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JALグループ、那覇空港の空の日イベントで非常訓練などを体験できる航空教室開催
新旧ジンベエジェット共演も
2017年11月16日 12:54
- 2017年11月11日 開催
那覇空港で11月11日、空の日イベントが開催された。空港ターミナル内では、2階のウェルカムホールほかで航空各社がイベントスペースを設置。親子連れの観光客などが訪れ、大いに盛り上がった。
JALグループは空の日イベントの一環として、JTA(日本トランスオーシャン航空)とRAC(琉球エアーコミューター)による航空教室を開催。100名ほどの応募者から抽選で選ばれた50名が参加した。
会場となったのは那覇空港内にあるJTAのメンテナンスセンター。庫内ではWi-Fi機器取り付け作業中のJTA機などがメンテナンスを受けていた。バスで到着した参加者たちは、めったに見られない光景に大興奮の様子だ。
研修室に移動し、JTA・RAC両社のCA(客室乗務員)とパイロットから講義を受ける。JTA CAの喜納さんからはキャビンアテンダントの機内での仕事について、ドリンクサービスや機内販売など搭乗客に快適なサービスを提供することのほか、非常時の避難誘導の重要性が説明された。
「魔の11分間・クリティカルイレブン」と呼ばれる、離陸時・着陸時の事故の起きやすい時間帯の心構えなどを解説。搭乗客の安全を守る大切な業務のため、乗務するためには筆記試験と実技試験を定期的に受けていることも説明された。
RAC CAの矢嶋さんからは、本人が記事制作に携わっているRACのWebサイト「美らっくラック(ちゅらっくらっく)」の説明があった。記事アップのため渡航先では写真撮影や取材を敢行。スライドショーを使って取材先の魅力を説明した。
続いてRACで副操縦士を務める藤原さんは、プロペラ機の魅力を説明した。高度や速度ではジェット機にはおよばないが、短い路線ではジェット機に遜色ない時間で飛ぶことができ、離島間を飛行するRACの路線では威力を発揮していることなどが語られた。なんといってもメリットは、燃費のよさだということに参加者たちも納得の様子。
JTAで機長を務める鈴木さんからは、パイロットの仕事とその魅力が語られた。自身の写真を使ったスライドショーはユーモアたっぷりで、会場からは笑いが起こり、雰囲気が和んだ。最後に、「将来の目標の選択肢に、パイロットを加えていただきたい」と締めくくった。
次に移動したのは非常訓練用のモックアップ。機体トラブルで海に着水した際の脱出訓練を体験する。
救命胴衣も実際に身に着ける機会はないので、貴重な体験だ。胴衣の空気は指示があるまで膨らまさないようにとの注意があったが、着席中に膨らましてしまった参加者も。そんな失敗もありつつ、全員が無事に機体外に脱出。
ちなみに胴衣の空気は出口のところで膨らますのが基本。ただし翼付近の非常口から脱出する場合は、出口を出てから膨らます。かなり大きく膨らむため、狭い機内で膨らましてしまうと通路の妨げになってしまうためとのことだ。
続いて整備工場に移動。2グループに分かれ、整備士から工場内のことや機体についての説明を受ける。JTAメンテナンスセンターでは、JALグループの機材以外にも他社の機材のメンテナンスも請け負っている。
飛行機によく乗る人でも、じっくりと機体を観察する機会はなかなかないのでみんな興味津々で説明を聞く。子供たちからはなかなかするどい質問も飛び出した。
「雷が当たっても大丈夫?」
「機体の素材は何でできているの?」
「重さはどのくらいあるの?」
など、それぞれについて丁寧に回答があった。
質問のなかには、「エンジンの羽の中心に書いてある渦巻きはなに?」というものもあった。これは次に見学する場所で説明するとのことで、移動した倉庫にはエンジンが置かれていた。その迫力に参加者からは感動の声が上がった。
この渦巻きは、ファンが回っていることが分かるように書かれている、と質問についての回答。ファンの羽は38枚あり、1枚の値段は120万円という話には驚きの声が。エンジン1基で5億~6億円。あらためて飛行機のすごさを実感したようだった。
最後は再び整備工場に戻り、全員で記念撮影。そんななか、ジンベエジェットが到着するとの情報が。全員でジンベエジェットを出迎えた。
参加者には記念品が配られ、スタッフに見送られて空港ターミナルビルへ。飛行機にじっくり触れることができ、さらに飛行機愛が深まったイベントだったのではないだろうか。
那覇空港のターミナルビルに戻り、JALグループのイベントブースに立ち寄ると、制服を身に着けての記念撮影会や紙ヒコーキ教室などが行なわれていた。
制服なりきり撮影には就学前の小さな子供たちが多く参加。紙ヒコーキ教室は小学生の人気が集まっており、飛行機と空港に対する親しみが深まる一日になったことを感じさせた。