申し出ないという債権者やカード利用で返済が完了した債権者もいたため、今回は、「一部まだ決着がついていない人もいる」としながらも、全体の約3分の1くらいの該当者がJATAに弁済の申請を行ない、認証されたことになる。カード利用者の返済額についてJATA 理事・事務局長の越智良典氏は、「正確な金額は把握していないが推定では数十億円とみている」と述べた。
弁済率が3.5%であることに対して「前例がないくらい低い。過去の例から見ても異常事態であり、同じようなことが起こってはいけない」とコメント。現在は、観光庁とともに再発防止のための制度の見直しなどを行なっているとし、具体的には「経営ガバナンスの強化」や「弁済制度を見直す」ことなどを挙げた。
JATAは、消費者を守る手段として消費者保護制度「JATAボンド保障制度」への加入を各旅行会社にお願いしている最中であることを明かし、できるだけ広めていきたい考えを示した。これについて越智氏は「これも一つの旅行業界の信頼回復のステップ」とコメントしている。
また、てるみくらぶの関連会社である「株式会社自由自在」の弁済業務保証金についても触れ、申し出を受けた件数は153件、総額2305万5000円が認証されたと報告した。自由自在の弁済限度額は7000万円が用意されており、債権者への弁済金は100%が支払われるという。