ニュース
ベトナム航空、2017年夏期スケジュールで羽田~ハノイ線にエアバス A350-900型機を投入
現在はプレエコシートをエコノミーとして提供、収納スペースが広い同機ならではの機内食も
2017年3月28日 00:00
- 2017年3月26日 導入
- 2017年3月27日 実施
ベトナム航空は3月26日、航空夏期スケジュールのスタートに合わせて羽田~ハノイ線の使用機材をエアバス A350-900型機に変更して運航を開始した。この運航2日目となる3月27日には、報道関係者を集めて機内見学ならびに機内食の試食・説明会を実施した。
ベトナム航空の羽田~ハノイ線は2014年7月1日に運航を開始したが、これまで使用機材が178席(ビジネスクラス16席、エコノミークラス162席)または184席(ビジネスクラス16席、エコノミークラス168席)仕様のエアバス A321型機を使用してきたが、機材自体の席数がそれほど多くないうえ、航続距離の関係で席数を制限してきた。
日本人のベトナム渡航者数は2008年のリーマンショックの影響が出た2009年以降、年々伸びており、2016年は前年比10.3%増となる74万592人。需要が高まるなかで機材の大型化を目指していたが、ようやく実現した格好となる。同社のエアバス A350-900型機は、レギュラー運航としては2016年10月30日に関空~ホーチミン線に続いて2路線目の日本路線導入となる。
ベトナム航空の羽田~ハノイ線
VN385便:羽田(16時35分)発~ハノイ(20時20分)着、3月26日~4月30日
VN384便:ハノイ(08時15分)発~羽田(15時05分)着、3月26日~6月30日
上記は羽田~ハノイ線の3月27日時点の運航ダイヤとなるが、夏期スケジュール期間(10月28日まで)は、ハノイ発着時刻が運航日によって多少変わるものの、羽田の発着時刻は固定されている。このダイヤは、往路は国内線で各地から羽田空港に来てハノイへ行く。復路は羽田に到着してから当日中に日本各地へ行く、という主に移動時間を1日で済ませたい日本各地のビジネスユーザーの利便性を考慮したものであるという。
ベトナム航空では、この羽田~ハノイ線へのエアバス A350-900型機導入を記念し、初便となった3月26日の搭乗客(225名、幼児1名含む)に記念品を配布。
さらに、ベトナム航空が運営するベトナム情報Webサイト「Meets Vietnam」のメールマガジンに登録することで、抽選で羽田~ハノイ線の往復航空券などが当たるキャンペーンを実施している。期間は5月10日まで。
ベトナム航空 エアバス A350-900型機の機内
ベトナム航空のエアバス A350-900型機は、ビジネスクラス29席、エコノミークラス276席の計305席仕様。
ビジネスクラスはいわゆる「ヘリンボーン」と呼ばれる、進行方向に対して座席を斜めにしたレイアウトを採用。シートピッチ106.7~111.7cm、シート幅53.3cmで、フルフラット化できる。シートモニターは15.4インチ。
エコノミークラスついては、うち45席がプレミアムエコノミー仕様のシートとなっている。現時点ではシート以外のサービスはエコノミークラスと同等のため、マイレージプログラムの上級会員などに優先してその席を割り当てているが、今夏~秋にかけてプレミアムエコノミーのサービスも提供し、3クラス制での運航となる予定にしている。
このプレミアムエコノミーのシートは、シートピッチがやや広く最大96cmほどとなるほか、レッグレスト、フットレストを備える点や、各座席にユニバーサルAC電源を備える点に特徴がある。シートモニターも10.6インチとやや大きい。
エコノミークラスは3-3-3の9アブレストで、シートピッチは78~81cm。シート幅が43cmと、エアバス A350-900型機の広い客室を活かした作りで余裕を感じられる。シートモニターは最大10インチ。ユニバーサルAC電源は3席に対して2口ずつ備えている。なお、USB電源はビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミークラスすべてで各席に備えている。
ベトナム航空は2015年にアジアで初めてのエアバス A350-900型機運航会社として初号機を導入。現在までにリース機材4機を含む6機を受領。ボーイング 777-200型機を置き換える機材として、最終的に24機を導入する予定だ。
このほか、ベトナム航空は日本路線においては90%以上の定時運航率を達成していることや、各種安全基準を網羅していることをアピール。
さらに現在、エアバス A350-900型機とボーイング 787-9型機の導入を同時に進めている。新型機導入にはパイロットやCA(客室乗務員)、整備士の訓練が必要になるが、当然その間も定期便は運航しなければならない。それを2機種同時に行なうのはかなりハードなものとなるが、社会主義国家というお国柄、パイロットの腕などがそれを実現しているという。
機内食もポイントで、ベトナムでは「おもてなしといえばまず食事」で、いただく側は少し残すことで満足を表わすといった文化を持つとのこと。ベトナム航空もそういった文化を反映して、「コストカットでも機内食を減らすという話にはならない」とのことで、こだわりを持った機内食を提供しているという。
エアバス A350-900型機になったことで、この機内食も充実する。例えばビジネスクラスでは従来はお皿にディッシュ盛りで提供していたが、機材が大きく、収納スペースが広くなったことで、CAが直接盛り付けして乗客に提供でき、見た目にも立体的で彩りがよくなるという。
また、同じビジネスクラスでは、洋食、和食で2つずつの選択肢を用意。さらにデザート、チーズといった機内食に付随するメニューに力を入れている。
なお、以下に掲載する機内食はいずれも羽田発~ハノイ行き便で提供されるもので、メニューは2カ月に1回変更している3~4月は同じ機内食を提供したのち、5月にリニューアルされることになる。
エコノミークラスについてもフルサイズトレイで提供。しかも和食と洋食でメインの食事だけを入れ替えて、ほかは同じという機内食も増えているなか、ベトナム航空ではトレイセットの内容も和食、洋食で変えているのが特徴となっている。